母は障害受容の手前。少しずつ分かってもらえたら

今の母は「まあ、あんたたちが決めたことやから反対はしないけど」と言うようになりました。ただ、「○○くんの能力が伸びてきたら、通常学級に戻るつもりやんな?」と完全には認めてくれていない様子です。

母は障害受容の手前で葛藤している状態なのだと思います。息子は、まだ医療機関で診断を受けたことがないので、息子の障害にまだ名前がついていない状態なのも、母にとってはややこしいのかもしれません。

一方父は、息子の発達に関して私に直接何か言ってきたり聞いてきたりすることはありません。
先日私に「○○ちゃんは年齢とともにできることが増えてきたね。がまんもできるようになってきたし」と言ってくれました。
他人と比べてではなく、息子だけを見て、良い変化を見つけて喜んでくれているのがうれしいですし、母のように「息子を発達障害ではないと思いたい!」という圧を出さないでいてくれるのも私にはありがたいです。
年齢とともに、できることが増えてきたね、と息子を褒める父
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完全に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、今後の私たち親子の姿を通して、いつか母にも息子に合った環境を選ぶことの大切さを分かっていってもらえたらと思っています。

イラスト/まる
エピソード提供/苗

(監修:鈴木先生より)
息子さんはあなたのお子さんです。いくら祖父母が子育てを手伝ってくれているにしても祖父母の子ではないのです。自分の子どものことは親が決めていいのです。発達障がいは症候名で具体的な病名としてはASDやADHDなどがあります。「発達障がい」という「障がい」だけが祖母の脳裏に刻まれており認めたくない気持ちがあるのかもしれません。

今は発達障がいと言わず「障がい」がなくなり、神経発達症と言われています。「ASDは特性でADHDは慢性疾患で障害ではありません」と日頃私の外来では説明しています。
具体的な診断をかかりつけ医に相談して早めに方向づけを行うのがよいかと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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