COSMINに準拠したLITALICO発達特性検査の開発とは?信頼性や妥当性のある尺度開発のガイドラインについて解説します
ライター:LITALICO発達特性検査 編集部
LITALICO発達特性検査は、信頼性と妥当性を担保するために、尺度開発の国際基準であるCOSMINチェックリストに準拠して開発されました。この記事では、COSMINとは何か、準拠することでどのように品質が上がるのかなど、LITALICO発達特性検査の開発とCOSMINについて分かりやすくご紹介します。
監修: 佐藤秀樹
福島県立医科大学 医学部災害こころの医学講座 助教
ふくしま国際医療科学センター 放射線医学県民健康管理センター 助教
「COSMIN Risk of Bias Checklist」の日本語翻訳や、COSMINの解説論文の執筆を行う。認知行動療法やうつ病の認知行動メカニズムに関わる心理学的研究を専門にし、東日本大震災後のメンタルケアなどの活動の取り組みも行う。
ふくしま国際医療科学センター 放射線医学県民健康管理センター 助教
「COSMIN」は品質担保のための尺度開発の国際的なガイドライン
COSMINは、健康に関連する尺度※などに関する国際的な開発の指針です。COnsensus‐based Standards for the selection of health Measurement INstrumentsの略称で、直訳すると「健康関連尺度の選択に関する合意に基づく指針」を意味し、国際的な専門家のチームによって尺度の開発や評価をする際の指針やガイドラインなどが作成されています。
LITALICO発達特性検査は、今回の検査の開発に際して、COSMINが選定した指針やガイドライン上の基準を満たすようにつくられています。
この記事では、COSMINとは何か、その目的のほか、実際にどのようにして信頼性や妥当性を担保するのか、またLITALICO発達特性検査でなぜCOSMINを採択し、どのように開発で使用したのかなど、取り組みについてもご紹介します。
LITALICO発達特性検査は、今回の検査の開発に際して、COSMINが選定した指針やガイドライン上の基準を満たすようにつくられています。
この記事では、COSMINとは何か、その目的のほか、実際にどのようにして信頼性や妥当性を担保するのか、またLITALICO発達特性検査でなぜCOSMINを採択し、どのように開発で使用したのかなど、取り組みについてもご紹介します。
※ここでいう「尺度」とは、対象となる方(受検者)が自ら質問文を読んでそれに回答をする形式のツールのことで、LITALICO発達特性検査も尺度を用いたサービスです。分野によっては、質問紙、心理尺度、患者報告式アウトカム尺度などと呼ばれることもありますが、この記事では総じて尺度と呼ぶことにします。
「LITALICO発達特性検査」は保護者回答による尺度形式
LITALICO発達特性検査は、お子さまの様子や困りごとなどについて、保護者の視点から質問に回答する尺度という形式を用いた検査で、尺度開発の国際基準であるCOSMINチェックリストに準拠した開発が行われました。
尺度を使った評価のほかにも、医師や臨床心理士などが、面接や行動観察などを行う他者評価形式のものもあります。しかし、他者評価形式の検査の場合、有資格者でないと実施できない検査がある、検査を受けることができる施設が限られる、検査を受ける経済的負担が大きい、結果が出るまで時間がかかるなどの課題も少なくありません。
LITALICO発達特性検査では、そうした課題に対して、どこからでも比較的短時間で気軽に受けられる検査を目指して開発されました。そのため、保護者回答による尺度形式を採用しています。ただし、尺度と他者評価形式のそれぞれにメリットやデメリットがあるため、どちらが優れているかという話ではないことに注意が必要です。
※LITALICO発達特性検査 について詳しく知りたい方は、以下をお読みください。
尺度を使った評価のほかにも、医師や臨床心理士などが、面接や行動観察などを行う他者評価形式のものもあります。しかし、他者評価形式の検査の場合、有資格者でないと実施できない検査がある、検査を受けることができる施設が限られる、検査を受ける経済的負担が大きい、結果が出るまで時間がかかるなどの課題も少なくありません。
LITALICO発達特性検査では、そうした課題に対して、どこからでも比較的短時間で気軽に受けられる検査を目指して開発されました。そのため、保護者回答による尺度形式を採用しています。ただし、尺度と他者評価形式のそれぞれにメリットやデメリットがあるため、どちらが優れているかという話ではないことに注意が必要です。
※LITALICO発達特性検査 について詳しく知りたい方は、以下をお読みください。
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なぜ尺度開発に品質担保が必要なの?
心理検査や発達検査などの検査を受けるとき、その検査が信頼できるものであるのか、適正な結果が得られるかどうかは受検者にとって大きな関心事ではないでしょうか。
そのため、検査の開発者は、検査内容や結果の出し方について、適正な工程で開発し、検証をすることが求められます。特に尺度を開発する際には、のちに紹介する信頼性や妥当性といったさまざまな心理測定学的特性の基準を満たしているのかを検証する必要があります。
尺度というのは、受検者や検査の対象となる人(お子さまやご家族など)の気持ちや体験などのこころの状態を数量的に測定するための「物差し」のことです。この「物差し」をつくるために、どのような質問をするか、またその回答データをどのように検査結果として評価するかを研究し、開発を行っています。
検査の品質において、その物差しが信頼できるかどうか、妥当なものであるかをどう担保するかが、とても重要です。質問項目でどのようなことをどのように聞くか、その結果を数量的に測定し、結果を判断するのかによって、その品質が大きく変わると考えられるからです。
そのため、検査の開発者は、検査内容や結果の出し方について、適正な工程で開発し、検証をすることが求められます。特に尺度を開発する際には、のちに紹介する信頼性や妥当性といったさまざまな心理測定学的特性の基準を満たしているのかを検証する必要があります。
尺度というのは、受検者や検査の対象となる人(お子さまやご家族など)の気持ちや体験などのこころの状態を数量的に測定するための「物差し」のことです。この「物差し」をつくるために、どのような質問をするか、またその回答データをどのように検査結果として評価するかを研究し、開発を行っています。
検査の品質において、その物差しが信頼できるかどうか、妥当なものであるかをどう担保するかが、とても重要です。質問項目でどのようなことをどのように聞くか、その結果を数量的に測定し、結果を判断するのかによって、その品質が大きく変わると考えられるからです。