カサンドラ症候群とは?ASDのある家族との関係性、症状や原因についてイラストつきで解説【専門家監修】
ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
カサンドラ症候群とは、家族や身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)があることでコミュニケーションをとることが難しく、対人関係の問題や心身の不調が生じている状態です。現在、明確な診断基準は定められていませんが、カサンドラ症候群の症状を訴える人も増えているようです。この記事では、イラストで分かりやすくカサンドラ症候群の概要や症状、原因について解説します。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
カサンドラ症候群とは?どんな症状なの?原因は?
カサンドラ症候群とは?
カサンドラ症候群とは、家族や友人などの身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)があることでコミュニケーションが難しく、対立や人間関係での満足感の低下、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態に陥っている、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態を指す言葉です。
特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いといわれていますが、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもを育てる親がカサンドラ症候群になる場合もあります。
なお、世界的に広く用いられている精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がなく、医学的な疾患名ではありません。カサンドラ症候群以外にも、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」などと表現されることもあります。
特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いといわれていますが、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもを育てる親がカサンドラ症候群になる場合もあります。
なお、世界的に広く用いられている精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がなく、医学的な疾患名ではありません。カサンドラ症候群以外にも、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」などと表現されることもあります。
カサンドラ症候群の症状
自閉スペクトラム症(ASD)やカサンドラ症候群に関する研究が多くある英国の心理療法家マクシーン・アストンによると、カサンドラ症候群には以下の要素があるとされています。
・少なくともいずれかの家族に、自閉スペクトラム症(ASD)特性などによる、共感性や情緒的表現の障害がある
・ 家族との関係において情緒的交流の乏しさを起因とした激しい対立関係、精神または身体の虐待、人間関係の満足感の低下がある
・精神的もしくは身体的な不調、症状(自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など)がある
・少なくともいずれかの家族に、自閉スペクトラム症(ASD)特性などによる、共感性や情緒的表現の障害がある
・ 家族との関係において情緒的交流の乏しさを起因とした激しい対立関係、精神または身体の虐待、人間関係の満足感の低下がある
・精神的もしくは身体的な不調、症状(自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など)がある
さらに、カサンドラ症候群の命名者シャピラの定義では、ここに「その事実を他の人に伝えても理解をしてもらえない、信じてもらえないこと」が加わります。