目は合うし、笑うけど…もしかして「発達障害」?自閉症息子の0歳から2歳時代の気になった行動を振り返って

ライター:立石美津子
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現在22歳の息子は、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。2歳3ヶ月のとき、病院で自閉スペクトラム症と診断されましたが、それまでに「変だな、おかしいな」と思う場面がいくつかありました。

監修者鈴木直光のアイコン
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

商店街で話しかけられても「そこに人がいないような目つき」だった0歳

息子が0歳のとき、抱っこ紐に入れてよく買い物をしていました。お店の人が顔を近づけ、「可愛いね」と笑いかけても、人見知りをするわけでもなく、笑い返すこともありませんでした。息子の目を見ると、まるでそこに人がいないような目つきをしていて…。

そのとき「この子、変だな」と思いました。
人見知りもせず、話しかけられてもそこに人がいないような目つきをしていた息子
人見知りもせず、話しかけられてもそこに人がいないような目つきをしていた息子
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目の前の犬は無視!?避けることなく「杖」に突進した1歳

1歳のころ、息子は長い棒に興味を示していました。定型発達の子どもでも棒に興味を示す子はたくさんいますが、息子はちょっと違いました。

ある日、公園に行ったときのことです。4人のおじいさんがベンチに座っていました。一番奥の方は杖を持って座っていて、その手前の方は犬をつないで座っていました。それに気づいた息子は、脇目も振らず、奥に座っているおじいさんの杖に向かって突進しました。そして手前にいた犬を警戒してよけることもなく、うれしそうに近寄ることもなく、なんと犬の足を踏んづけて、杖に向かって歩いたのです。まるで、犬を岩か石ころだと思っているようでした。

それを見て、「この子、おかしい」と思いました。
手前の犬は目に入らず、気になる杖に突進して犬を踏んでしまいました©今井久恵
手前の犬は目に入らず、気になる杖に突進して犬を踏んでしまいました©今井久恵
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クリスマス会でサンタさんを無視し、プレゼントも床に落とした1歳の冬

児童館のクリスマス会に参加した1歳のときのことです。

息子は、クリスマス会が進む間、ずっと窓際から見えるビルの数字や文字をじっと見ていました。やがて、サンタさんがプレゼントを子どもたちに配る時間になったので、私は無理やり息子を抱きかかえて、サンタさんの元に連れていきました。しかし、サンタさんがプレゼントを渡しても息子は手を出そうとしません。困った私は、私は息子の手をもってサンタさん差し出しました。サンタさんはプレゼントを息子の手に渡しましたが、息子はそれをつかもうとしなかったので、プレゼンとはそのまま床に落下…。その上、落としたプレゼントに注意を払うこともなく、すぐ窓際に戻って、またビルを眺めるのです。

この反応は、ほかの子どもたちとは明らかに違う…私は「この子、おかしい」と思いました。
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