自閉症の息子、警察に通報された!?一人で外出中、パニックを起こしかけたけれど

ライター:立石美津子
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自閉スペクトラム症のある息子は、トイレめぐりが唯一の趣味です。先日も、商業施設の多目的トイレを見に、朝から1人で出かけていました。

午後2時、警察から私の携帯に電話がかかってきました。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

唯一の趣味に出かけた息子でしたが…警察から電話が

自閉スペクトラム症のある息子は、トイレめぐりが唯一の趣味です。先日も、商業施設の多目的トイレを見に、朝から1人で出かけていました。しかし…
午後2時、警察官の方から私の携帯に電話がかかってきました。

「息子さんが トイレの前で騒いでいると通報がありました。 それで保護者の方にお電話しました」と。

トイレの前でパニックを起こしている息子を見た人が警察に通報したようです。

警察官の方は続けて
「息子さんは自閉スペクトラム症なのですね?」と言いました。
ヘルプマークをリュックにぶら下げていたのと、療育手帳に「自閉スペクトラム症です」と書いておいたので、警察官の方もわかってくれたようでした。

通報されたときの状況

さて、詳しい状況は次の通りでした。

息子は、訪れたいトイレの前で待っていたものの、いつまでたってもトイレが開かず、30分以上ドアの前で待っていたようです。どうも、ホームレスの人がトイレにこもっていて、出てこなかったようです。

待ってもドアが開かないまま時間が経過していき、帰宅の約束の時刻が迫ってきてしまいました。時間へのこだわりが強い息子は、門限が気になって気になって仕方がなくなってしまい、とうとうパニックになってしまった、という状況だと分かりました。

息子に電話を替わってもらうと

警察官の方にお願いし、息子に電話を替わってもらうと、電話口で「これからは30分持たない。20分待ってドアがなかったら諦めて次のトイレに見に行く!」と叫んでいました。

私は息子の様子を知り、帰宅が恐ろしくなりました。このようなパニック状態となると、自宅で母である私にものすごくあたるからです。

そこで、私は次のメッセージをSNSで送りました。「警察から電話がありましたけれど、20分ルールを作ったのはよい工夫ですね。これから、生かしてくださいね」と…。

息子のことを考えて適切な声がけができた、訳ではありません――帰宅後、私に当たられるのが嫌なので防衛策としてやったのです。
次ページ「帰宅した息子の様子」

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