宿題バトルに親子でイライラ…専門家の助言で気づけたわが子の苦手と対応

ライター:発達ナビPLUS
宿題バトルに親子でイライラ…専門家の助言で気づけたわが子の苦手と対応のタイトル画像

毎日の宿題や難易度が増す授業など、学習の困りごとを抱えるご家庭も多いのではないでしょうか。
今回お話を伺った発達ナビPLUS会員の保護者(Aさん)も、その一人。小学3年生のお子さんは勉強するように声をかけても動画に夢中でなかなか宿題が進まず、最終的にAさんが怒ってしまうという悪循環で悩んでいたそうです。しかし、あることをきっかけにお家での学習がスムーズに進むようになったとか。
保護者(Aさん)とお子さんの悩みが軽減したきっかけと家庭学習のサポートのヒントを、ストーリー仕立てでご紹介します。

どう対応したらいいか分からない……発達障害のある子の「学習の難しさ」

お子さんの学習について、困りごとを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。
「宿題よりゲームに夢中で、取り掛かりに時間がかかる」「読み書きが苦手で学習を嫌がる」など、さまざまなお悩みがあるかと思います。

学習の難しさの背景には、
・書くことや読むことが、周囲の想像以上に大変
・正解へのこだわりから間違いを許容できない
・失敗体験が多く自信をなくしている
など、お子さんによってさまざまで、この理由に沿ったサポートがとても大切になります。

しかし、「なぜ学習を難しいと感じているのか」の理由を探ることは専門的な部分もあり、何より宿題は毎日のことですので、日々目の前の対応に追われ、なかなか丁寧にお子さんを観察する、といったことも難易度の高いことかもしれません。

今回、学習の悩みが軽減したとお話ししてくださった発達ナビPLUS会員の保護者(Aさん)も、当時は大変悩んでいました。

そんなAさんの、お子さんの学習サポートについて、どのようなサポートをしたのか、ご紹介します。

毎日の「宿題バトル」に親子で疲弊……。子どもに合う学習方法が分からず途方にくれた日々

●Aさん(仮名)

<お子さん>
・小学3年生
・ADHD(注意欠如多動症)
・放課後等デイサービス利用

<お悩み>
・宿題に取り組めない
・算数の文章題が特に苦手

何度言ってもやらない。終わらない宿題に親子でイライラしていた日々

わが子は小学3年生になってから、宿題が終わらず、夜遅くなってもプリントが真っ白という場面が目立つようになりました。

早く取り掛かるよう言っても、ダラダラと動画を見つづけ、やり始めるのは寝る前ギリギリ。
なかでも算数の文章問題が苦手で、式を作る時点でつまずき、筆算でもミスすることもしばしば……。
✕だらけで返ってくる宿題に子どもが「もうやだ!」と泣いてプリントをグチャグチャにしてしまう、それをまた私が怒る……ということをほぼ毎日繰り返していました。
宿題より動画!で勉強は全然集中できない
宿題より動画!で勉強は全然集中できない
Upload By 発達ナビPLUS
私がじっくり勉強に付き合ってあげられたらいいのですが、フルタイムで働いているうえ、下の子(年長)もいるので難しい状況でした。
放課後等デイサービスにも通ってはいるものの、運動療育メインで勉強の相談にのってもらえるのか微妙で……というより、そもそも私自身気持ちにゆとりが持てず、仕事で体力的にも余力がなかったので、相談しに行く気にはなれませんでした。

家事の合間に見ていた「発達ナビPLUS」の解説動画。講師の先生の一言で、わが子の「書く大変さ」に気づけた

そんな時に、発達支援の専門家の解説動画や解説記事が読めて、相談フォームから個別相談もできるオンラインサービスの「発達ナビPLUS」の存在を知りました。
子どもの学習について家庭でできることを知りたいと思っていたので、すぐ利用を始めました。

家事のちょっとした合間で、解説動画をながら視聴していた時に、「内容を理解する以前に、読み書きの行動自体にすごく負担がかかっているんですよね」という先生の一言が耳に入ってきました。

「そう言われてみれば、うちの子もそうかも。問題を解く以前に書くことを嫌がってるよな、字もなかなかうまく書けないし……」と感じました。

「そもそも『書く』ことへの拒否感が強く、不器用さもあるかも」と、いろいろと腑に落ち、問題の難易度というより、「書字」が苦手なのかもしれないと初めて気づきました。
発達ナビPLUS動画キャプチャ
発達ナビPLUS動画キャプチャ
Upload By 発達ナビPLUS

わが家に合った学び方が分かったことで、穏やかに過ごせるように

解説動画を視聴して数日後、子どもに合った学習のサポート方法を詳しく知りたいと思い、専用フォームからテキストで相談できる「専門家への相談」で直接専門家の先生に相談してみました。

悩みを書いているうち、つい勉強とは関係ない私の気持ちまで吐き出してしまい、正直にいろいろ書き過ぎたかもしれないと送ってから落ち込んだりもしました。

ですが、届いた回答には学習のアドバイスだけでなく私の思いに寄り添う言葉がつづられていて、すごくホッとしました。
正直に言うと、毎日嫌だ、できない、と泣いてばかりいる子どもに「私のほうが泣きたい」「いつもイライラさせられてる」と思うことも多くて……でもそんなことを放課後等デイサービスの先生や学校の先生に言えるわけがなく。
顔を合わせる相手には言いにくい気持ちを、発達ナビPLUSの専門家相談で受け止めてもらえたことで、救われたように感じました。
私の気持ちにも寄り添ってもらえてとても嬉しかったです
私の気持ちにも寄り添ってもらえてとても嬉しかったです
Upload By 発達ナビPLUS
勉強については、

・書字が苦手な子への身体機能的なアプローチの具体的な手立て
・書きをサポートするアイテム
・わが子が特に苦手な算数の割り算を、特性に合わせてつまずきどころから学び直すステップ(割り算を実感として学ぶ方法も)

などが具体的に書かれていました。
日常生活のなかで楽しく学ぶアイディアがあることを教えてもらえ、少しだけ肩の荷が下りたような気分になりました。

回答にあったように、晩ごはんの取り分けをしながら「割り算ってこういうことだよ」など説明すると、大好きな食べ物が絡む話だからなのか、まじめに聞いてくれました。

最近は、「からあげが7個あって、おかあさんとぼくと弟でわけるからー……」と自ら計算しようとする場面も出てきています。

子どもとの関わり方のヒントを得られたことで、親子共々、穏やかに過ごせる時間が増えて本当にありがたいです。
先のことも含めてまだまだ悩みは尽きませんが、これから少しずつ取り組んでいけたらなと思います。

すきま時間に解説動画を見られる!発達支援の専門家に相談もできる「発達ナビPLUS」

「発達ナビPLUS」は、ご家庭での子育ての「どう対応すればいいのかな?」「誰かに相談したい」といった悩みをオンラインでサポートするサービスです。
心理士や学校現場にも詳しい発達支援の専門家が、解説動画やテキスト相談で保護者の子育てのお悩みに寄り添います。

今、子育てに悩みごとがある方、わが子に合った子育てをしたいとお考えの方は、ぜひサイトを覗いてみてください。
「書くのが苦手」はディスグラフィア(書字表出不全)かも?症状、原因、困りごと、対処法まとめ【専門家監修】のタイトル画像

「書くのが苦手」はディスグラフィア(書字表出不全)かも?症状、原因、困りごと、対処法まとめ【専門家監修】

黒板の文字をノートに書き写すことが難しいのタイトル画像

見比べるときの距離で、上手にできたりできなかったり…そんなときに出来る工夫は?

学習障害・限局性学習症とは?読み・書き・計算に困難?チェックシートつきで紹介ーーマンガで学ぶLD・SLD【専門家監修】のタイトル画像

学習障害・限局性学習症とは?読み・書き・計算に困難?チェックシートつきで紹介ーーマンガで学ぶLD・SLD【専門家監修】

読み書きLD次男が音読好きに!?苦行だった宿題を変えた救世主とはのタイトル画像

読み書きLD次男が音読好きに!?苦行だった宿題を変えた救世主とは

LDっ子のデコボコ受験奮闘記「高校生にオレはなるっ!」 のタイトル画像

LDっ子のデコボコ受験奮闘記「高校生にオレはなるっ!」 

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

療育支援探しバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。