「普通という小さな箱に入れようとしていませんか?」小4時代、学校の先生の言葉が軽度発達障害診断のきっかけに

ライター:よしだ
「普通という小さな箱に入れようとしていませんか?」小4時代、学校の先生の言葉が軽度発達障害診断のきっかけにのタイトル画像
Upload By よしだ

現在小学校5年生の長女ゆい。小学校4年生のときに発達検査を勧められ、その後5年生で軽度知的障害、自閉スペクトラム症、場面緘黙などの診断を受けました。小学校の勉強って3年生あたりからだんだんと難しくなっていくのですが、ゆいがつまずいたのはまさにそこでした。

監修者三木崇弘のアイコン
監修: 三木崇弘
はりまこどものこころ診療所 院長
愛媛大学医学部卒。医学博士(東京医科歯科大学)、経営管理学修士(早稲田大学)。2013年より国立成育医療研究センターで児童精神科医として勤務。2019年よりフリーランスとして医療・教育・福祉・行政の現場で働く。2022年より地元兵庫県姫路市にUターンし、2025年4月「はりまこどものこころ診療所」を開設。

小学校3年になって、難易度が上がった勉強につまずきだした

現在小学校5年生の長女ゆい。小学校4年生のときに発達検査を勧められ、その後5年生で軽度知的障害、自閉スペクトラム症、場面緘黙などの診断を受けました。

小学校の勉強って3年生あたりからだんだんと難しくなっていくのですが、ゆいがつまずいたのはまさにそこでした。3年生から難易度が上がるといっても、テストで高得点をとる子も多いと思います。でもゆいの算数のテストは50点以下が多かったです。これを見ても「勉強の苦手な子だなあ、でも元気ならそれでヨシ!」と適当に考えていた私のところへ、ゆいが4年生に上がったある日、担任の先生から電話が来たのです。

教室にいたのは担任の先生。そしてもう一人…。

先生からお話したいことがあるので学校に来てくれませんかと言われたとき、最初に考えたのは「クラスの子と何かトラブルがあったのかな?」ということでした。4年生のクラス替えで仲の良い子と離れてしまい、友達をうまくつくることができていなかったようなのです。

教室に入ったとき、担任の先生ともう一人、加配の先生がいらっしゃったので「あれ?」と感じました。加配の先生は、授業に集中できない子たちの横について個別にサポートしてくださる方です。「なんで加配の先生がここにいるんだろう」と不思議に思っていました。私はここまで、ゆいが特別扱いを受けていることに気づいていなかったのです。
担任の先生のほかに加配の先生もいて
Upload By よしだ

学校でのゆいの様子は

先生がゆいの学校でのことを教えてくださいました。

「勉強についていけず、理解する余裕がない状態です」
…そうですよね。この子は勉強が苦手なんです。

「私たちもゆいさんに合った指導方法を探していこうと考えています」
…あれ、これはもしかして、大ごとなんじゃないのかな?

「もしよろしければ、発達検査というものがあるので一度受けてみてはいかがでしょうか?」
……。
発達検査を勧められる
Upload By よしだ
学校の先生からこんな提案受けるなんてよっぽど大変なことになってるんだ。
でも私はこんなことを言ってしまったんです。
そのとき私が言ってしまったこと
Upload By よしだ
「でも、個別指導の塾にも通うようになりましたし、これから頑張ればみんなに何とか追いつくんじゃないかと思ってます

なんでこんなことを言ってしまったのかというと、多分受け入れることができなかったからなんだと思います。それは「検査を勧められるほどに発達に心配があると思われているわが子」ではなく、「子どもの遅れに目を背けた自分自身」にです。

普通のお母さんだったら、子どものためにもっと早く動いていたのでは?小学校3・4年生のテストとは言え、いつもテストの点数が低かったゆい…。「勉強ができなくてもいい、元気だったら」と思っている気持ちに嘘はないけれど、それと同時にそれは親がラクしたいための言い訳だったのではないかとうしろめたさを感じてしまいました。

そんな私に対して先生は「お母さん、お子さんを普通という小さな箱に入れようとしていませんか?」と仰いました。
先生の言葉にハッとする
Upload By よしだ
発達特性検査バナー
次ページ「「普通」であることにこだわっていた私」

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。