授業参観で保護者ドン引きの大癇癪!小1発達障害息子、不器用・こだわりへの「まあいいか」を目指して【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「不器用」についてのエピソードを紹介します】現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。息子は手先の不器用さがあり、できないと癇癪を起こしますが、できるように練習することも嫌がります。どうすればいいのか……学校と家庭でそれぞれ対策をしてきました。

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/ ・横浜ゆう訪問看護ステーション(不登校、引きこもり、子育て中の保護者のカウンセリング等お気軽に):https://yokohama.yuik.net/shinyoko-houkan/

幼少期から不器用さがあった息子

現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。息子は手先の不器用さがあり、できないと癇癪を起こしますが、できるように練習することも嫌がります。どうすればいいのか……長く頭を悩ませてきました。

おはしが使えないけれど、練習も嫌い

3歳頃、ボタンやファスナーをとめるのが難しく、園から自分でできるようにと言われたため、家で何度も練習させていました。また、折り紙や塗り絵、絵を描くことは自分からすることはほぼありませんでした。興味がないだけかと思っていましたが、手先を使う事が苦手だと自覚があったのかもしれません。おはしも上手く使えません。練習も嫌がり、いまだに習得できずにいます。

こだわりで癇癪は日常。特に勝ち負けにこだわってしまいます

年少時、初めての運動会のかけっこで2位だった時に大号泣。先生に抱っこされながら退場しました。そこから勝敗のこだわりが強くなりました。
体にも不器用さがあるのか運動は苦手なのですが、1番にこだわりがある息子。体操教室に通っているのですが毎月のテストが一度でクリアできないと癇癪を起こします。でも練習するのは嫌みたいで、なんとも解決のしようがありません……。
体操教室の毎月のテストが一度でクリアできないと癇癪を起こしてしまう息子
体操教室の毎月のテストが一度でクリアできないと癇癪を起こしてしまう息子
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授業参観で寝そべって抵抗する姿に他の保護者がドン引き……

小学校に入学すると勉強や集団行動が増え、息子は荒れることが多くなりました。

小1の授業参観の時のことです。
それぞれが育てた朝顔を観察し、花の絵と文章を書くのが課題でした。ですが息子の朝顔は花がすべて閉じてしまっており、咲いている花が1つもなかったのです。
「咲いてる花を(私たちに)見せたかった!」
「咲いてないから描けない!」
と息子はずっと泣いていました。
先生や私が「閉じてる花や葉っぱでもいいと思うよ」と伝えますが、本人の中では咲いている花を描きたかった(描くべきだ)と思っていたようで、考えは変わりませんでした。
担任の先生は「こうやって書くよ」と葉っぱを少し描いてくれたものの、息子の気持ちは変わりません。そして、ついに校庭に寝そべって癇癪を起こしました。

ああ、こうなってしまったか……と思いました。仕方ないと割り切ってはいますが、他の保護者のみなさんが、荒れる息子を見ないように気を遣ってくれているようで気になりました。家ではここまで騒ぐことはなかったので、対策が必要だと痛感しました。
息子は校庭に寝そべって癇癪を起こしてしまい……
息子は校庭に寝そべって癇癪を起こしてしまい……
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先生がすすめてくれた対策「暗号問題」でひらがなを攻略

息子は手先の不器用さがあるので、ひらがなを書くことなどに苦手意識が強くありました。また、興味がないことはやりたくないという気持ちが強かったので、療育の先生や支援教室の先生と話し、興味のある「数字」と組み合わせたクイズ形式で学んでもらおうということになりました。
クイズを解き、回答をひらがなで書いていくようにしたら、クイズに数字が入っていることや、解いていく快感があったのでしょうか。効果てきめんで嫌がらず、ひらがなを書いてくれるようになりました。

また、絵は自由課題になると難しいので、何を描くか、どう描くか具体的に伝えてもらうことで、描けるようになりました。それでも嫌がるときは、見本を見て「この見本みたいに描いてみるといいよ」と伝えると、迷わず描けたようです。これで絵を描くことへのハードルが下がったようです。
「この見本みたいに描いてみるといいよ」と伝えると、迷わずに絵が描けるように
「この見本みたいに描いてみるといいよ」と伝えると、迷わずに絵が描けるように
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できなくても「まぁいいか」を目指して……! 家でやった工夫

運動は苦手だけどできないことは許せない、でも練習も嫌という息子。
「まぁいいか」と思えるようになるか、練習してできるように頑張るか、どちらか一つでもできれば……と思いながらも、どうアプローチするのがよいのか難しく、頭を悩ませていました。

まずは「まぁいいか」と思う場面がどのようなものか、見せる機会を増やす取り組みをしました。例えば、私と子どもでゲームをしたとき、「負けちゃったけどまぁいいか。もっとできるように練習しよう~」と口に出して言うようにしました。また、「ママが勝つと息子くんは泣くから、ママは負けるね」と宣言してみると、息子は「本気でやっていいよ。そうしないとつまらないから」と言うようになり、『ゲームは本気でやることが楽しいんだ』という視点を持てるようになったようです。ただ、実際負けたら泣きましたが……。

声がけを意識するようになっても長く効果を感じることはなかったのですが、ここ最近は少しずつですが妥協して切り替えられることが増えてきたように思えます。先日は弟に負けても怒らず「弟くんの勝ちだね」と拍手してあげられ、成長を感じました。
少しずつ妥協して切り替えられることが増えてきたような息子
少しずつ妥協して切り替えられることが増えてきたような息子
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できなかったことができたときは「頑張って練習したからだね」「この前より上手になってるね」など言葉にして伝えるようにしていますが、苦手なことに向き合い、練習するという気持ちにはまだなれないようです。でもくじけずこのまま声がけを続けたいと思っています。

「自分はそれでいい」と納得できるように

よく息子は「自分はできない」とか「他の人より全然できない」と言いますが、自分は自分、それでいいんだと思えるようになったら、こんなに心強いことはありません。

自分に必要なことは努力できる力、どうしても難しいことは、他の方法がないかさまざまな選択肢から選び取れる力がつけば、きっと人生を楽しく歩んでいってくれるのではないかと思います。

私も息子にどのように伝えたらいいのか、試行錯誤していきたいと思っています。

イラスト/海乃けだま
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:森先生より)
こだわりが強いと、「正しいパターン」がたった一つしかないかのように感じてしまっていることがあります。現実には「正しいパターン」が無数にあるということを、まだ知らないのです。確かに図鑑や絵本でよく見る朝顔は「咲いている朝顔」です。でも、種も、芽も、葉っぱも、つぼみも、どれも「正しい朝顔の姿」です。勝負も同じ、物語なんかでは「主人公が勝つ」パターンが多いので、それが絶対の正解のように思ってしまいますが、実際は「弟が勝つ」のも楽しいゲームの遊び方としては「正解」です。

「まぁいいか、これからもっと頑張ろう」というプラスな考え方も正解の一つだよ、と伝える今の教育方針は、とてもあたたかくて柔軟で素晴らしいですね。「これもみんなが喜ぶ結果につながるんだ、じゃあこれも正解なんだな」というように、これからも、お子さんの中での「正解」のパターンを増やしていけるといいのではないでしょうか。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。


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