傷のなめ合いでもいい、障害児子育ての孤独を癒した私の居場所

ライター:立石美津子
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017018947

子ども自身の生きづらさを軽減させてやることも親の役割の一つだと思いますが、自閉症のある子を育てて苦労している親にとって、親自身の居場所を確保することも、これから長く続く子育てをする上で、大切なことだと思います。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

同年齢の子どもを育てる親の集まりの中で感じる孤独

発達障害のある子どもへの支援は大切なことですが、同時に親御さんへの支援や心地よい居場所を作ることも重要なことです。

保育園、幼稚園では特別支援教育は行われませんが、子どもの状況に応じて加配の先生をつけてもらうなどして対応してもらうことも可能です。しかし、クラスの子どもたちのほとんどは定型発達であり、少数派になる発達障害児の親御さんにとっては、保育園、幼稚園という環境のなかでは、孤独な心境に陥ることもあります。

私も自閉症の息子が小学校に上がるまでは孤独感にさいなまれていました。

親の会への参加

小学校入学前の幼児を育てている親御さんはどうすればよいのでしょうか。

住んでいる地域や疾患ごとなど、さまざまな親の会があります。今は新型コロナウイルスの関係でリアルな集まりは少ないですがライブ配信やズームやSNSでの交流などは、住んでいる地域をまたいで交流することができます。親御さんにとっての居場所ができ、救われたり、質問もできたりします。リアルなタイムリーな情報も多く入ってきます。匿名で参加することもできます。

また、SNS上の集まりの良さは「退会したい」と思ったときも対応が容易です。これはある意味メリットだと思います。

傷のなめ合いだと言われたこともあった

私は子どもが小さいころ、親の会に積極的に参加していたのですが、そういう集まりを好まない障害のある子どものママから「傷のなめあいでしょ、私はそういう会、嫌いだから」と言われてしまったことがあります。

けれども私は「発達障害児を育てる親の集まりは、悲しい気持ち、悔しい気持ち、訴えたい気持ち、情けない気持ち、切ない気持ちなど良い意味で自分の心の傷をさらけ出し、良い意味で傷のなめあいになってもよいのではないか」と思います。
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異年齢の自閉症がある子どもを育てる親の集まり

わが子と同年齢の子どもの親だけでなく、幼児、小学生、中学生、高校生、成人など、異年齢の子どもの親が参加する親の会は、なお良いと思っています。

息子が3歳の頃、月1回開かれる自閉症のある子を育てる親の会に参加していたのですが、そこにはさまざまな年齢、例えば40歳の自閉症があるお子さんを育てている70代、80代の親御さん、中学生、高校生を育てている親御さんなどがいました。

そこで先輩ママからの次のようなアドバイスをもらいました。

例えば…

「療育手帳は早めにとっておいた方がいいよ、3歳になったら児童相談所でとれるから」

「投薬なくても、主治医がいた方がいいよ。障害基礎年金の申請時や福祉サービスを受ける時なんかに、主治医の意見書が必要になるから」

「通常学級に入れるメリットも確かにあるけれど、自分の子に適した学校を探してみて。うちの子は無理して通常学級に入れてしまったらいじめられ、自信を失って不登校になってししまって。今はフリースクールに通うようになって笑顔が戻ったわ。ずいぶんと遠回りさせてしまった」

「鬱、暴力などの二次障害は本当に家族も辛いわよ。だから居場所のよい学校などの環境づくりをしてあげてね」

などたくさんのアドバイスをもらいました。先輩ママからのアドバイスはどれもこれも同年齢の子を育てる親の会では聞くことのできないことばかりで、本当に学びになりました。

自閉症の息子が成人した今、私が参加するのは…

息子は現在21歳、今は、70代、80代の親御さんが集まる親の会に足繁く通うようにしています。子どもは50代 8050問題が目前に来ている年代の集まりです。

そこで語られるのは…

・親なきあとのグループホームのこと
・遺すお金のこと
・信託制度のこと
・成年後見人のこと

などです。大変学びになっています。

息子が特別支援学校高等部の時代はPTAがありました。PTA活動を通して、さまざまな福祉制度のこと、障害年金の受給の仕方などの貴重な話を聞ける貴重な機会もありました。

子どもが成人した私が、若い親御さん方にアドバイスできるとしたら、「親の会にできるだけ参加しましょう、できれば異年齢が混ざる会に参加しましょう」ということです。


(監修者・鈴木先生より)

各県には必ず神経発達症(発達障害)のあるお子さんの「親の会」があると思います。日本にはさまざまな疾患の親の会があります。てんかん、悪性腫瘍、先天代謝異常症、ダウン症、自閉スペクトラム症等々です。神経発達症(発達障害)の親の会に関して、どこに問い合わせたらいいのかわからなければ、各県の発達障害者支援センターに問い合わせてみましょう。

子どもの部と成人の部に分かれている会もあります。入った時は小学生でも今は成人になっているお子さんもいるからです。就労支援や年金などさまざまな福祉に関する問題もありますが、これも先ほどの発達障害者支援センターで相談はできます。発達障害者支援センターでの相談は無料です。利用してみてはいかがでしょうか。

一人で悩まないことが大切です。親の会に参加することでさまざまなご家庭があり、それぞれ工夫して生活している様子もわかると思います。

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