障害のある子の冠婚葬祭への参加

私の父が一昨年すい臓癌で亡くなったとき、母から「葬儀中に騒ぐから、参加させない方がいい」と言われましたが、母の反対を押し切り、骨を拾うところまで参加させました。

息子にとっては強烈な体験になったようです。

その後はテレビで「癌」というフレーズが出るたびに、「この人死んじゃうの?」と言ったり、私に「お母さんは死ぬ?」と聞いてきたりします。その都度「お母さんは病気にならないように気を付けているから大丈夫だよ」と答えています。

葬儀に参加したことで不安を与えてしまったかもしれません。でも、「人生の先には死がある」ことを知ってもらいたかったのです。

人の一生には誕生、結婚、出産、死と節目がありますが、現実の中でこれを体験することは意味あることだと思います。
自閉症児は「死」をどう受け止めるのか。祖父の死を経験した息子はのタイトル画像

自閉症児は「死」をどう受け止めるのか。祖父の死を経験した息子は

まとめ

実体験って大事なことです。

動物だって図鑑やネットで見て「はい、それでおしまい」ではなく、動物園に行ったり、可能であればアフリカのサバンナまで連れて行って体験すれば、子ども達にはより鮮明な記憶として焼きつき、学びになります。

知り合いの出産後に病院に赤ちゃんを見に行ったり、人の結婚式だったり、人の死だったり、障害がある場合、こういう場になかなか連れて行ってもらえません。更に自分の人生で悲しいかな叶えられないこともあります。だからこそ、これからも迷惑をかけない限りは参加させたいと考えています。

皆さんも相手から「ご遠慮ください」と言われない限りは、親が気を使って「そういう場に連れて行くのは止めよう」と思うのではなく、人生経験として積極的に連れていってはどうでしょうか。

残念ながら、身内や兄弟姉妹の結婚式でさえ、障害のある子の存在を隠しているため参加させないケースもあります。悲しい現実です。

そんな中、新郎新婦のご両親はじめ、皆の理解があって開かれた会。本当に温かい式でした。何よりも息子にこの経験をさせてくれたお二人に感謝、感謝なのでありました!

このコラムを書いた人の著書

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