自閉症息子のコントロールできない「奇声」と「独語」どうしたら?ーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!
ライター:ぼさ子

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体は成長しているけれど中身は発達ゆっくりのわが家の息子ほぺろう。気になるのは、どんどん声が大きくなるにつれ目立っている、奇声。公共の場でも周りに迷惑をかけないように過ごしてほしくて奇声をコントロールしたいけど、ほぺろうにどうアプローチしたらいいのか分かりません。そんな悩みを三木先生に相談させていただきました。

監修: 三木崇弘
はりまこどものこころ診療所 院長
愛媛大学医学部卒。医学博士(東京医科歯科大学)、経営管理学修士(早稲田大学)。2013年より国立成育医療研究センターで児童精神科医として勤務。2019年よりフリーランスとして医療・教育・福祉・行政の現場で働く。2022年より地元兵庫県姫路市にUターンし、2025年4月「はりまこどものこころ診療所」を開設。
奇声で周囲の人を驚かせてしまうほぺろう。どうしたらいいですか?
わが家の息子ほぺろうは特別支援学校の一年生。最近になってようやく発語が出ましたが、今は拙い単語程度。コミュニケーションとして言葉を使うという認識はまだまだで、好き勝手に声を出しています。
ぼさ子(以降ーー): ほぺろうは暇さえあればゴチョゴチョと宇宙語を呟いていたり、覚えたての単語だったり、会話ではない何かを常に発声しています。その声がとにかく大きくて…。外出先でも突然大声を出したりするので周囲の人をビックリさせてしまうことがあって困っています。
三木先生:そうですねぇ…。通常だと、内言語って自分の頭の中で処理して発する言葉を取捨選択していくものなんですけど、自閉スペクトラム症のあるお子さんは内面と外面の境目があいまいなことが多くて頭の中の言葉がだだ漏れになってしまいがちなんですよね。呼びかけで収まるのであれば問題ないかなと思うんですけど、ほぺろう君は対応してくれそうですか?
ーー全然です。「シーッだよ」「黙ってようね」と言ってもほぺろうは理解していないように見えます。
三木先生:そうですねぇ…。通常だと、内言語って自分の頭の中で処理して発する言葉を取捨選択していくものなんですけど、自閉スペクトラム症のあるお子さんは内面と外面の境目があいまいなことが多くて頭の中の言葉がだだ漏れになってしまいがちなんですよね。呼びかけで収まるのであれば問題ないかなと思うんですけど、ほぺろう君は対応してくれそうですか?
ーー全然です。「シーッだよ」「黙ってようね」と言ってもほぺろうは理解していないように見えます。
奇声は抑えてほしい。でも本人が理解していない場合は?
ーー絵カードなどで視覚的に音量の訓練をするという話も聞いたことはあるのですが、絵カードでの説明を理解するのもほぺろうにはまだ難しそうで…。
三木先生:シーンが理解できないとボリュームの使い分けも分からないかなと思います。なので本人にコントロールしてもらうのが難しいとなると、「防音対策する」または「発声しても大丈夫な場所を選ぶ」ということを大人が外部的に働きかけるといいと思います。自宅ではどんな風に過ごしているんですか?
ーーもう自宅では喋りたいまま自由に喋らせています。他人様に迷惑をかけなければ発声する分には構わないといった感じで。
三木先生:「この場所ではダメだよ」っていう理解もまだ難しいですかね?
ーー場所で使い分けることも ボリューム調整することもまだ難しいです。
三木先生:人前で口を塞ぐなどはやっぱり現実的には無理なので、周囲が気になるというのであれば、可能な限りで今は「場所を選ぶ」という方法がいいのかも知れませんね。
三木先生:シーンが理解できないとボリュームの使い分けも分からないかなと思います。なので本人にコントロールしてもらうのが難しいとなると、「防音対策する」または「発声しても大丈夫な場所を選ぶ」ということを大人が外部的に働きかけるといいと思います。自宅ではどんな風に過ごしているんですか?
ーーもう自宅では喋りたいまま自由に喋らせています。他人様に迷惑をかけなければ発声する分には構わないといった感じで。
三木先生:「この場所ではダメだよ」っていう理解もまだ難しいですかね?
ーー場所で使い分けることも ボリューム調整することもまだ難しいです。
三木先生:人前で口を塞ぐなどはやっぱり現実的には無理なので、周囲が気になるというのであれば、可能な限りで今は「場所を選ぶ」という方法がいいのかも知れませんね。
理解が難しいほぺろう。今できることはありますか?
三木先生:ボリューム調整の訓練ができそうであれば、絵カードで視覚的に教えてみたり、そういった練習用のアプリがあるので活用してみるという方法もありますね。ただ、ボリューム調整の練習ができたとしても状況に応じて使い分けできるかはまた別問題ではありますが…。
今の時点でほぺろう君に「調整してね」というオーダーが難しいのであれば、「ほかの方法で喋ることから気をそらす」「独語じゃないことをさせる」のもいいかもしれません。例えば、おやつを与えてモグモグしてる間は喋らない、動画やゲームを見ている間は喋らないとか。
ーー確かに!ほぺろうは遊びに夢中だったりおやつを食べていたり絵本を読んでいる間は喋ってないです。
三木先生:なので直近の対応としては、必要に応じて「大人が別の刺激で気をそらす」のが有効だと思います。
ーー確かに!ほぺろうは遊びに夢中だったりおやつを食べていたり絵本を読んでいる間は喋ってないです。
三木先生:なので直近の対応としては、必要に応じて「大人が別の刺激で気をそらす」のが有効だと思います。
