私が自閉症の息子を冠婚葬祭に出席させたいと願う理由。初めての結婚式を経験して…
ライター:立石美津子
友達の結婚式に親子で呼ばれたときや、親族のお葬式に行かなくてはならないとき。
障害のあるわが子を参列させるかどうか、他人への迷惑を考えてためらってしまうことってありませんか?
『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。
自閉症の息子はこの夏、生まれて初めて結婚式に呼ばれました。6歳~17歳まで11年間通ってお世話になっている放課後等デイサービスの職員同士の結婚式でした。
*放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設
「そんな大事な儀式に子連れで参加して良いのだろうか?」と不安になり、改めて確認してみると「もちろん、ぜひ参加してください!」の返事でした。
自閉症の息子はこの夏、生まれて初めて結婚式に呼ばれました。6歳~17歳まで11年間通ってお世話になっている放課後等デイサービスの職員同士の結婚式でした。
*放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設
「そんな大事な儀式に子連れで参加して良いのだろうか?」と不安になり、改めて確認してみると「もちろん、ぜひ参加してください!」の返事でした。
放課後等デイサービス(放デイ)とは?利用方法、費用など【専門家監修】
結婚式当日。こんなにはしゃいで嬉しそうな息子。
息子は自分が結婚するわけではないのに、案内が届いた日から、この日がやってくるのをとても楽しみにしていました。封を開け、中のカードを出したり閉まったり、何度も何度も見ていました。
さて、当日、結婚式用の服がなかったので、制服の上に父の形見のネクタイを付けることにしました。夕方5時からの式典でしたが、朝からどれが似合うか、「ああでもない、こうでもない」と試着していました。
会場に入る前から緊張し、席に着いてからも興奮して、嬉しそうでした。
キスシーンでは照れてました。
新郎新婦のこの企画。その目的とは
実は新郎新婦がこの企画をした目的の1つは「普段、なかなかこういう場に参加するチャンスのない障害のある子ども達に、結婚式を経験させよう」ということ。放課後デイスタッフならではの配慮と優しさを感じることができました。
参加者は新郎新婦の友達もいましたが、多くは障害のある子どもとその保護者で80名くらいいました。
参加者は新郎新婦の友達もいましたが、多くは障害のある子どもとその保護者で80名くらいいました。
参加していた障害のある子どもたちの多くは、いつもと違う環境で騒いだり泣いたり、パニックを起こすこともあるので、その親は結婚式やお葬式などの式典に参加させることを「周りへの迷惑を考えて」遠慮してしまいます。
この日も大勢の人がいるところが苦手で、いつもと違う雰囲気にのまれてパニックを起こし、最初から最後まで泣いている子、騒ぐ子もいました。
でも、みんな理解があるので「静かにしなさい!」とそれを咎める人は誰1人いませんでした。
この日も大勢の人がいるところが苦手で、いつもと違う雰囲気にのまれてパニックを起こし、最初から最後まで泣いている子、騒ぐ子もいました。
でも、みんな理解があるので「静かにしなさい!」とそれを咎める人は誰1人いませんでした。
結婚式を体験した、息子の反応は
息子に「一緒に働いていた2人がお互いを好きになり、結婚し、家族になるんだよ。今日はそれをお祝いする式だよ」と伝えました。その言葉を聞いた息子は、厳かな式を見て、神妙な顔つきで拍手していました。
どこまでわかったかどうかはわかりませんが、今までテレビやネットでしか見ることが出来なかった結婚式を実体験することができました。