「わが子だけ成長してない?」不器用な発達障害きょうだい、学校の展示物で同級生との差に母ショック。克服のためにやったこと/読者体験談

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「不器用」についてのエピソードをご紹介します。】わが家には自閉スペクトラム症とADHDのある18歳の息子、自閉スペクトラム症と場面緘黙、そして斜視がある15歳の娘の兄妹がいます。二人とも不器用さがありますが、それぞれ不器用なところは異なります。そんな二人のエピソードをご紹介します。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

ほかの子どもとの差を感じてしまう展示物。不器用なわが子たち

わが家には自閉スペクトラム症とADHDのある18歳の息子と、自閉スペクトラム症と場面緘黙、斜視がある15歳の娘がいます。二人とも1歳半健診で要観察となりました。診断らしい診断は小学校に入ってから受けましたが、下の子は幼稚園ではなく療育園に通っていました。

そんな二人はそろって不器用さがありますが、それぞれ不器用な箇所は異なります。息子は粗大運動は得意なので走るのも速いのですが、手先が不器用。そして、体育ではあまり困ることはないものの、よく転びます。

一方娘は手先は器用な面もあるのですが、転びまくり、ケガしまくりです。成長するにつれて多少は改善されてきていますが、それぞれの不器用さは今も継続中です。

小学校の頃は授業参観の展示物を見るのをとてもつらく感じていました。絵、習字、作文の文字などが下手で、ほかの子どもたちの展示物と比べると全く違うのです。一人だけ幼稚園から成長してない子どもがいる……という印象でした。
絵、習字、作文の文字などが下手な発達障害のあるわが子たち。ほかの子どもたちの展示物と比べると全く違い…。
絵、習字、作文の文字などが下手な発達障害のあるわが子たち
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大きくなるにつれ読める文字が書けるようになったので、現在は書字に問題は感じていないのですが、当時の私はそんな未来のことまで考えられず、わが子たちと他人との差ばかり目について落ち込んでいたのです。今なら、子どもたちはちゃんと成長するよ、そんなに苦しまなくてもいいよと伝えてあげたいです。

そのスプーン何もすくってないよ⁉ 空のスプーンを口に運ぶ息子にびっくり!

息子の忘れられないエピソードは“スプーン事件”です。

指先が不器用だった息子は、長くスプーンを使っていました。ですが、スプーンもなかなかうまく使えないので、食べ物をすくえないことが多々ありました。ですが、すくったつもりなのか、何ものっていないスプーンをそのままパクっと口に持っていくのです。その光景を見たときは「そのスプーン何ものってないよ!?」とびっくりしてしまいました。
指先が不器用だった発達障害息子が、なにも入ってないスプーンを口に入れて驚く母
発達障害息子が、なにも入ってないスプーンを口に入れて驚く母
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これくらい不器用だったので、箸が使えるようになるか心配だったのですが、これには救世主が登場しました。幼稚園の先生です。先生が丁寧に2年間、毎日毎日、とにかくゆっくり、叱らず焦らず指導してくれました。

先生が見つけてくれた使いやすい箸は、ニスなどで塗られていない四角の握りやすいもの。手のサイズに合わせて長さにもこだわってくれました。これを使い「特別なお箸だよ」「きっとうまくいくね」とポジティブな雰囲気で誘ってくれ……なんと小学校入学前にお箸を使えるようになったのです!

息子の不器用さを思うと、箸が使えるなんて奇跡……と思わざるをえません。幼稚園の先生には、今も感謝してもしきれないです。
「特別なお箸だよ」「きっとうまくいくね」とポジティブな雰囲気で誘ってくれた幼稚園の先生
ポジティブな雰囲気でお箸を使うのを誘ってくれた幼稚園の先生
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また、運動神経の良さに助けられている面はありつつも、いろいろとバランスが悪い息子。ただ道を歩いているときも、よく溝に落ちてしまいます。

そして運動会では転ぶ転ぶ……。徒競走などでは誰かに近づくと距離感が掴めないのか転びがちです。そこから立ち上がって追い上げると、今度は自分の足につまづき転がりながらもでんぐり返しで起き上がり再度追い上げ……。だいたいいつも2位か3位争いをしていました。転ばなかったら1位になれたと思うのですが、惜しいですよね。息子も悔しそうにしていました。

遠足で20回以上……頻繁に転ぶ娘。同じ場所ばかりケガをして

娘は指先は息子に比べれば器用なのですが、驚くほど頻繁に転びます。遠足ではだいたい20回以上転んでいます。膝のキズが絶えません。
いつも膝の同じ場所をケガした結果、その場所からクマの毛のように太い毛が生えてくるほど……!「膝を守るんだ」という意志なのでしょうか!? 先生もびっくりしていました。
驚くほど頻繁に転ぶ発達障害娘。遠足ではだいたい20回以上転んでいます
驚くほど頻繁に転ぶ発達障害娘
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また、転びすぎてキズがひどくえぐれてしまうと、赤く腫れあがってしまうこともあります。そういうときは、治療は半年コース。塗り薬を出してもらい半年欠かさず塗り続けます。

なぜここまで転ぶのか……不思議に思っていたのですが、中学になって斜視が発覚しました。もしかしたらこれも娘の転倒に影響があったのかもしれません。
次ページ「二人の不器用さを克服させたい! 母がチャレンジしたこと 」

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