できなくても「まぁいいか」を目指して……! 家でやった工夫

運動は苦手だけどできないことは許せない、でも練習も嫌という息子。
「まぁいいか」と思えるようになるか、練習してできるように頑張るか、どちらか一つでもできれば……と思いながらも、どうアプローチするのがよいのか難しく、頭を悩ませていました。

まずは「まぁいいか」と思う場面がどのようなものか、見せる機会を増やす取り組みをしました。例えば、私と子どもでゲームをしたとき、「負けちゃったけどまぁいいか。もっとできるように練習しよう~」と口に出して言うようにしました。また、「ママが勝つと息子くんは泣くから、ママは負けるね」と宣言してみると、息子は「本気でやっていいよ。そうしないとつまらないから」と言うようになり、『ゲームは本気でやることが楽しいんだ』という視点を持てるようになったようです。ただ、実際負けたら泣きましたが……。

声がけを意識するようになっても長く効果を感じることはなかったのですが、ここ最近は少しずつですが妥協して切り替えられることが増えてきたように思えます。先日は弟に負けても怒らず「弟くんの勝ちだね」と拍手してあげられ、成長を感じました。
少しずつ妥協して切り替えられることが増えてきたような息子
少しずつ妥協して切り替えられることが増えてきたような息子
Upload By ユーザー体験談
できなかったことができたときは「頑張って練習したからだね」「この前より上手になってるね」など言葉にして伝えるようにしていますが、苦手なことに向き合い、練習するという気持ちにはまだなれないようです。でもくじけずこのまま声がけを続けたいと思っています。

「自分はそれでいい」と納得できるように

よく息子は「自分はできない」とか「他の人より全然できない」と言いますが、自分は自分、それでいいんだと思えるようになったら、こんなに心強いことはありません。

自分に必要なことは努力できる力、どうしても難しいことは、他の方法がないかさまざまな選択肢から選び取れる力がつけば、きっと人生を楽しく歩んでいってくれるのではないかと思います。

私も息子にどのように伝えたらいいのか、試行錯誤していきたいと思っています。

イラスト/海乃けだま
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:森先生より)
こだわりが強いと、「正しいパターン」がたった一つしかないかのように感じてしまっていることがあります。現実には「正しいパターン」が無数にあるということを、まだ知らないのです。確かに図鑑や絵本でよく見る朝顔は「咲いている朝顔」です。でも、種も、芽も、葉っぱも、つぼみも、どれも「正しい朝顔の姿」です。勝負も同じ、物語なんかでは「主人公が勝つ」パターンが多いので、それが絶対の正解のように思ってしまいますが、実際は「弟が勝つ」のも楽しいゲームの遊び方としては「正解」です。

「まぁいいか、これからもっと頑張ろう」というプラスな考え方も正解の一つだよ、と伝える今の教育方針は、とてもあたたかくて柔軟で素晴らしいですね。「これもみんなが喜ぶ結果につながるんだ、じゃあこれも正解なんだな」というように、これからも、お子さんの中での「正解」のパターンを増やしていけるといいのではないでしょうか。
【新連載】「一人じゃないよ」と伝えたい!癇癪、感覚過敏、こだわり…発達凸凹なたーちゃんとの日々のタイトル画像

【新連載】「一人じゃないよ」と伝えたい!癇癪、感覚過敏、こだわり…発達凸凹なたーちゃんとの日々

絵を描くことが苦手のタイトル画像

似顔絵が苦手…もしかして顔のパーツや位置関係がわかってないのかな?と思ったら

激しいイヤイヤ、強いこだわり…「子どもだから仕方ない」と思っていたら発達指数(DQ)が境界域だった息子。3歳半健診で指摘されショックを受けた母は…/読者体験談のタイトル画像

激しいイヤイヤ、強いこだわり…「子どもだから仕方ない」と思っていたら発達指数(DQ)が境界域だった息子。3歳半健診で指摘されショックを受けた母は…/読者体験談

周りの目が気になる…4歳自閉症息子、大好きな電車へのこだわりで大声、奇声がさく裂!マナーを守るには?のタイトル画像

周りの目が気になる…4歳自閉症息子、大好きな電車へのこだわりで大声、奇声がさく裂!マナーを守るには?

自閉症息子のこだわりと、親の障害受容。段階を踏んで関わり方を変えた結果…!?【読者体験談】のタイトル画像

自閉症息子のこだわりと、親の障害受容。段階を踏んで関わり方を変えた結果…!?【読者体験談】

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。


関連サービス画像
関連サービス
【ゲーム・ロボット好き集まれ!】個性を伸ばすゲーム・ロボットづくりへ無料招待!

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。