「LITALICO発達特性検査」で解決したい親子の困りごと、3つのハードルとは【監修者・井上雅彦先生インタビュー】

ライター:LITALICO発達特性検査 編集部
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2024年4月に「LITALICO発達特性検査」がリリースされました。LITALICO発達特性検査はお子さまの特性と具体的なサポート方法を知るためのオンライン検査です。

この記事ではプロダクトのコンテンツを監修した臨床心理士の井上雅彦先生に、LITALICO発達特性検査ができた背景や、この検査で解決したい親子の抱える課題についてお話しいただきました。
(取材:LITALICO発達特性検査編集部)

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

親子をめぐる課題を支えるため、「LITALICO発達特性検査」の監修に取り組んだ

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LITALICO発達特性検査の監修を担当した井上雅彦先生
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LITALICO発達特性検査では、企画段階から参画し、多動・不注意/情緒・行動/感覚/運動(くせ)の検査結果テキストの監修を担当しました。

このLITALICO発達特性検査は、お子さまの発達や子育てについて悩んでいる保護者の方に向けて開発されています。

私が監修を担当した理由の一つとして、診断の有無にかかわらず、子どもの特性を理解し、対応方法や関わりの具体的な方法を提案できるツールが必要だと感じていたことがあります。

LITALICO発達特性検査は、お子さまと保護者が感じている困りごとに対して、その特性の現れ方や背景、具体的なサポート方法が分かる検査です。オンラインで検査に回答するとすぐに結果が得られることも特徴です。サポート資源がない地域の保護者や専門機関にアクセスすることに躊躇されたり、長い待機期間で困っている方も助かると思います。この検査結果を保護者だけでなく、園や学校と連携することで、個別の支援計画や連携にも活用できます。

これは、これまで子どもと保護者の支援を行ってきたLITALICOだからこそできるプロダクトだと思います。発達ナビなど、インターネットを活用したサービスを提供し、また、LITALICOジュニアなどの直接支援のノウハウも持っている、そうした強みを活かされているのがLITALICO発達特性検査ではないでしょうか。

この検査プロダクトで、保護者やその周りの関係者が親子の困りごとを明らかにし、具体的な対応方法を知ることで、お子さんにとって障害や困りごとが起きにくい環境をつくることができたら、と願って、開発に加わりました。

「LITALICO発達特性検査」で解決したい3つのハードル

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LITALICO発達特性検査の検査結果画面
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お子さまの発達や子育てについて悩んでいる保護者にとって、いくつかのハードルがあると思います。よく挙げられる悩みとしては、以下のような3つが考えられます。

1.何となく困っているが、漠然としていて困りごとの背景要因が分からない
2.専門機関につながりにくい環境的・心理的ハードルがある
3.困りごとに対する対応策が分からない


今回は、これらの課題に対して、LITALICO発達特性検査でどのように応えたいと考えて監修をしているか、保護者の方にどう活用していただきたいかなどについてお話しします。

1.何となく困っているが、漠然としていて困りごとの背景要因が分からない

保護者の方は、普段お子さまと接するなかで、「うまくいかないな」と感じたり、気になる様子が見られたり、あるいは園や学校での生活でお子さまが困っている様子が見られたりすることがあるかもしれません。そのようなときに、悩まれる保護者の方は多いようです。

特に子育てするなかで、こうした気になることや違和感があった場合、保護者としては「自分の感じていることが実際はどうなのか」、ということが、知りたいのではないでしょうか?

LITALICO発達特性検査は、「なんとなく困っている」「なんとなく違和感を感じている」お子さまの様子や困りごとについて、保護者自身が質問に回答することで、洗い出しや言語化ができるツールです。この検査のポイントは、漠然とした困っていることが具体化できるという点です。

例えば「宿題に取り組めない」という困りごとがあったとき、その背景には学習上の困難やこだわり、失敗に対する不安、注意・集中の困難、感覚過敏、不器用などさまざまな要因が考えられます。

具体的に「何に困っているのか」、それが「どういった特性や背景から起きていそうか」ということ。それが分かってはじめて、「ではどうしたらいいか」と考えられるようになったり、「やっぱり家庭だけでは難しいから、誰かに相談してみよう」など、次に何をすればいいのかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

もちろん、保護者の視点で、保護者が把握していることを回答するという形式の検査であるので、その点は注意が必要ですが、それでも、まずは、困っていることを整理することで、これからどうするかを考えるための第一歩にすることができるのではないかと思います。
次ページ「2.専門機関につながりにくい環境的・心理的ハードルがある」

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