「弟と一緒がいい」定型発達の姉の希望で障害のある弟も同じ幼稚園へ。でも小学校はーーわが家の選択、きょうだい児の気持ち
ライター:カタバミ
現在特別支援学級に通う小学2年生のまちゃには、2歳年上の小学4年生にお姉ちゃんがいます。娘はまちゃとは違う小学校に通っています。幼稚園の時は、年長と年少で1年だけきょうだいで同じ幼稚園に通っていました。今回は娘(お姉ちゃん)の小学校就学先を決めるときの葛藤についてお伝えできたらと思います。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
離れ離れになりそうだった幼稚園
まちゃには2歳年上のお姉ちゃんがいます。娘は、地域では人気のある人数の多い幼稚園に通っていました。娘は当然弟のまちゃも自分と同じ幼稚園に入ってくると思って張り切っていましたし、幼稚園にはきょうだい枠があるので年少になれば入園できると副園長から伝えられていました。
ところが、まちゃが2歳になり「発達に不安がある」と副園長に打ち明けると未就園児クラスから通うように言われました。まちゃはそのときは別の預け合いのサークルに入っていましたが、そこをやめて娘の通う幼稚園の未就園児クラスに通わせることにしました。しかし、入園選考の時に園からは「別の幼稚園に入園してほしい」と言われ、大変驚きました。
そのことを発達センターの臨床心理士に相談すると「きょうだいを別の幼稚園に通わせるのはお母さんの負担が大きいですし、家庭にも影響が出てくるかもしれません。それならまちゃくんのお姉さんに転園してもらって、一緒に別の幼稚園に入れてはどうですか」とアドバイスをいただきました。
それをそのまま娘の通う幼稚園に伝えたら副園長が「こんなにこの幼稚園になじんでいる娘さんにそんなことはさせられません。まちゃくんもこの幼稚園に入園してください」と言いました。いろいろありましたが、2人は同じ幼稚園に通うことになりました。
ところが、まちゃが2歳になり「発達に不安がある」と副園長に打ち明けると未就園児クラスから通うように言われました。まちゃはそのときは別の預け合いのサークルに入っていましたが、そこをやめて娘の通う幼稚園の未就園児クラスに通わせることにしました。しかし、入園選考の時に園からは「別の幼稚園に入園してほしい」と言われ、大変驚きました。
そのことを発達センターの臨床心理士に相談すると「きょうだいを別の幼稚園に通わせるのはお母さんの負担が大きいですし、家庭にも影響が出てくるかもしれません。それならまちゃくんのお姉さんに転園してもらって、一緒に別の幼稚園に入れてはどうですか」とアドバイスをいただきました。
それをそのまま娘の通う幼稚園に伝えたら副園長が「こんなにこの幼稚園になじんでいる娘さんにそんなことはさせられません。まちゃくんもこの幼稚園に入園してください」と言いました。いろいろありましたが、2人は同じ幼稚園に通うことになりました。
まちゃの入園後。良いこと、首をひねること
入園したまちゃは集団行動がほとんどできず、4月から個別の面談で対応を相談されました。私は大変でしたが、娘はまちゃが幼稚園に入ったことをとても喜んでいました。毎朝私がまちゃの朝の準備を教室で手伝っていると、まちゃの教室まで娘が良く顔を出しました。年長の娘はまちゃのクラスメイトとも仲良く遊び、お世話もしてあげていたようで年少さんたちに人気がありました。
幼稚園の年長の行事でサッカー大会があった時、まちゃは自分の教室から抜け出して娘のいる観覧席まで行ってしまったこともありました。しかし、娘はまちゃに落ち着いて観覧するように促してまちゃもそれに従い、ホッとしたことがありました。まちゃはお姉ちゃんの言うことをよく聞いていると先生からも伝えられました。
まちゃのお世話で私は幼稚園に行くことが増えましたが、娘はそれがうれしいようでしたし、私も娘の様子を知ることができたのは良かったです。ただ娘は頻繁に「今日もまちゃは先生と園庭で2人きりで遊んでいたよ」と言っていました。教室でずっと過ごせないまちゃが娘の目にどう映っているのか心配でした。
幼稚園の年長の行事でサッカー大会があった時、まちゃは自分の教室から抜け出して娘のいる観覧席まで行ってしまったこともありました。しかし、娘はまちゃに落ち着いて観覧するように促してまちゃもそれに従い、ホッとしたことがありました。まちゃはお姉ちゃんの言うことをよく聞いていると先生からも伝えられました。
まちゃのお世話で私は幼稚園に行くことが増えましたが、娘はそれがうれしいようでしたし、私も娘の様子を知ることができたのは良かったです。ただ娘は頻繁に「今日もまちゃは先生と園庭で2人きりで遊んでいたよ」と言っていました。教室でずっと過ごせないまちゃが娘の目にどう映っているのか心配でした。
娘の就学先は3案。注目する条件と詳しい方との相談
わが家がある地域では、住所地の学区の学校(指定校)以外の学校に就学を希望する保護者やお子さんが、入学したい学校を選ぶことができる学校選択制度があります(※就学先の選択などは地域により異なります)。
わが家から歩いて通える距離にA、B、Cと3つの小学校があり、娘がどこに通うのか考える時期が来ました。そのときは、まちゃに知的障害があるのかまだ分かりませんでしたが、娘が入学した2年後にまちゃも同じ小学校に通う可能性が高いので、それぞれの小学校の「特別支援学級」の状況が少し気になっていました。
わが家の学区の小学校はA小学校でしたが、家から1番遠くて娘のお友達もあまり行かないようで、特別支援学級は情緒クラスしかありませんでした。B小学校も特別支援学級は情緒クラスしかありませんでしたが、娘の幼稚園からはたくさんのお友達が通うことになっていました。娘はB小学校に通いたいようでした。C小学校には評判の良い特別支援学級の知的クラスがありました。私は息子のまちゃが小学生になり特別支援学級に通うならここが良いかもしれないと思いました。
まず娘と息子を同じ小学校に通わせたいのかという点で迷いました。そこで私は、幼稚園で副園長と経験豊富な先生に就学について聞いてみました。2人ともあれこれ小学校の評判を話してくれましたが最後には「面倒見のいいお姉ちゃんと集団生活が苦手なまちゃくんを同じ小学校に入れたらお姉ちゃんの負担になってしまうかもしれない」と言われました。
わが家から歩いて通える距離にA、B、Cと3つの小学校があり、娘がどこに通うのか考える時期が来ました。そのときは、まちゃに知的障害があるのかまだ分かりませんでしたが、娘が入学した2年後にまちゃも同じ小学校に通う可能性が高いので、それぞれの小学校の「特別支援学級」の状況が少し気になっていました。
わが家の学区の小学校はA小学校でしたが、家から1番遠くて娘のお友達もあまり行かないようで、特別支援学級は情緒クラスしかありませんでした。B小学校も特別支援学級は情緒クラスしかありませんでしたが、娘の幼稚園からはたくさんのお友達が通うことになっていました。娘はB小学校に通いたいようでした。C小学校には評判の良い特別支援学級の知的クラスがありました。私は息子のまちゃが小学生になり特別支援学級に通うならここが良いかもしれないと思いました。
まず娘と息子を同じ小学校に通わせたいのかという点で迷いました。そこで私は、幼稚園で副園長と経験豊富な先生に就学について聞いてみました。2人ともあれこれ小学校の評判を話してくれましたが最後には「面倒見のいいお姉ちゃんと集団生活が苦手なまちゃくんを同じ小学校に入れたらお姉ちゃんの負担になってしまうかもしれない」と言われました。