【専門家に聞く】特別支援学校、グループホーム、B型事業所…見学した実際は?リアルな情報を生かすライフプランとは

ライター:LITALICOライフ
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LITALICOライフ
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「子どもが世の中に馴染めない」「大人になってやっていけるのか心配…」発達障害・特性のある子のご家庭からの相談に、日々応じるLITALICOライフのライフプラン面談。

今回は、その面談を毎日おこなうライフコンサルタント、稲垣由華さんと角田直樹さんの対談記事です。特別支援学校・グループホーム・就労継続支援事業所などの見学も積極的なお二人に、気になる実情と合わせて聞いてみました。

“リアルな実情もお届けする”ライフプランニング・コンサルタント2名をご紹介

(左)角田直樹さん (右)稲垣由華さん
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稲垣 由華(いながき ゆか)

(写真右)学習塾での講師経験から受験全般に精通。ファイナンシャル・プランナーとして年間300世帯以上への家計の見直し・資産運用の助言実績もあり。現役の公立小学校の支援員としても活動中。

角田 直樹(かくた なおき)

(写真左)「子どもたちの選択肢を増やす」ことを軸に、前職では金融業界や、人材業界でのキャリア支援に携わる。現在はAFP、プライベートバンキング・コーディネーターの資格も生かし、長期視点での人生設計に向き合っている。

子どもの将来の生活費は、月何万円あるといい?ご家庭それぞれの想い

角田直樹さん
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LITALICOライフ編集部(以下、ーー):お二人は、発達障害・特性のある子の保護者さまと日々、ライフプラン面談をしていますよね。ご家族からはどのようなお悩み・相談が多いですか?

角田直樹さん(以下、角田)「子どもの行く先が心配」という方が多いですね。はじめは目の前の進路や今の学校生活についてご相談いただくことが多いのですが、お話を聞いていくと、学校以外の将来的なサポートの仕組みや準備がわからない、という方が多いです。

稲垣由華さん(以下、稲垣):自分のこと以上に、お子さまのことを深く考えている方がほとんどですよね。

ーー発達障害についてはケースがさまざまで情報も少ないですから、保護者さまとしては想像もつかないことばかりで、不安かもしれませんね。

稲垣:そうだと思います。ですから、LITALICOライフのライフプラン面談では、発達障害に関わるさまざまな制度・施設・学校・事例などの情報もお伝えしています。
イメージがわくと、「うちの家庭はどうしようかな」と考えやすくなりますよね。そういった情報をふまえて、お子さまの将来像を一緒に整理していきます。
角田:保護者さまの想いも大事ですね。
LITALICOライフのライフプラン面談では、お子さまの将来像を整理すると同時に、その実現のためにかかる費用や、自立後の収入・家賃など生活費についても一緒に計算することができます。
お子さまの将来の生活費が月15万円だとして、「なんとか生活できそう」と安心する保護者さまもいれば、「これでは一人暮らしはできないだろうなぁ…」と悩まれる保護者さまもいます。
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週所定労働時間別
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ご家庭ごとに大切にすることは違うと、日々実感します。

稲垣:そのご家庭の想いを形にするのが、私たちの仕事ですよね。保護者さまには思っていること・感じていることをお話いただきたいです。

うちの子に合った働き方は?B型事業所のボランティアを通じて感じた、さまざまな仕事の価値観

稲垣由華さん
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角田:稲垣さんは、就労継続支援事業所でボランティアをしているんですよね。

稲垣:そうなんです。

ーー就労継続支援は、一般雇用とは異なる働き方ができる場所ですよね。

角田:はい。就労継続支援は、その人の障害や体調に合わせて就労訓練を行うことができる福祉サービスです。雇用契約を結ぶ「A型」と雇用契約を結ばない「B型」の2種類があります。

稲垣:私がお手伝いしているのは、B型事業所のほうですね。B型事業所にもさまざまな業態がありますが、私がお手伝いしている事業所はパン工房・お弁当工房・お菓子工房があって、軽作業を通じて就労訓練ができます。

ーー福祉サービスということは、働かれている方の月の収入は実際どれくらいになるのでしょうか。

稲垣:B型事業所はA型事業所と異なり雇用契約を結ばないので、給与ではなく「工賃」が対価になります。さまざまな方がいますが、月1万円というケースもありますね。
就労継続支援A型・B型の比較図
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角田:障害年金を受給していたり、親御さまからの支援がある方も多いですね。

稲垣:驚いたのは、その事業所ではみなさん「仕事が楽しい」と言うんです。仕事の後は趣味のダンスや絵画を習いに行ったり、休みの日は韓流スターのイベントに足を運んだりしているそうです。
その方の場合は親御さまの仕送り・支援があるからこそですが、たくさん働いて収入を得ることばかりじゃないなぁと、考えさせられました。

角田:「仕事が楽しい」って言えるのは貴重ですね。診断のないグレーゾーンの方も含めてですが、発達障害のある方で、定着できる職場が見つからなくて困っている方もいますよね。

うちの子に合う就労の選択肢は?特別支援学校の先生から聞いた「一般就労にこだわりすぎない」理由

角田直樹さん
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稲垣:働き方と言えば先日、特別支援学校高等部の就職担当の先生にお話を伺ったのですが、興味深いお話が話がありましたよ。

角田:特別支援学校の高等部は職業科など、就職に強みをもった学校も多くありますよね。実際に、3割以上の方が卒業後に就職していると言いますし。その就職担当の方から、どんなお話を聞けたんですか?
知的障害 特別支援学校高等部 卒業後の進路のグラフ
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稲垣:その先生がおっしゃるには、B型事業所などの福祉的就労は、その人の障害や体調に合わせて働くことができる仕組みです。一方で、一般企業で働くなどの一般就労には職場・職種ごとの「型」が一定ありますから、「その型に合わせられる人」が求められるケースもあるそうです。
一般就労を選んだ子のご家庭では、「夜更かしさせない」「朝起こす」など親のサポートが必要な場合もあって、「一般就労にこだわりすぎないのも一つじゃないか」と言っていました。

角田:なるほど。実際に見てこられた方の話には説得力がありますね。

ーー稲垣さんも角田さんも、今、話にあった特別支援学校や就労継続支援事業所、特例子会社や学校、グループホームなど、さまざまな場所に足を運んでいますよね。

稲垣:先ほどの話にもありましたが、こういった情報って、調べてもなかなか出てこないんです。保護者さまはリアルな情報を求められていますから、私たちもできる限りリアルな情報収集を心がけています。

うちの子に合う住まいは?グループホームの実際

稲垣由華さん
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角田:住まいに関するお悩みも多いですね。「うちの子、一人暮らしは難しいかも」と思っても、ひとまずは実家があります。しかし、いつまでも親と一緒、というわけにもいかない。

稲垣:住まいについてもさまざまな考え方がありますね。

角田:そうですね。「やっぱり実家で一緒に暮らしたい」というご家庭もいれば、ずっと親と一緒にいられるわけではないのだから「早めに検討したい」というご家庭もいます。保護者さまが本格的に高齢になる前、だいたいお子さまが30~35歳くらいから、グループホームの入居を想定されるご家庭も少なくないですね。

稲垣:一方で、入りたいと思っても実際はなかなか空きが見つからないケースもあります。難しいですよね。経済的なことも含めて、早めに見学などの準備だけ進めておくご家庭もいます。将来に向けた準備には、実現したい理想はもちろん、実情を知ることも大切です。私たちが現場に足を運んでいる理由の一つでもあります。
角田:グループホームに入りたいと思って入っても、生活してみると合わなくて実家に戻ったという話もありますからね。グループホームを選ぶ、試してみるという期間も踏まえて準備できると安心ですね。

稲垣:自立には経済的なこと以外にも、気持ちや生活スキルといったさまざまな要素がありますから、保護者さまだけで抱えず、一緒に良い方法を整理できたらと思います。

子どものこと・親のこと、オールインワン・ワンストップで話せる場所

(左)角田直樹さん (右)稲垣由華さん
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ーーライフプラン面談では、お子さまの進路から合った働き方など、将来のことまで幅広く話すことができるんですね。

稲垣:お子さまだけではなく、保護者さまの人生も一緒に考えますよね。

角田:お子さまのことだけで解決するお子さまの問題って意外に少ないですもんね。

稲垣:そうなんです。子ども想いな方ばかりで感動する一方、ご自身のことが二の次になっていると感じることがあります。もしかするとこれから、ご自身の親の介護や、転職や退職といったお仕事の変化もあるかもしれません。家族の問題は複雑に重なり合っていますから、お子さまのことだけではなく、保護者さまご自身のこともいろいろお話いただきたいです。

角田:実際にお子さまの将来準備を進めた後で、「自分のことも諦めたくない」「子どもに自分らしい生き方を見てほしい」と行動される保護者さまもいました。ふだんはお子さまのことでお忙しく、ご自身のことを考える機会も少ないと思います。保護者さまにとってもご自身の人生を考えられる場所でありたいですね。

稲垣:そう思います。LITALICOライフはお子さまのこと・保護者さまのことはもちろん、進路からお住まい、教育資金、使える福祉制度、民間サービスなど、オールインワン・ワンストップでご相談にのることができる、ユニークな場所だと思うんです。
LITALICOライフのサービス図
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角田:それらのことって一見バラバラのようで、一つの人生にぜんぶ繋がっていますから、いっぺんに繋げて話せることが大事ですよね。

稲垣:同時に、実情に合った情報を提供することで、将来のこともより具体的にイメージすることができますよね。LITALICOライフは名前のとおり、「人生について考える場所」だと思います。

角田:子どもや自分の人生についてじっくり考える機会ってなかなか無いですしね。また、第三者と話すことで、保護者さまが「これがしたい!」「これだけできれば後はもういい」と思ったことに、「こういう場合はどうしますか?」と別観点をお伝えできるのも利点だと思います。

稲垣:確かに、そうですね。第三者がいると、夫婦でなかなか話せない内容も、すり合わせができますし。「将来について」なんてふだん話す機会がありません。

角田:「そんなこと思ってたの⁉」と夫婦で驚き合うシーンもよく見かけます。先日は、「こんなに話し合ったのは、結婚式の準備以来です」と言っていただきました(笑)。

稲垣:そういうものかもしれないですね(笑)。
稲垣 由華さんのプロフィール・無料勉強会はこちら
https://bit.ly/3yZ2AfY
角田 直樹さんのプロフィール・無料勉強会はこちら
https://bit.ly/3pnhvNA
LITALICOライフでは、発達障害のある子のご家庭と日々、「進路」や「将来」といったライフプラン(人生設計)について相談・面談をしています。

18以上のテーマの無料勉強会を開催していますので、気になる方は参加してみてください。
勉強会のあとに、個別の無料面談を希望することができます。

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