飽きてしまった息子を救い、周りも笑顔にしたアイテム…それは!?

なんとかしなければと思った私は、息子に自分のデジタルカメラを渡し「カメラマンになって、いい写真撮ってきて!」とささやきました。すると息子はパッとイキイキとした表情になったのです。

これが大成功!「写真を撮る役割」をもらって、息子はうれしかったようです。カメラをもって新郎・新婦のところへ行ったり、来賓客のテーブルをまわって写真を撮りだしました。本人も楽しそうだし、周りの方も「ちびっこカメラマンだ!」とかわいがってくれました。新郎・新婦もピースサインで、満面の笑顔。

ほかにも息子は、プロのカメラマンさんの横にちゃっかりお邪魔して一緒に撮ったり、小さい体を生かして人の隙間へ入って行って、最前列で写真を撮っていました。

仕事を与えて暇をつなぐという方法が、息子には見事にハマったのです。
なんとかしなければと思った私は、ADHD息子に自分のデジタルカメラを渡し「カメラマンになって、いい写真撮ってきて!」とささやきました。すると息子はパッとイキイキとした表情になったのです。
 仕事を与えて暇をつなぐという方法が、息子には見事にハマったのです。
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叔父さんからの「ありがとう」に喜びと自信をもらった息子

披露宴の終わり、叔父さんから「ありがとう!」と言ってもらえた息子は、とてもとてもうれしそうでした。大好きな叔父さんの結婚式で役割を果たせたことは、息子にとって、とてもいい思い出にもなりました。最初は不安でしたが、出席して本当によかったです。
披露宴の終わり、叔父さんから「ありがとう!」と言ってもらえたADHD息子は、とてもとてもうれしそうでした。大好きな叔父さんの結婚式で役割を果たせたことは、息子にとって、とてもいい思い出にもなりました。最初は不安でしたが、出席して本当によかったです
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その3年後、小5になった息子は、今度は夫の弟の結婚式に出ることになりました。3年前より落ち着いてはいますが、飽きっぽいところは相変わらずな息子。このときも前回の経験を生かしてカメラマンをお願いしました。ただこのころには、落ち着かなくなると自分でロビーに退出するなどコントロールが取れるようになっていたので、前より問題なく終えることができました。息子の成長を感じた出来事です。

イラスト/taeko
エピソード提供/カプゴジラ
(監修:新美先生より)
冠婚葬祭の場に子どもを連れていくことはなかなかハードルが高く感じることもあります。例えば本人がよく知らない親戚の葬式など、モチベーションも持てなくて、内容も我慢することばかりなら、出席しないという選択肢もあるかもしれません。今回のように、本人が大好きな叔父さんの結婚式ということで、ご本人に出席のモチベーションがあることが何より成功ポイントですね。リングボーイの大役が果たせて、ご本人も、叔父さんも、親御さんもみんなうれしかったですね。読ませていただいてこちらまでほっこりしました。

しかし、披露宴は長時間にわたり、よく知らない人の長いスピーチなど、じっと聞いていられない場面も続きます。「何もしないで待つ」ということは子どもにとって苦痛でしかないことです。そんなとき、カメラマンの役割を任せるというのは、なんとも素晴らしいアイデアですね!これは、披露宴に限らず、学校の行事(運動会、音楽会)でも応用できるアイデアだと思いました。

お子さんの状況によっては、中座する、そもそも出席しない、リモート参加するといったことも選択肢にはなりますが、このようにふさわしい役割をもらって、本人も充実感を持って参加できるという工夫は素晴らしいと思いました。ありがとうございました。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。


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