他害、暴言、「おうちこわす!」と逆ギレする5歳が大変身!?きっかけはある「習い事」で

ライター:ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
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わが家は家族全員が発達に特性があるタイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。今回登場する孫サルルゥは、次女リスミーの長男です。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

与えたパーランクー(小太鼓)でのエイサーごっこに飽きて、暴言が出るようになってきた

おじいちゃんには大声で反発する孫サルルゥ
おじいちゃんには大声で反発する孫サルルゥ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
わが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろで、発達に特性があるタイプです。5歳になった孫サルルゥは、小学校入学を目前に控え、動きがますます激しく大きくなり、大声を出すようになってきました。

3歳頃から始めた沖縄の小太鼓パーランクーは、一時は早朝から深夜まで叩き続けるほど夢中になっていたのに、急に見向きもしなくなりました。まるで卒業してしまったかのように、まったく関心を示さなくなったのです。

でも私と夫ラクマは特に驚きませんでした。4人いる私たちの息子や娘も、夢中になっていたことを突然やめることが多かったからです。

孫サルルゥは近所に住んでいるので、多いときは週に数回わが家に遊びにやってきました。孫サルルゥは活発なタイプですので、夫や息子たちをつかまえては、決闘ごっこや野球ごっこなど動きの大きな遊びをやりたがります。

夫ラクマはフリーランスとして自宅で仕事をしているので、もっぱら彼がサルルゥの相手をしています。サルルゥに悪気はないのですが、夢中になるとよく勢いあまって、家具やラクマの腕などを叩いてしまいます。

ラクマはペアレント・トレーニングなどを受けた経験があるので、サルルゥに近づいて、穏やかな声で彼を注意します。ふだん味方になることが多いラクマから注意を受けるとサルルゥは大声で「おじいちゃんのおうちこわす」と怒ります。

ラクマは「お家を壊されると困るなぁ。お家壊すとサルルゥはおじいちゃん家に遊びに来られなくなるよ。おいしいおやつやごはんも食べられなくなるよ」と静かに諭していました。

するとサルルゥは興奮おさまらない表情ながら、反発はやや控えめになりました。

自らの体験をふりかえり、さらに大きな運動の機会を与えたいと考える

自分の母親が認めてくれなかった武道に思いをはせるワッシーナ
自分の母親が認めてくれなかった武道に思いをはせるワッシーナ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
孫サルルゥと夫ラクマの、そのようなやりとりを見ながら、私は、小学校入学に向けて、サルルゥには新しい工夫が早急に必要だと感じていました。定期的に夫婦で通っている発達支援施設のトレーナーさんに相談しつつ、新しい方法を考えてみました。

ヒントは私の幼少期にありました。私と孫サルルゥの特性には多くの共通点がありました。私自身も多動で身体をぶつけあう遊びが大好きだったのです。

私が子どもの頃やりたかった習い事は、キックボクシング・プロレス・空手・カンフーでした。なかでも私の最大のアイドルは、カンフーで悪者をやっつける香港の映画スターでした。でも、私のまわりにいるきょうだいや友だちは、いっしょにカンフーごっこで遊んでくれる子がいませんでした。

そのため、私は母にカンフーか空手の道場に通わせてほしいと、けんめいにお願いしました。ところが母は、ピアノや活け花、書道、剣道、算盤を習わせ、花模様のワンピースを着せたがりました。女の子らしく育ってほしいと願っていたようです。

私は激しく失望し、母に反発しました。教育熱心な母は、私が反発するとなおさら厳しく接するようになりました。家庭内での無理解に加えて、学校では過剰適応の傾向があったため、二重のストレスから私はやがて不登校になっていきました。

私の独特な好みや行動パターンは、周囲にまったく理解されず、問題行動と受け取られることがありました。もし私が子どもの頃、希望通りの運動をやらせてもらえれば、きっとストレス発散をすることができて、不登校は起こらなかっただろうと感じています。

次女リスミーと話し合って空手道場に通うことに

オリンピックの空手競技で、地元選手が金メダルを取り、サルルゥのよい刺激に
オリンピックの空手競技で、地元選手が金メダルを取り、サルルゥのよい刺激に
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
孫サルルゥへの工夫として、どんなスポーツがいいのかと思いをめぐらしつつ、サルルゥの母親である次女リスミーの意見を聞いてみました。リスミーも、新しい工夫が必要だと感じていたようで「空手がいいかもしれない」と答えました。

その頃はちょうど東京オリンピックで地元の選手が金メダルをとっており、子どもたちの間で空手道場に通うことが静かなブームになっていたようです。

その後すぐにサルルゥは近所の空手道場に入門しました。私と夫ラクマは、道場までのサルルゥの送迎をかって出ました。習い始めたのはいいものの、空手の技で仲間を殴ったりしないか気になり、稽古の様子を観察したかったのです。

結果として、サルルゥが乱暴をする心配はまったくありませんでした。空手道場では礼儀作法をしっかり指導してくれていたので、とても安心して見ていられました。

サルルゥは、すっかり空手に夢中になりました。昇級試験を目指して稽古に励むようになり、家族の都合で稽古を休む時は悔しがって大泣きするほどでした。
次ページ「空手道場の稽古と礼儀指導で自信がつき、目に見えて落ち着くように」

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