わが子の「できないこと」に注目していませんか?母からほめてもらえなかった私が考える、障害の有無にかかわらず必要だと思う関わり方
ライター:立石美津子
小学校3年生の図画工作の時間の出来事です。黄色い画用紙に赤い着物を着たお雛様を描きました。めったにほめてはくれない厳しい担任の先生でしたが、私の絵をみんなに見せて「背景が黄色で、着物が赤、お雛様が映えますね。上手にできています」と言ってくれました。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
母にほめてもらえなかった子ども時代の私
私が子どものころの経験をお話しします。
小学校3年生の図画工作の時間の出来事です。黄色い画用紙に赤い着物を着たお雛様を描きました。めったにほめてはくれない厳しい担任の先生でしたが、私の絵をみんなに見せて「背景が黄色で、着物が赤、お雛様が映えますね。上手にできています」と言ってくれました。
私は有頂天になり、小走りで家に帰り、「お母さん、見て見て、先生にほめられたんだよ」と伝えました。
小学校3年生の図画工作の時間の出来事です。黄色い画用紙に赤い着物を着たお雛様を描きました。めったにほめてはくれない厳しい担任の先生でしたが、私の絵をみんなに見せて「背景が黄色で、着物が赤、お雛様が映えますね。上手にできています」と言ってくれました。
私は有頂天になり、小走りで家に帰り、「お母さん、見て見て、先生にほめられたんだよ」と伝えました。
ところが、母から出た一言は
「これは絵だから目立つからいいかもしれないけれど、実際に赤いブラウスを着て、黄色いスカートを履いたら、色がちぐはぐになってしまい似合わないから気をつけなさいよ」でした。
何気なく出た一言だとは思いますが、「もう、二度と母には報告するのは止めよう、きっとダメ出しされるから」と思いました。
きっと母は「良かれと思って」言ったのだと思いますが、ほめてもらえずダメだしだけされて傷ついたのでした。
現在、母は80歳をこえています。娘である私も還暦をこえました。しかし娘のことが未だに心配なのか、実家に行く予定があったとき、風邪を引いてしまい行けないことを伝えると、「普段の衣服の調節、自己管理ができていないからだ」と言われました。
体調のことを心配してくれていたのかもしれませんが、いまだに過干渉、そしてダメ出し母さんです。
「これは絵だから目立つからいいかもしれないけれど、実際に赤いブラウスを着て、黄色いスカートを履いたら、色がちぐはぐになってしまい似合わないから気をつけなさいよ」でした。
何気なく出た一言だとは思いますが、「もう、二度と母には報告するのは止めよう、きっとダメ出しされるから」と思いました。
きっと母は「良かれと思って」言ったのだと思いますが、ほめてもらえずダメだしだけされて傷ついたのでした。
現在、母は80歳をこえています。娘である私も還暦をこえました。しかし娘のことが未だに心配なのか、実家に行く予定があったとき、風邪を引いてしまい行けないことを伝えると、「普段の衣服の調節、自己管理ができていないからだ」と言われました。
体調のことを心配してくれていたのかもしれませんが、いまだに過干渉、そしてダメ出し母さんです。
夏休みの自由研究
私は小学校5年生のときの夏休みの自由研究として、「お母さんの怒り方折れ線グラフ」をつくりました。しかし、母に見つかりこっぴどく叱られました。そして、学校には提出できませんでした。
しかし、もしかしたら「ちゃんとしなさい」は何回、午前午後など分析するなどして、データにして見せたら気づいてくれたかもしれません。
気づいてくれなくても、叱られている自分が「親は夕方叱る回数が多くなる。気をつけよう」と叱られないコツが分かったかもしれないなと、今振り返って感じます。
しかし、もしかしたら「ちゃんとしなさい」は何回、午前午後など分析するなどして、データにして見せたら気づいてくれたかもしれません。
気づいてくれなくても、叱られている自分が「親は夕方叱る回数が多くなる。気をつけよう」と叱られないコツが分かったかもしれないなと、今振り返って感じます。
できていないことに着目する
子どもがおもちゃを散らかしているときだけ「なんで片付けないの!」と叱り、片付けているときは何も言わない。
子どもがグズグズしているときだけ「早くしなさい!」と叱り、時間通り動いたときは無言。
子どもがおもちゃを散らかしているときだけ「なんで片付けないの!」と叱り、片付けているときは何も言わない。これって、赤ペンでテストのできていないところだけチェックする添削先生によく似ています。
子どもがグズグズしているときだけ「早くしなさい!」と叱り、時間通り動いたときは無言。
子どもがおもちゃを散らかしているときだけ「なんで片付けないの!」と叱り、片付けているときは何も言わない。これって、赤ペンでテストのできていないところだけチェックする添削先生によく似ています。
食事中に「手づかみしないで」「こぼさないで」「正しく箸を持って」「よくかんで食べなさい」「よそ見しないで」「好き嫌いしないで」とダメ出しされたら、食欲が減退し、食べる楽しみがなくなってしまいそうです。
そんなときは「嫌いなブロッコリーを一口食べたね」「お箸、昨日よりも上手に持てるようになったね」と、まず成長した点をほめてから課題を出すようにした方がよいと思います。