母からの謝罪。でも私が選んだのは……

「今の私の家族を傷つける言動をするのは困る。家族を守るため、実家には行きません」
母は黙って聞いていました。

そしてその数日後、母から電話がありました。
「私は人の気持ちが分からないの。あんたを傷つけているとは思っていなかった。ごめんね」と。

それでも、私は今までの経緯があったため、母を許すことができませんでした。「今後は実家には帰省しない」と絶縁宣言をしました。
家族を守るため、母へ絶縁宣言をした私
家族を守るため、母へ絶縁宣言をした私
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努力した息子。今は将来の夢に向かって頑張っています!

あれから3年ほど経ちましたが、母とは連絡をとっていません。義実家へは年始の挨拶やお盆など、定期的に訪問しています。義父は、変わらず子どもたちを大事にしてくれ、「一緒に外食に行こう」「孫の好きなものを食べさせてやりたい」と声をかけてくれます。毎回子どもたちへお小遣いもいただき、それは子どもたちの通帳に貯金しています。

そして、息子はとても努力して生活習慣を整え、目標通りに退所し、現在は一緒に暮らしています。今は受験生として、幼少期からの夢をかなえるため奮闘中です。

息子はまだまだ成長期です。さらに自分を高めて、どうか自身の夢を叶えて欲しいと願っています。そして安定した気持ちで就労できるよう、これからも支援し続けていきたいです。
帰ってきた息子。みんなでこれから進んでいきたいです
帰ってきた息子。みんなでこれから進んでいきたいです
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イラスト/SAKURA
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:森先生より)
「お子さんを守ること」「お子さんの生活習慣を整えること」を最優先に行動できたのは素晴らしいですね。
発達障害の支援の中で、家族や親族の理解を得られないという問題はしばしば見られます。
「適切な支援を受けることを拒絶する」といったことも時にはあります。
専門家とも相談しながらお子さんの生活習慣を整えるために出した結論に、親族の方から理解をしてもらえないこともあるでしょう。
障害や支援に対して理解してくれない理由としては、気が動転してしまったり、お子さんへの愛情が強すぎるがゆえの不安な気持ち溢れてしまっているといったことがあります。
ただし、その不安な気持ちを保護者の方が受け止める必要はありません。不安な気持ちをぶつけられることによって、お子さんや保護者の方が傷ついたり疲弊してしまっては本末転倒です。
そういった場合は、「この子の親として、最も良い方法を探しているところだから、信じて見守って欲しい」ということを説明して、状況によっては一旦距離を置くことも必要なのではないでしょうか。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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