樹木希林さんが子どもたちに遺した言葉、感覚過敏当事者の感じる世界、出会いを通じて考える「自分らしさ」など、生きづらさを抱えるすべての人に読んでほしい全4冊をご紹介!

ライター:発達ナビBOOKガイド

9月の新刊コラムは、当事者が語る感覚過敏の困りごと、樹木希林さんが生きづらさを抱えた子どもたちに遺した言葉、発達障害のある学生と大学の先生の出会いを通じて考える「自分らしさ」、放課後等デイサービスで行われている発達を促す「あそび」の新作の計4冊をご紹介します。

「わがまま」ではない、感覚過敏の困りごとを当事者が言語化ーー『感覚過敏の僕が感じる世界』

感覚過敏の僕が感じる世界
加藤 路瑛
日本実業出版社
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感覚過敏の僕が感じる世界
加藤 路瑛
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服が痛い、給食が食べられない、白い紙がまぶしい、テーマパークが苦手…、周囲に理解されづらく、自覚することも難しい感覚過敏の特性。特に、自分の不快感を言語化することが難しい子どものころは、感覚過敏による特性が「わがまま」ととらえられてしまうことも少なくありません。

この本の著者は、発達ナビに体験エッセイを執筆している加藤路瑛さん。自身も聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚過敏があり、12歳のときに親子で起業、13歳のときに「感覚過敏研究所」を設立し、現在は当事者として感覚過敏の啓発や対策商品の開発、感覚過敏の研究などを行っています。自身の経験から、感覚過敏の困りごとを言語化し、対策方法、周囲の対応などについて書いているのがこの本です。視覚過敏のある方も読みやすいよう、紙の色、文字の色、フォントにも配慮されており、視覚的にも読みやすい一冊となっています。

この本は、さまざまな感覚の困りごとについて理解するための一つのツールになるのではないでしょうか。特に周囲に感覚過敏の当事者がいらっしゃる方は、どのような配慮が必要か、どうすれば不快な刺激を取り除くことができるのか、についてのヒントが得られるかもしれません。
感覚過敏な高校生のリアルな日常。「周囲と同じようにできない」悩みながら見つけた感覚回避の工夫のタイトル画像

感覚過敏な高校生のリアルな日常。「周囲と同じようにできない」悩みながら見つけた感覚回避の工夫

「死なないで、どうか生きてください…」生きづらさを抱えた子どもたちに樹木希林さんが遺した言葉ーー『9月1日 母からのバトン』

9月1日 母からのバトン
樹木 希林 (著), 内田 也哉子 (著)
ポプラ社
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9月1日 母からのバトン
樹木 希林 (著), 内田 也哉子 (著)
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9月1日は、最も子どもの自殺数が多い日であるといわれています。2018年に逝去された俳優、樹木希林さんは生前、生きづらさを抱えた子どもたちに思いをはせ、たくさんの言葉を遺していました。樹木希林さんの娘、内田也哉子さんは「もったいない、あまりに命がもったいない…」という樹木さんの病床でのつぶやきに感化され、現状を知りたい、そして樹木さんからのバトンを引き継ぎたいという思いで、本書を著しました。

この本では、不登校新聞の取材に応じた時の樹木さん、不登校に関するトークセッションに登壇されたときの樹木さんの言葉に加えて、内田さんと不登校当事者の方や不登校支援に携わる方との対談の内容が掲載されています。樹木さんと内田さんの語りを通して、不登校について、生きづらさについて、子どもたちが自ら命を絶ってしまうことについて、生きる意味について、一緒に考えることができる一冊となっています。

「自分も”自閉症”だったなあ」とつぶやく樹木さん。周囲とのずれを自覚しながら最期まで自分らしく生き抜いた樹木さんの言葉にぜひ触れてみてください。
子どもたちが今を生き抜く希望を持てるようにするためにはどうしたらよいのか、樹木さんや内田さんが望むように、いつか9月1日が子どもたちにとって絶望の日ではなくなるためにはどうしたらよいのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。
9月1日、新学期。子どもたちは親の想像以上に追いつめられているのタイトル画像

9月1日、新学期。子どもたちは親の想像以上に追いつめられている

「ちょっと変わった学生」と「せんせい」が過ごした日々ーー『発達障がいを生きない。』

発達障がいを生きない。: “ちょっと変わった”学生とせんせい、一つ屋根の下に暮らして
Aju (著), 永浜 明子 (著)
ミネルヴァ書房
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発達障がいを生きない。: “ちょっと変わった”学生とせんせい、一つ屋根の下に暮らして
Aju (著), 永浜 明子 (著)
ミネルヴァ書房
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これまで、人生に大きな影響を与えてくれるような素敵な先生に出会ったことはありますか。「自分は周りの人とどこか違う」「周囲になじめない」そんな悩みを抱えたとき、それを理解し受け止め、心が楽になるような言葉をかけてくれる先生に出会えたら、「生きづらかったこの世界」の見え方が少し変わるかもしれません。

この本の著者Aju(あじゅ)さんは、大学の講義で永浜明子先生、通称「せんせい」と出会います。せんせいは、周囲になじめないと悩むAjuさんの特性をよく理解し、「無理してなじまなくていい」「無理して授業に参加しなくていい」と声をかけてくれます。そんなせんせいとAjuさんは、次第に仲を深め、ある時から10年余り一つ屋根の下で生活するようになります。
Ajuさんは22歳のとき、「自閉スペクトラム症」と診断されます。Ajuさんとせんせいが歩んできた、葛藤の日々。その先に見えてきた自分らしい生き方とは…?

Ajuさんとせんせいが過ごした日々から、「障害って何?」「特性とうまく付き合うには?」「自分らしく生きるには」といった問いに対する自分なりの答えが見えてくるのではないでしょうか?発達障害当事者の方だけでなく、当事者とかかわる方々にもおすすめの一冊です。
次ページ「「あそび」を通して子どもの発達をサポートする放課後等デイサービスのあり方とはーー『放課後等デイサービスの豊かなあそびと発達支援: 個別支援の充実と地域での自立に向けて』」


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