自閉症カミングアウトに祖母は「そういうこと言うもんじゃない」…!?孫の発達障害「あえて理解を求めない」わが家のバランス
ライター:寺島ヒロ
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発達障害のあるお子さんの保護者の方のお話を伺うと、夫の両親、自分の実家の家族に子どもの障害のことをなんて話したら良いか、どうやって理解を求めていくかという話題が出ることが多くあります。やはり、親戚付き合い、実家付き合いはみなさん、関心のあるところなのだなあと思います。
そこで今回は、今まであまり表に出したことのない、私の実家の家族、子どもたちの祖母のことについて、少し書いてみようと思います。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
戦中生まれの母…発達障害なんて分からない!?
私の母は戦中の生まれで、発達障害についてはほとんど知りません。普段、本を読むこともなく、テレビもほとんど見ないので、情報源といえば新聞ぐらい。発達障害がある私の2人の子どもたちのことも「ちょっと変わった子だから、いじめられないか心配」ぐらいの感覚のようです。ちなみに父は早くに亡くなりました。私は一人っ子です。
子どもたちに発達障害があることを言ってみたけれど…
私の母のような人が、これから積極的に勉強して、発達障害や障害者福祉について理解し、孫たちのためになにか行動するとか、全く現実的ではないですし、期待しても仕方がないことだと思っています。
あえて理解を得ないという戦略
子どもたちの細かいケアを頼ることはできませんし、ときには心ない言葉で精神を削られることもありますが、子どもたちの進学先や所属する学級、支援の申請内容などを、私と子どもたちだけの判断で決められるなど、関わってこられなくて気楽という面もあるので、あまり「理解を得る」ことにリソースを使わないようにしています。
そんな母ですが、孫のことはたいへん可愛がってくれ、よく観察しているなと感心することもあります。
おばあちゃんの買ってきた服は嫌!
いっちゃんが7~8歳ぐらいだったころ、母がこんなことを言いました。
母「いっちゃんは本当にアンタに似てるねえ…」
私「日がな一日絵を描いてるところとか?」
母「それもあるけど、見た目が似てる」
私「顔は似てないでしょ」
母「服が似てる」
母が言うには、いっちゃんが母の家に泊まりに行ったとき、私が持たせた服が足りなくなることがあるのだそうです。それで、予備で買っておいた服を着せるんだけど、大体すぐ脱いでしまうのだと。
母「いっちゃんは本当にアンタに似てるねえ…」
私「日がな一日絵を描いてるところとか?」
母「それもあるけど、見た目が似てる」
私「顔は似てないでしょ」
母「服が似てる」
母が言うには、いっちゃんが母の家に泊まりに行ったとき、私が持たせた服が足りなくなることがあるのだそうです。それで、予備で買っておいた服を着せるんだけど、大体すぐ脱いでしまうのだと。
おそらく、いっちゃんには感覚過敏があるので、母が感じ取れないレベルの生地のケバ立ちが気になって、着られない服があったのでしょう。
私も似たようなことをしていた!
さらに母は「アンタも私が買ってやった服が気に入らないと、よくチクチクするってケチつけて着なかったよね」と言います。全く覚えていないのですが、幼いころの私も母が買ってくれた服を「チクチクする」と着なかったことが頻繁にあったようです。
シュミが渋すぎる娘たち
母「自分で選べばと思って、一緒に服を買いに行っても、地味な色のクタクタした服ばっかり選ぶのも一緒。なんていうか子どもらしくないのよ!」
子どもがみな鮮やかな色の服が好きというのは、母の思い込みだと思いますが、たしかにそれも私と娘ではそっくりです。私たちは、明度と彩度の高い色の服が大の苦手。眩しいという感じと似ているのですが、例えばテラテラした素材のピンクのスカートなどが、視界に入ると目が「ケチャケチャ」して不快に感じてしまうのです。
外に出るときは白いシャツとかも着るけど、基本家ではグレーのグラデーション。イラストにするときは、人物の区別がつかないので色を載せているんですけどね。
外に出るときは白いシャツとかも着るけど、基本家ではグレーのグラデーション。イラストにするときは、人物の区別がつかないので色を載せているんですけどね。
「ちゃんとした服」を着て!と言われても…
いっちゃんが15歳になった今でも、よく母に「いっちゃんに、ちゃんとした服を買ってあげなさいよ」と心配されます。というのも、いっちゃんは服が足りなくなると、私の服を「これほしい」と言っては持っていき、大抵いつも私のお古を着ているのです。
新しい服を買いにお店などに行くよりは、私のチェックを通過した服から選んだ方が効率的ということらしいです。明るくて騒がしいお店での買い物が苦手ないっちゃん、賢いと言えなくもない判断です。
母に「服を買って送ってあげる!」と言われることもあるのですが、断固として断っています。
気持ち的には「服を買ってあげる甲斐のない娘と孫でごめんなさい!」なのですが、ここは私たちにとってどうしても譲れないところなのです。
執筆/寺島ヒロ
気持ち的には「服を買ってあげる甲斐のない娘と孫でごめんなさい!」なのですが、ここは私たちにとってどうしても譲れないところなのです。
執筆/寺島ヒロ
(監修:初川先生より)
祖父母や親戚の方が、発達障害のあるお子さん・孫についてどうご理解くださるかはなかなか難しい問題ですね。いつも一緒に生活しているわけではないと、発達障害のあるお子さんの多くの面をご覧になっているわけではないがゆえに、「大丈夫よ」「障害なんて気にしすぎなんじゃないの」といったことを言われることが多い気がします。そして最終的な責任のありかとしては保護者である親にかかってくるので、どこまでそうしたご意見を取り入れるのか、それ以前にどこまでお子さんの障害のさまざまな側面をご理解いただくかはとても悩ましいところではあります。ヒロさんのように、すべてを理解してもらうのは難しい、とある意味割り切って、障害についての理解はさておき、孫を可愛いと思っているその側面でお付き合いしていくのも一つの道だと思います。
いっちゃんのお祖母さんは、ヒロさん(娘)を育てるときも地味な服ではなく子どもらしい色の服を着せたい(そのときにあまり肌触りは気にしない)という思いを持たれ、いっちゃんに対してもそう思っていらっしゃるのですね。鮮やかな服がきっと似合うと強く思われていらっしゃるのでしょう。ただ、実際には、ヒロさんもいっちゃんも地味な色味で肌触りや軽さが重要。いっちゃんにとってお母さん(ヒロさん)が良き理解者であることは、服をめぐるあれこれについてとても安心感を与えてくれることだろうと思います。
祖父母や親戚の方が、発達障害のあるお子さん・孫についてどうご理解くださるかはなかなか難しい問題ですね。いつも一緒に生活しているわけではないと、発達障害のあるお子さんの多くの面をご覧になっているわけではないがゆえに、「大丈夫よ」「障害なんて気にしすぎなんじゃないの」といったことを言われることが多い気がします。そして最終的な責任のありかとしては保護者である親にかかってくるので、どこまでそうしたご意見を取り入れるのか、それ以前にどこまでお子さんの障害のさまざまな側面をご理解いただくかはとても悩ましいところではあります。ヒロさんのように、すべてを理解してもらうのは難しい、とある意味割り切って、障害についての理解はさておき、孫を可愛いと思っているその側面でお付き合いしていくのも一つの道だと思います。
いっちゃんのお祖母さんは、ヒロさん(娘)を育てるときも地味な服ではなく子どもらしい色の服を着せたい(そのときにあまり肌触りは気にしない)という思いを持たれ、いっちゃんに対してもそう思っていらっしゃるのですね。鮮やかな服がきっと似合うと強く思われていらっしゃるのでしょう。ただ、実際には、ヒロさんもいっちゃんも地味な色味で肌触りや軽さが重要。いっちゃんにとってお母さん(ヒロさん)が良き理解者であることは、服をめぐるあれこれについてとても安心感を与えてくれることだろうと思います。
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