母子手帳の質問はすべて「問題なし」なのに育てにくいのはなぜ?2歳で自閉症と診断された娘、0歳の頃の様子
ライター:サチコ
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わが家は私・長女・次女・夫の4人家族で、長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています。(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的発達症/知的障害)
マユユは0歳の頃、いわゆる”手がかかる赤ちゃん”だったと思います。
当時の私は理由が分からないままヘトヘトになっていましたが、今思い返すと合点のいくことばかりでした。
今回はマユユが赤ちゃんの時の様子を振り返りながら、現在の様子とあわせてお話します。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
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赤ちゃんの頃のマユユとわたし
娘のマユユが0歳で受けた健診は、すべて『問題なし』でした。
寝返りやつかまり立ちなどの身体的な発達は育児書のめやす通りで、母子手帳の記録も『はい』ばかり。視線が合わないという感覚もなく、笑顔もみられていました。第一子ということもあり私の中に基準がなかったのもありますが、”病院でも指摘されないし、順調に育っているんだろう”と思い込んでいました。
寝返りやつかまり立ちなどの身体的な発達は育児書のめやす通りで、母子手帳の記録も『はい』ばかり。視線が合わないという感覚もなく、笑顔もみられていました。第一子ということもあり私の中に基準がなかったのもありますが、”病院でも指摘されないし、順調に育っているんだろう”と思い込んでいました。
しかしマユユは飲め(食べ)ない・眠れない子どもではありました。理由の分からないグズりも多く、泣いている時間も長かったように感じます。
飲めない・食べない
マユユはおっぱいを上手に飲めず、しばらくはミルクとの混合栄養を試みていました。しかし、おっぱいをうまく吸えないうえに哺乳瓶も嫌がることが多く、『しっかり飲めたね!』という日はあまりありませんでした。
その後はじめた離乳食も初期・中期とほとんど食べてくれず、栄養は足りているのだろうかと不安でした。睡眠にも難しさがあったので、お腹いっぱいになってグッスリ眠ってほしいのに……という焦りもありました。
その後はじめた離乳食も初期・中期とほとんど食べてくれず、栄養は足りているのだろうかと不安でした。睡眠にも難しさがあったので、お腹いっぱいになってグッスリ眠ってほしいのに……という焦りもありました。
大きくなってくるにつれて、マユユには不器用さ・こだわり・変化が苦手などの特性があることが分かってきました。今思えば、その特性ゆえに哺乳瓶を嫌がったり離乳食を食べなかったりしたのかもしれません。
眠れない
3歳頃までは睡眠に難しさがありました。
年齢によって様子はさまざまでしたが、0歳の頃は寝つきが悪い・30分ほどの短時間で何度も起きる・眠りが浅いという感じでした。前述したようにしっかりおっぱいやミルクを飲めていなかったのも細切れ睡眠の理由の一つだったのかもしれません。
マユユにトントンやお歌は効かず、長時間ユラユラと抱っこしていてもなかなか眠りませんでした。いっそしばらくお布団におろして様子をみても泣くばかりで、まさにお手上げ。
疲れ果てて眠ったと思ったらすぐに起きてしまうので、本当にただ子どもを寝かせて、眠ったら私も少しでも寝る!という生活でした。
年齢によって様子はさまざまでしたが、0歳の頃は寝つきが悪い・30分ほどの短時間で何度も起きる・眠りが浅いという感じでした。前述したようにしっかりおっぱいやミルクを飲めていなかったのも細切れ睡眠の理由の一つだったのかもしれません。
マユユにトントンやお歌は効かず、長時間ユラユラと抱っこしていてもなかなか眠りませんでした。いっそしばらくお布団におろして様子をみても泣くばかりで、まさにお手上げ。
疲れ果てて眠ったと思ったらすぐに起きてしまうので、本当にただ子どもを寝かせて、眠ったら私も少しでも寝る!という生活でした。
しばらくして『この子は抱っこやふれあいが苦手なのかも』『神経質なところがあるかも』と感じるようになってきました。感覚過敏もあるようなので、睡眠に関してはこの辺りが影響してうまく眠れなかったのかなと思いました。
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抱っこで落ち着かない
抱っこはいつまでたってもしっくりときませんでした。
現在1歳のマユユの妹は抱っこすると体を預けてきたり『抱っこされるぞ!』という体勢になったりしている感覚があるのですが、今思い返すと同じ頃のマユユは抱っこしにくい赤ちゃんでした。
対面だともぞもぞと落ち着かないので、前向きにして後ろから包み込むように抱っこするとうれしそうにしていました。
現在1歳のマユユの妹は抱っこすると体を預けてきたり『抱っこされるぞ!』という体勢になったりしている感覚があるのですが、今思い返すと同じ頃のマユユは抱っこしにくい赤ちゃんでした。
対面だともぞもぞと落ち着かないので、前向きにして後ろから包み込むように抱っこするとうれしそうにしていました。
4歳の現在も、触れ合ってのコミュニケーションはあまり好みません。
よく泣く
抱っこ紐でも、ベビーカーでも、チャイルドシートでも、とにかくよく泣いていました。あれこれ試しても理由が分からず、抱っこしたりあやしたりしても泣き止まないのでだんだんとお出かけが怖くなっていきました。
泣くのにはいろいろな理由があったと思うのですが、お出かけに関しては
・抱っこが苦手なこと
・ベルトなどの締め付けが苦手なこと
など、移動するときに使うツールが苦手だったり、そもそも抱っこされるのが苦手だから嫌がっていたのかもしれません。
泣くのにはいろいろな理由があったと思うのですが、お出かけに関しては
・抱っこが苦手なこと
・ベルトなどの締め付けが苦手なこと
など、移動するときに使うツールが苦手だったり、そもそも抱っこされるのが苦手だから嫌がっていたのかもしれません。
マユユが”しなかった”こと
まずマユユには、人見知りする様子が全くありませんでした。これは現在も同じです。発達相談や検査でも社会性の低さやそもそもの人への意識の低さがあると言われているので、「人見知りをしない」というより「他者を意識していない」というほうがしっくりきます。
ただ最近は少しずつですが意識が見られるようになり、以前までびっくりするほどスルーしていた挨拶を返すことが増えました。これは療育に通ってからの経験や習慣を通して本人が成長してくれたのだと思います。
ただ最近は少しずつですが意識が見られるようになり、以前までびっくりするほどスルーしていた挨拶を返すことが増えました。これは療育に通ってからの経験や習慣を通して本人が成長してくれたのだと思います。
もうひとつ、0歳の後半でみられるという共同注意や指さしも長いこと出現しませんでした。たとえば大人が『お花だね』みたいなことを言ってお花を指さしてもチラリとも見ないし、逆に見てほしいというように指さしをすることもありませんでした。
相談できなかった
母子手帳の『相談できる人はいますか?』の欄はいつも『どちらともいえない』でした。
赤ちゃんは手がかかるものだと思い込んでいたので、誰かに相談したり、ましてや発達について受診するような考えには至りませんでした。「赤ちゃんが寝てくれなくて」なんて相談をしても「赤ちゃんだしね」と呆れられるんじゃないかという気持ちもあり……睡眠不足で疲弊しながら『きっともう少しで楽になる!』となんとか自分を励ましました。
その頃は検索魔になり、「いつ楽になるか」「いつ眠れるようになるか」「赤ちゃん 眠れる方法」というようなことばかり調べていました。
赤ちゃんは手がかかるものだと思い込んでいたので、誰かに相談したり、ましてや発達について受診するような考えには至りませんでした。「赤ちゃんが寝てくれなくて」なんて相談をしても「赤ちゃんだしね」と呆れられるんじゃないかという気持ちもあり……睡眠不足で疲弊しながら『きっともう少しで楽になる!』となんとか自分を励ましました。
その頃は検索魔になり、「いつ楽になるか」「いつ眠れるようになるか」「赤ちゃん 眠れる方法」というようなことばかり調べていました。
さいごに
実はマユユの産後すぐに夫の転勤が決まり、赤ちゃんを連れて見知らぬ土地に引っ越しました。子育て支援センターや保健センターに窓口があるのは分かっていましたが、知らない土地で知らない人にボロボロの姿で相談に行くことは、寝不足の当時の私にはさらに億劫に思えました。
だけど、いろいろな人に赤ちゃんの様子を見せられていたら、なにか助言をもらえていたかもしれない。気が楽になったかもしれない。きっと相談窓口の方は、親(私)の外見なんか気にしなかっただろうし、もう少し何かに頼ればよかったなあと思います。
マユユも今では夜はしっかり眠り、偏食はありますが食べられるものも増えました。親の私もまたマユユの特性を知り、対応を学んできました。私たちはこれからも一緒に成長するのだと思っています。
執筆/サチコ
だけど、いろいろな人に赤ちゃんの様子を見せられていたら、なにか助言をもらえていたかもしれない。気が楽になったかもしれない。きっと相談窓口の方は、親(私)の外見なんか気にしなかっただろうし、もう少し何かに頼ればよかったなあと思います。
マユユも今では夜はしっかり眠り、偏食はありますが食べられるものも増えました。親の私もまたマユユの特性を知り、対応を学んできました。私たちはこれからも一緒に成長するのだと思っています。
執筆/サチコ
(監修:森先生より)
慣れない場所での育児、とっても頑張られましたね。サチコさんのように、大変な思いをしながらも自分を奮い立たせて頑張ってしまう方は、助けを求めることが難しい場合があります。
「もっと誰かに頼りましょう」と簡単に言っても、「頼るだけの気力がない」というケースも非常に多いのです。助けを求めても「甘えているんじゃないの?」と言われるのではないかと不安になってしまったり、相手に迷惑をかけるのではないかと考えすぎてしまったり、完璧主義だったりと原因はさまざまですが、ひとつに「アタッチメント」の形成がうまくいっていないというケースもあります。
「アタッチメント」とは、困った時にほかの人にくっついて安心感を得たいと思う欲求のことです。怖い時にお母さんにしがみつく子どもの気持ち、と考えると分かりやすいですね。不安な時に助けを求める→安心するという経験を積むと、「アタッチメント」は形成されていきます。逆に、頼っても怒られたり無視されたりしてうまく行かなかった経験を積み重ねると、人に頼るのを躊躇するようになってしまう可能性があります。経験の積み重ねは、小さい子どもだけでなく大人にとっても重要なのです。
「アタッチメント」がうまく形成されていないと、人を頼るのに精神的なエネルギーを多く使うようになる可能性があります。「頼るのが苦手だな」と思う場合は、本格的に困って身動きが取れなくなる前に、ちょっとした違和感を持った段階であらかじめ相談しておくといいですね。
慣れない場所での育児、とっても頑張られましたね。サチコさんのように、大変な思いをしながらも自分を奮い立たせて頑張ってしまう方は、助けを求めることが難しい場合があります。
「もっと誰かに頼りましょう」と簡単に言っても、「頼るだけの気力がない」というケースも非常に多いのです。助けを求めても「甘えているんじゃないの?」と言われるのではないかと不安になってしまったり、相手に迷惑をかけるのではないかと考えすぎてしまったり、完璧主義だったりと原因はさまざまですが、ひとつに「アタッチメント」の形成がうまくいっていないというケースもあります。
「アタッチメント」とは、困った時にほかの人にくっついて安心感を得たいと思う欲求のことです。怖い時にお母さんにしがみつく子どもの気持ち、と考えると分かりやすいですね。不安な時に助けを求める→安心するという経験を積むと、「アタッチメント」は形成されていきます。逆に、頼っても怒られたり無視されたりしてうまく行かなかった経験を積み重ねると、人に頼るのを躊躇するようになってしまう可能性があります。経験の積み重ねは、小さい子どもだけでなく大人にとっても重要なのです。
「アタッチメント」がうまく形成されていないと、人を頼るのに精神的なエネルギーを多く使うようになる可能性があります。「頼るのが苦手だな」と思う場合は、本格的に困って身動きが取れなくなる前に、ちょっとした違和感を持った段階であらかじめ相談しておくといいですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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