療育手帳にデメリットはあるの?「息子は障害者なんだ」と涙したけれど…手帳を取得して変わったこと
ライター:べっこうあめアマミ
発達に遅れがある子どもが支援を受けるための制度の1つに、「療育手帳」というものがあります。
誰もが取得できるものではありませんが、持っているのといないのとでは、受けられる支援に大きな差が出てしまうことがある療育手帳。
それなのに、意外と知らないままで過ごしてしまうこともあるのではないでしょうか?
今回は、私と息子が療育手帳をはじめとする、障害者手帳の存在を知った経緯と、取得に踏み切った思いを書きたいと思います。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
「手帳は持っていますか?」何のことか分からずポカーン…初めて知った療育手帳の存在
私が初めて療育手帳の存在を知ったのは、息子が3歳のときでした。引っ越し先の発達支援センターに、療育を受けたいと相談しに行ったところ、相談支援員の先生から、サラッと「手帳は持っていますか?」と聞かれたのです。
先生は、何てことない質問の1つとして聞いただけのようでしたが、当時の私が「手帳」という言葉で連想するのは「スケジュール帳」。あまりピンとこず、ポカーンとしてしまったのを覚えています。
息子は1歳半から発達相談に行っており、2歳から療育にも通っていたため、引っ越し前の自治体でも発達支援センターには何度も足を運んでいました。しかし、引っ越す前の自治体では、どこにも私に療育手帳の存在を知らせてくれる人はいなかったのです。
このように対応に差があったのは、息子の年齢が幼かったこと、自治体ごとの方針の違いなど、理由はいろいろあったのだろうと思います。しかし私はその日、療育手帳にまつわる多くの福祉関係の情報を、一気に知ることができたのです。
引っ越し先の自治体の発達支援センターの相談支援員さんからは、「息子さんくらいの発達の遅れだと、療育手帳がとれないことはないと思う」とはっきり言われたのを覚えています。そのくらい、息子の発達は遅れていました。
しかし、すぐに療育手帳の取得を決めることもできず、とりあえず保留の状態で数ヶ月を過ごしました。
先生は、何てことない質問の1つとして聞いただけのようでしたが、当時の私が「手帳」という言葉で連想するのは「スケジュール帳」。あまりピンとこず、ポカーンとしてしまったのを覚えています。
息子は1歳半から発達相談に行っており、2歳から療育にも通っていたため、引っ越し前の自治体でも発達支援センターには何度も足を運んでいました。しかし、引っ越す前の自治体では、どこにも私に療育手帳の存在を知らせてくれる人はいなかったのです。
このように対応に差があったのは、息子の年齢が幼かったこと、自治体ごとの方針の違いなど、理由はいろいろあったのだろうと思います。しかし私はその日、療育手帳にまつわる多くの福祉関係の情報を、一気に知ることができたのです。
引っ越し先の自治体の発達支援センターの相談支援員さんからは、「息子さんくらいの発達の遅れだと、療育手帳がとれないことはないと思う」とはっきり言われたのを覚えています。そのくらい、息子の発達は遅れていました。
しかし、すぐに療育手帳の取得を決めることもできず、とりあえず保留の状態で数ヶ月を過ごしました。
療育手帳って何?取得するメリットは?
療育手帳は、3種類ある障害者手帳の中の1つです。
障害者手帳は、
・身体の機能に一定以上の障害がある人が取得できる「身体障害者手帳」
・知的障害のある人が取得できる「療育手帳」(名称は自治体によって違うことがあります)
・一定の精神障害の状態にある人が取得できる「精神障害者保健福祉手帳」(発達障害も対象になります)
の3種類あります。
息子が取得を検討していたのはこのうちの「療育手帳」でした。
療育手帳制度は自治体ごとに運用しているので、取得の流れや等級の判定基準、名称、受けられる支援など、地域差が大きいです。しかし、いずれにしろ、取得しているとさまざまな福祉サービスを受けられることに変わりはありません。療育手帳を持っているかどうかで線引きされてしまうので、同じくらいの困りごとを抱えていても、持っているかどうかで受けられる支援に大きな差が出てしまうのです。
そのため、療育手帳を取得するメリットは大いにあると思います。
障害者手帳は、
・身体の機能に一定以上の障害がある人が取得できる「身体障害者手帳」
・知的障害のある人が取得できる「療育手帳」(名称は自治体によって違うことがあります)
・一定の精神障害の状態にある人が取得できる「精神障害者保健福祉手帳」(発達障害も対象になります)
の3種類あります。
息子が取得を検討していたのはこのうちの「療育手帳」でした。
療育手帳制度は自治体ごとに運用しているので、取得の流れや等級の判定基準、名称、受けられる支援など、地域差が大きいです。しかし、いずれにしろ、取得しているとさまざまな福祉サービスを受けられることに変わりはありません。療育手帳を持っているかどうかで線引きされてしまうので、同じくらいの困りごとを抱えていても、持っているかどうかで受けられる支援に大きな差が出てしまうのです。
そのため、療育手帳を取得するメリットは大いにあると思います。
療育手帳のデメリットとは?
では、逆に療育手帳を取得するデメリットはないのでしょうか?
実は、私は息子が療育手帳を取得することになかなか踏ん切りがつかず、「療育手帳の情報を得たい」と言いながら、デメリットを探しにいっていたような時期がありました。しかし、どんなに探しても、療育手帳を取得することにこれといったデメリットはなかったのです。
しいて言えば、「息子の障害を認めること」。これに尽きると思います。
療育手帳を持っていることは自分から言わなければ誰にも知られませんし、使わなければ提示を求められることもありません。しかし、公的に「障害者」だと証明されることに違いはないのです。ですから、手帳の取得に躊躇してしまうのは、主に気持ちの問題かと思います。
実は、私は息子が療育手帳を取得することになかなか踏ん切りがつかず、「療育手帳の情報を得たい」と言いながら、デメリットを探しにいっていたような時期がありました。しかし、どんなに探しても、療育手帳を取得することにこれといったデメリットはなかったのです。
しいて言えば、「息子の障害を認めること」。これに尽きると思います。
療育手帳を持っていることは自分から言わなければ誰にも知られませんし、使わなければ提示を求められることもありません。しかし、公的に「障害者」だと証明されることに違いはないのです。ですから、手帳の取得に躊躇してしまうのは、主に気持ちの問題かと思います。