高校での合理的配慮は? 就労支援体験実習で自信をつけてほしい

中学で数学につまずき、高1で自閉症診断。就職は厳しいと言われ、何より後悔していることは【読者体験談】の画像
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診断後、高校では5つの合理的配慮を受けました。
1.具体的表現、説明
2.作業手順、指示の視覚化、ルーティン化
3.十分な作業時間の確保
4.次回、次週の予定の伝達
5.座席位置の前方固定

これによって、以前よりずいぶんと過ごしやすくなったと思います。
ですがその後、高校の先生からは進学も就労も厳しいと言われ、友達からもからかわれと傷つくことの多い3年間でした。友達から「おまえ、障害があるんだって?」と言われたから言い返したとは聞いています。

今何よりも後悔していることは、息子の診断が16歳と遅れてしまったことです。
早く診断がついて適切な対応が取れていれば、違う方法や進路があったのではないかと思うのです。子どもに関わった先生方も、気づいていたら言ってほしかった……できれば助けてほしかった。息子へは申し訳ない気持ちでいっぱいです。

息子は高3なので卒業後の進路が目下の悩みでした。しかし、先日就労移行支援事業所へ相談、ある企業で体験実習を行い、「働く力がある」と言われ就職先が決まり、胸をなで下ろしているところです。施設の方からは、自分の弱点、苦手を知り対処方法を考え、経験を積み、働き続ける力をつけることが目標と言われています。

卒業後はできることを増やし、息子には自信をつけていってほしいです。そして楽しく働くことができたらいいねと話しています。
イラスト/ネコ山
エピソード参考/やぎ母

(監修:鈴木先生より)
「早期介入の重要性」は元サウスカロライナ医科大学のバークレー教授が常に言っていた言葉です。就学前では1歳半・3歳児・地域によっては5歳児健診が早期介入のきっかけになっています。それらの健診で「様子を見ましょう」と言われ、その後の就学時健診もすり抜けるとあとは、学校の先生が気づいて保護者に相談するほかは専門医に相談するきっかけがあまりありません。たとえ就学前の健診で指摘されてかかりつけ医に相談してもそこで「様子を見ましょう」と言われたら道は途絶えるのです。
健診での保健師さんや医師、かかりつけ医、担任の先生、習い事のコーチなど子どもと触れ合う大人に神経発達症の知識が少しでもあれば専門医へ相談するという道はあったはずです。ADHDは6歳から治療できます。お子さんの自尊心を高めるためにも早期介入・診断・治療が重要なのです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。


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