小学校入学を控えた次男、「教えて」が言えず涙、指しゃぶりも。学校への「就学支援シート」に込めた願い
ライター:taeko
二人兄弟のわが家。兄のミミは小4で、ASD(自閉スペクトラム症)があります。年長の弟・ふーは、児童精神科での診断はないのですが、ASD(自閉スペクトラム症)の傾向があり、繊細で敏感なタイプと言われました。ふーの小学校入学を控え、今は学校へ提出する「就学支援シート」を準備しています。
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
就学相談で特別支援教室へ通うことになった未診断の次男ふー
次男ふーは現在5歳。就学相談の結果、次の4月に入学する小学校では、通常学級に在籍しながら特別支援教室(※)に通うことが決まりました。
それまで私は、ふーが特別支援教室に通う必要があるとは思っていませんでした。ASD(自閉スペクトラム症)の小4の長男・ミミと比べて、困っていることが少なかったからです。ですが、ふーが通う保育園と児童発達支援で「必要性の理由」となる現場をいくつか目撃するようになり、ふーには特別支援教室が必要なんだと納得した私。
それまで私は、ふーが特別支援教室に通う必要があるとは思っていませんでした。ASD(自閉スペクトラム症)の小4の長男・ミミと比べて、困っていることが少なかったからです。ですが、ふーが通う保育園と児童発達支援で「必要性の理由」となる現場をいくつか目撃するようになり、ふーには特別支援教室が必要なんだと納得した私。
未診断なのに特別支援教室判定。「どうしてこの子が?」から「なるほど」になったワケ
兄のミミのときは診断書を書いてもらい、それを学校へ提出しましたが、ふーは現時点で一年前と同じく診断はされていません。そこで、保育園と児童発達支援、民間の療育で「就学支援シート」を作ってもらい、それを学校へ提出する予定です。
それもあり、小学校入学が迫ってくる中、私はふーがどんなことに困っているのかよく観察しています。
※特別支援教室とは、東京都などで導入されている発達障害のある子どもたちをはじめとした個別の教育的ニーズに対応し、より適切で効果的な指導を行うための一つの指導の形態です。通常学級に在籍しながら、一部の時間、別の教室で指導を受けることができます。東京都では特別支援教室と呼ばれていますが、地域によって名称が異なります。
それもあり、小学校入学が迫ってくる中、私はふーがどんなことに困っているのかよく観察しています。
※特別支援教室とは、東京都などで導入されている発達障害のある子どもたちをはじめとした個別の教育的ニーズに対応し、より適切で効果的な指導を行うための一つの指導の形態です。通常学級に在籍しながら、一部の時間、別の教室で指導を受けることができます。東京都では特別支援教室と呼ばれていますが、地域によって名称が異なります。
「教えて」が言えず、せっかく編んだマフラーを全部ほどいてしまったふー
ふーが通う保育園では、年長さんになると毛糸のマフラーを作るのが恒例。ふーも楽しく編んでいたのですが、先生から「ふーくん、途中で全部ほどいてしまったんですよ」と教えてもらいました。
本人に聞くと、下のほうに編み忘れた目があって、それが穴になっているのに気がつきやり直したかったのだそう。翌日いちから編みなおすというので、「頑張ってね」と応援しました。
ですが翌日、ふーが一からマフラーを編んでいたところ、途中でやり方が分からなくなってしまったそうです。そこで先生に「教えて」と言えればいいのですが、困っていることを伝えられなかったふー……。
本人に聞くと、下のほうに編み忘れた目があって、それが穴になっているのに気がつきやり直したかったのだそう。翌日いちから編みなおすというので、「頑張ってね」と応援しました。
ですが翌日、ふーが一からマフラーを編んでいたところ、途中でやり方が分からなくなってしまったそうです。そこで先生に「教えて」と言えればいいのですが、困っていることを伝えられなかったふー……。
その日は自治体の療育へ行く日だったので、早くお迎えに行ったのですが、教室から出てきたふーはぐずぐず……。
このままでは療育まで引きずるだろうと思ったので、その前にアイスを買って食べました。これでふーの気分も持ち直しました!
このままでは療育まで引きずるだろうと思ったので、その前にアイスを買って食べました。これでふーの気分も持ち直しました!
そしてふーが大好きな踏み切りを通りながら療育へ向かい、十分余裕を持って到着! したのですが……。
療育では指しゃぶりに足もじもじ、そして鉛筆を強く握って……
療育についたふーは、いつも遊ぶおもちゃを「あれ......」と指さし、先生に使いたいことをアピールしました。そこで先生は優しく「何て言うんだっけ?」と促してくれたのですが、ふーは困った顔をして親指を口に入れお気に入りのタオルのようにしゃぶり、足をもじもじ。そしてシクシクしだして……最後は抱っこ。
「使っていい?」と聞けなかったようです。
「使っていい?」と聞けなかったようです。
その後、先生が丁寧に声かけしてくれ、次の活動であるパズルを2種類見せてくれました。これに少し興味を持った様子のふー。「ママに手伝ってもらう?」と先生の提案に応じ、私もパズルを半分手伝うことになりました。
ここで少しずつ復活し、2種類のパズルを結局1人で完成させたふーはにっこり。自信に繋がったようです。
いつも通りのふーになり、お気に入りのブランコ遊びを再開しました。思いっきり楽しみ、笑顔でニコニコ! 満足したところで、机でのプリントをやることに。
1枚目はすぐクリア。2枚目は数字の順番どおりに鉛筆で点を繋いでいくと絵になるプリントです。
ここでふーはゴキゲンな気持ちが行き過ぎたのか、ついアレンジしてこのプリントに踏み切りの絵を書きだしました。ここで先生は「ちょっと待ってね、あとで好きな絵を書き足して良いから、先に数字を繋げようか」と声かけ。
ここで少しずつ復活し、2種類のパズルを結局1人で完成させたふーはにっこり。自信に繋がったようです。
いつも通りのふーになり、お気に入りのブランコ遊びを再開しました。思いっきり楽しみ、笑顔でニコニコ! 満足したところで、机でのプリントをやることに。
1枚目はすぐクリア。2枚目は数字の順番どおりに鉛筆で点を繋いでいくと絵になるプリントです。
ここでふーはゴキゲンな気持ちが行き過ぎたのか、ついアレンジしてこのプリントに踏み切りの絵を書きだしました。ここで先生は「ちょっと待ってね、あとで好きな絵を書き足して良いから、先に数字を繋げようか」と声かけ。
これがショックだったようです。気分が乗っていただけに、止められてがっくりしてしまったふーは、口に親指を入れて指しゃぶり、そして鉛筆を持つ手に強く力が入り、プリントを机から落としました。
先生は丁寧な声かけをしてくれたけれど、今日はここまで……。
ふーのお気に入りのタオルを渡して心を落ち着かせ、帰宅しました。
ふーのお気に入りのタオルを渡して心を落ち着かせ、帰宅しました。