こだわり3 ルーティン

幼稚園から帰ってすぐに「こーえん(公園)」と言って駆け出していく息子。「お昼ごはん食べようよ!」と、幼稚園のリュックを持ちながら追いかける私。
息子はいつもと同じルーティンを崩されたくなくて……。付き合う私は疲労困憊。
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たーちゃんは、1日のルーティンが崩れることを嫌がります。幼稚園から帰ってからすぐ、公園に行くことがルーティンになっていた時期がありました。

「暑いから、涼しくなった夕方に遊ぼう」「午前保育だから、昼ごはんを自宅で食べてからにしよう」「ほかの用事があるから、今日は行けない」という大人の事情は通じません。公園に行けない時は、もれなく癇癪をなだめることがセットになるので、気が重かったです。そして、毎日休みなく公園で遊ぶことに、私はすっかり疲れていました。「幼稚園から帰った後は自宅でのんびりしている」というママ友が心底羨ましかったです。

こだわりにずっと付き合うのがつらい。いつこだわりはなくなるの?

たーちゃんが2歳の頃は、いつになったらこのこだわりはなくなるのだろう……と思いながら、育児をしていました。そんな不安や心配をよそに、3歳頃までこだわりは増え続け、ルールやルーティンも細かくなっていきました。

たーちゃんはこだわりをつくることで自分のことを守っていたのかもしれませんが、かえって窮屈な生活になっているように思えてなりませんでした。そして、こだわりと癇癪に付き合い続けていた私と夫は精神的に参ってしまいました。

「まぁいっか」。突然出てきたその言葉が、うれしい。

4歳になってすぐ、新しい服を着せようとした時のことです。ばぁばに買ってもらった服でした。

始めはいつものように嫌がって、下着姿で逃げ回っていたたーちゃん。それでも、「この服でばぁばに会いに行こうよ」「この服かっこいいよ」と言葉を投げかけました。しかし、やはりたーちゃんは着る気はないようで。「やっぱりだめか……」と、ヨレヨレの服を取り出そうと腰を上げたところでした。
「まぁいっか」と言って、いつもは嫌がる新しい服を着せてもらおうとする息子。新しい服を持って、泣きそうになる私。
「まぁいっか」そんな些細な言葉が、うれしくてたまらない。
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「まぁいっか」ふと近づいてきたたーちゃんがそう言って、「服を着せて」という風に頭を差し出してきたのです。
それはエコラリアのような、誰かの真似のようなイントネーションで、少しぎこちない「まぁいっか」でしたが、たーちゃんはまるで呪文のようにその言葉を言って、新しい服を受けいれてくれたのです。そして服を着せると、泣きもせず、けろりとした顔をしていました。

驚きとともにじわじわとうれしさが広がっていき、何度も「着てくれてありがとう」「その服、かっこいいね」「まぁいっか、って良い言葉だね」とたーちゃんに伝えました。

たーちゃんが癇癪という形ではなく、「よく考えたらそれでもいいか」「自分が折れてもいいか」と自分で気持ちの整理をしてくれたことが、うれしくてたまりませんでした。
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