「定期テストが0点でもOK」中1発達障害次男への母の思い…課題や試験、学校での合理的配慮は

ライター:スガカズ
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発達障害(ADHD、LD)のある次男はこの春から中学校の通常学級に通っています。週一回の特別支援教室(通級指導教室)にも無事に通えることになりました。
学校生活は人間関係において大きな困りごともないようで、安堵しています。
一方で、課題提出や中間・期末テストに難航しました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

発達障害のある次男の中学校生活がいよいよスタート!

発達障害のある次男の中学校生活がいよいよスタート!
発達障害のある次男が中学生に
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発達障害(ADHD、LD)のある次男はこの春から中学校の通常学級に通っています。希望していた週一回の特別支援教室(通級指導教室)にも無事に通えることになりました。

次男は昔から、環境の変化が苦手です。環境の変化があるときに対人関係のトラブルが起こりやすくなります。小学校に入学してからは大人(今回の場合は学校の先生など)とのトラブルが大半で、小学校低学年の頃はかんしゃく(暴言、物にあたる)や脱走がときどきありました。

そのため、「次男の特性をあらかじめ知ってもらっていたほうがトラブルを未然に防げる」と思い、次男の特性などを中学校に事前に共有しています。

学校生活スタート。本人の気持ちは……?

次男は小6の秋におこなった、特別支援教室(通級指導教室)の体験での自己紹介で「中学校に入ったら怒るのをなおしたい」と言っていたり、入学直前には「中学校に入ったら新しい友達をつくる」「どんな学校なのか楽しみ」と話していました。

小学校卒業前から本人の情緒は比較的安定していて、中学校に通ってからも不安定になることはありませんでした。知らない人も多く小学校とは違った環境でしたが、よい緊張感をもって中学校に通い始めました。

入学から1ヶ月ほど経つと、クラスにも徐々になじめるようになり、新しい友達も増えました。
また、クラス担任は次男との関わり方が上手く、次男自身も担任を好意的に思っているようで、大きなトラブルもなく毎日学校に通うことができています。
中学生になり、大きなトラブルもなく通うことができている一方で朝が弱いため遅刻がだんだん目立つように…
大きなトラブルはないものの、朝が弱く最近遅刻が目立つようになってきた
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ただ、昔から朝は苦手で、緊張感がなくなった現在は、遅刻が目立つようになりましたが……。

部活動はソフトテニス部に入部しました。
体を動かすことは昔から得意だったので、テニスは未経験でしたが、どんどんできることが増えていきました。
週5日の練習や、休日の試合など熱心に活動しています(平日の朝は遅刻が目立ちますが試合の朝は不思議と遅刻しません)。

一度だけ、体育の先生と意思の疎通がうまくいかず、泣いて授業を抜け出したことがありましたが、その際には担任が次男に事情を聞き、学校で話し合って解決することができました。授業は前向きに参加しており、小学校の頃と比べると大きな成長を感じています。

初めての定期テストと、課題提出

7月、次男にとって人生で初めての定期テストがありました。
次男は書字障害があり、文字を書くことが困難なため、書字を含めた勉強が苦手です。
ただ、小6の頃から毎月療育に通っており、そのお陰で、文字を書く困難さは改善されました。小学校の頃はノートが真っ白だったのですが、中学校では、困難さを抱えつつも努力して書こうとしているようです。

課題提出

次男の中学校は、普段は課題が出ないのですが、定期テストの日に、課題の提出を求められます。

小学校に通っていた時は、宿題の内容を担任の先生と話し合って調整してもらっていました。ですが、中学校では課題の範囲が学年で決まっており、次男だけ調整することは難しいということでした。

また、この時期の子どもは友達との時間を優先しがちなので、本人が家にいない時間が増えました。そのため、課題に取り組める時間の確保が難しかったです。
1週間の間にたくさんの課題をこなさなければならない
1週間の間にたくさんの課題をこなさなければならない
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【1週間の間にこなす課題】
・国語 漢字20ページ
・数学 50ページ
・英語 20ページ
全ての問題を解いて丸つけ 間違ったところはノートにやり直して提出

結局、締め切りが1週間という限られた時間で次男が課題をこなすことはできませんでした。数学、英語はなんとか提出できましたが、国語の課題は手をつけられなかったので、未提出です。また、テストに向けた復習をする時間はまったくありませんでした。

定期(期末)テスト

そもそも私は「次男は中学校でテストを受けてくれるのだろうか?」といった疑問がありました。

中学校のテストは小学校の時よりも長時間の集中力や、見通しが求められます。

もともと小学校でのテストが、書字の困難さを含めさまざまな理由から、白紙のままで0点で返ってくることも珍しくなかったのです。
そのため、数日間、みんなと同じようにテストを受け続けることは難しいのでは?と、私は思っていました。
テストが0点でも「テストを受けるだけで十分」と思う母
テストが0点でも「テストを受けるだけで十分」と思う母
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期末テストは3日間あったのですが、本人は3日間乗り越えることができました。
国語は白紙に近い状態でしたが、受けてくれただけで、十分だと思いました。
次ページ「はじめての定期テストを終えて気付いたこと」

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