平熱先生の「困った!」を小さくするヒント集、平岩先生とモンズースーさんの共著、公認心理士による「不登校」の経験と支援、DCDやチック・トゥレット症の支援本など全5冊をご紹介

ライター:発達ナビBOOKガイド
平熱先生の「困った!」を小さくするヒント集、平岩先生とモンズースーさんの共著、公認心理士による「不登校」の経験と支援、DCDやチック・トゥレット症の支援本など全5冊をご紹介のタイトル画像

6月の新刊コラムでは、Twitterフォロワー数7万人の特別支援学校現役教員である平熱先生の初めての著書や、子どもが自分で楽しく読める工夫が詰められた「マンガでわかる子どもの困りごと攻略ブック」、不登校の子どもが書いた作文を用いながら一人ひとり成長を描いた物語、発達性協調運動障害やチック・トゥレット症の症状や支援についてまとめられた本など、注目の5冊をご紹介!

不器用すぎる子どもを支えるヒント ーー『DCD 発達性協調運動障害』

不器用すぎる子どもを支えるヒント ーー『DCD 発達性協調運動障害』(健康ライブラリー)
古荘 純一 (著)
講談社
Amazonで詳しく見る
不器用すぎる子どもを支えるヒント ーー『DCD 発達性協調運動障害』(健康ライブラリー)
古荘 純一 (著)
講談社
楽天で詳しく見る
DCD(発達性協調運動障害)とは、極端に不器用で、日常生活においてさまざまな困難さがある発達障害の一つです。協調運動の不具合で起きますが、診断がつかずに学童期を迎えることも多く、周囲から理解されず、大人になってからも困難さを抱えるケースも少なくありません。

転びやすい、着替えができない、なわとびが飛べない、自転車に乗れない…。極端に不器用な子どもたちには、DCD(発達性協調運動障害)があるのかもしれません。しかし、DCDの理解不足から、学校や家庭で叱られたり、自尊心を傷つけられることもあります。

本書は、小児精神医学、小児神経学、てんかん学などを専門とし、人間科学部の教授であり小児精神科医でもある著者の古荘純一先生が執筆しました。DCDの認識を広め、当事者が臆することなくスポーツを楽しめたり、充実した学校生活を送るなど、社会活動に参加できる支援の輪が広がるようにという願いが込められています。

本書では、DCDの症状とそれに伴う社会生活での困難さの解説と合わせて、幼児期・児童期・中学高校の学生生活、大人になってからの就労や家事など、年齢ごとの実例を多く取り入れながら、本人や家族が抱える困難さの現状、支援方法やアドバイスが紹介されています。また、当事者や保護者、学校関係者、医療などの支援者に向けて、それぞれの立場で注意しなければならないことや心構えについても記されています。

子ども自身が楽しく読めるーーー『マンガでわかる子どもの困りごと攻略ブック: できない・やめられないが多い子がわかる解決法』

子ども自身が楽しく読めるーーー『マンガでわかる子どもの困りごと攻略ブック できない・やめられないが多い子がわかる解決法』
モンズースー (著), 平岩幹男 (著, 監修)
Gakken
Amazonで詳しく見る
マンガでわかる子どもの困りごと攻略ブック: できない・やめられないが多い子がわかる解決法
モンズースー (著), 平岩幹男 (著, 監修)
Gakken
楽天で詳しく見る
本書は、『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』の著者である漫画家のモンズースーさんが執筆し、40年以上にわたり行動やコミュニケーションなど困難がある子どもたちの診療にあたってきた医師の平岩幹男先生が監修した、困りごとのある子どものためのマンガです。

発達障害がある子どもには、話をすることや聞くことが苦手、気持ちをおさえられない、忘れ物が多い、読み書きが苦手、ゲームがやめられないなど、「やる気はあるのにできない」「悪気はないのにやめられない」など多くの困りごとがあります。その「なんで?」や「どうしたらいいの?」を、子どもが自分で読めるように、マンガで分かりやすく解説しています。

文中には、子どもたちの好きそうなキャラクターたちが登場し、「障害」という言葉や医療用語などを使わず、分かりやすい言葉で困りごとの解決方法をアドバイスします。また、漢字にはふりがながついているので小学生の低学年でも、楽しく読みながら理解ができるように工夫されています。

子どものために書かれた本書を読むことで、子ども自身がこれまで言葉にできなかった困りごとを本を通じて知ることができ、そして「友だちより苦手なことは工夫でうまくいく」と、感じることができるかもしれません。お子さんの手にとりやすい場所に置くことはもちろん、親子で一緒に読み、わが子の困りごとや不安や苛立ちなどを知る手だてとしても活躍する本ではないでしょうか。

子どもと大人の「困った」を軽くするヒントが満載!ーー『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』

特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方
平熱 (著)
かんき出版
Amazonで詳しく見る
特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方
平熱 (著)
かんき出版
楽天で詳しく見る
Twitterフォロワー数7万人、特別支援学校の現役教員である平熱先生が著した本書は、発達につまずきのある子どもと、そのまわりにいる大人のために、特別支援教育をベースにして「困った!」を小さくするヒントがまとめられている一冊です。

「特別支援教育は、全人類に有効です」という言葉から始まる本書。序章では、特別支援教育が子育てに有効な理由を記し、第1章は子どもの自立について、第2章では大人も子どももしんどくならないサポートのポイント、第3章では日常の「困った」を小さくするポイントをさまざまなシーンを想定し、そのアプローチについて細やかに紹介されています。

発達が気になる子どもとの関わり方、向き合い方、考え方などが、平熱先生ならではの「むつかしい話や、きれいごとは一切なし」で、ユーモアを交えながら著された本書。将来、子どもたちが自分らしく生きていくために、まわりにいる大人たちが今できるサポートや知るべきことが優しく詰めこまれています。
次ページ「『すきまから見る 「不登校」への思いこみをほぐす』」

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。