努力した息子は、生活習慣を整え目標通り退所。地元の中学へ

入所中、息子は長期休暇などを利用して定期的に試験外泊し、寝る時間など自宅でのルールを取り決め実施しました。また、試験外泊の際は、地元の中学の先生と面談、また先生も息子の施設や施設内学校の訪問もしてくださり、施設と学校同士で情報共有してくださり、本当に感謝しています。

そして息子は、目標通り中学2年生の終業式後に退所し自宅に戻ってきました。そして、中学3年生の4月から、地元の中学へ転入、特別支援学級へ再び通い始めました。

先生方は、息子が戻ってくるまでに2年かけて、特別支援学級での指導の仕方について中学校と教育委員会と話し合い、改革をしてくださっていました。
特別支援学級の生徒は30名程度いたのですが、息子は通常学級と同じ内容の授業を受けることができるクラスになりました。そのため、勉強好きな息子は不登校にはならず、通い続けることができ、なんと中学3年は皆勤賞。
定期テストも通常学級と同じテストを受け、学外で行っている受験対策用の模試や9月以降は実力テストのみ交流学級で受験するようになりました。これは、息子の受験対策として、大勢の生徒に囲まれて試験をうけられるよう学校側が計画してくださいました。
息子の受験対策として、交流学級など大勢の生徒に囲まれて試験をうけられるよう学校側が計画してくださいました
息子の受験対策として、交流学級など大勢の生徒に囲まれて試験をうけられるよう学校側が計画してくださいました
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志望校受験に向けて頑張っている息子を支えていきたい

家に戻ってきてからの息子は前向きで、障害受容もしっかりとできており、先日精神障害者福祉手帳3級を取得しました。

息子は幼少期からの夢「設計士、建築士」への道を希望しています。学習能力は高いのですが、情緒が安定しないため公立高校への進学は断念し、丁寧に対応してくれる私立の専修学校・建築科を単願志望しています。

一時期、家庭崩壊の一歩手前だったわが家ですが、息子は今、将来の夢に向けて前向きに勉強に取り組んでいます。悩んでいた数年前が嘘のように、落ち着いた生活を送れています。
夫のメンタルも回復し、私自身の精神状態も成長した息子の姿が心の支えとなり回復してきました。
息子はこれからどんどん成長していくと思います。自分のやりたいことに向かって、これからも頑張る息子を、私は支え続けたいと思います。
イラスト/海乃けだま
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:鈴木先生より)
自閉スペクトラム症のあるお子さんの対応には、ペアトレの基本である「傾聴と承認」が重要です。息子さんはまだ中学生なので児童相談所ではなく本来ならば小児科の神経外来を受診して相談すべきでしたが、該当するような小児科が近所にはなかったものと推測します。児童相談所は医療ではないので診断はできません。基本的にはかかりつけ医に相談して専門医へ紹介してもらうのが筋でしょう。中学校の先生がおっしゃるように、週に数日でも中学へ通えているならば一般的には施設に入れる必要はないと思われます。児童精神科医と小児神経科医との考えには多少ずれがありますが、医療へつなげることも忘れてはいけないことだと思います。そこには必ず答えがあるはずです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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