離乳食、幼児食を食べてくれない…超偏食の3歳自閉症娘、ある日「突然食べるようになった瞬間」

ライター:サチコ
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わが家は私・長女・次女・夫の4人家族で、長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的発達症/知的障害)。

マユユには偏食があり、大人に近いものを食べ始めた2歳頃〜5歳現在まで、基本的には食べなれた味付けや決まった食材を繰り返し食べて過ごしています。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

マユユの食べられるものと悩み

わが家は私・長女・次女・夫の4人家族で、長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的発達症/知的障害)。

離乳食はけっきょくあまり食べられないまま終わり、次にはじまったマユユの幼児食。しばらくは目新しいものも口に運んでいましたが、次第に”見慣れないものは口に入れない”ようになっていきました。
こだわりや警戒心が強いタイプなので、そこからはなかなか食べられるものは増えず……悩みは増えていきました。
会話が成立しないので食べたいものが分からない。警戒心やこだわりが強く食べられるものが増えにくい。お口の過敏さもある様子。などがわが家の主な悩みです。
会話が成立しないので食べたいものが分からない。警戒心やこだわりが強く食べられるものが増えにくい。お口の過敏さもある様子。などがわが家の主な悩みです。
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現在まで安定して食べてきたものは、白ご飯・肉や魚を焼いたもの・果物複数・トマト・スープ2種類など。どろっとした歯応えのないものは総じて苦手な様子なのと、食べ慣れたメニューを繰り返し食べたがります。
麺類や粉物などほかにも食べられるものがあるのですが、好んで食べる時期もあれば、まったく食べない時期もあり……こだわりの強さによる波なのかな?と思っています。

私自身も今は、苦手なものを克服させたい!という気持ちはあまりなく、その時に食べられるものから栄養がある程度取れればというスタンスではあります。しかし、肝心の「その日食べてくれるもの」が分からないのも大きな悩みです。

食べられるものが増えた瞬間

そんな食べられるものが増えにくいマユユですが、これまでに何度か「突然食べるようになった瞬間」がありました。
3歳頃のこと。食事について悩んでいたので衝撃でした。
3歳頃のこと。食事について悩んでいたので衝撃でした。
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3歳の頃マユユは、あるアニメを気に入って観るようになったのですが、その中で生野菜を美味しそうに食べるシーンがありました。そしてある日、私がキッチンで野菜を切ろうとしているとそれをちょうだいとマユユが要求してきたのです。(まさかね)と思いながらも少し期待して野菜を渡すと、マユユはパクリと食べてしまいました。
初めは「キャラクターの真似をしたい」といった雰囲気でしたが、次第に「食べられるもの」の一つになりました。
さらに同じような経緯で、ある日今まで食べなかったハンバーガーにかぶりつき完食。具材とパンが一緒になっているようなものを食べられないと思っていたので驚きました(サンドイッチやホットドッグは、パンだけちぎる、具材だけ食べる感じでまだかぶりつけません)。
それからは、ハンバーガーを食べられるようになりました。


ハンバーガーについては食べ物の歌でとても気に入っているものがあり、それでとても強い興味を抱いている様子がありました。
絵本や映像などで興味を惹かれ変化が起きることは多く、歌が好きだったり、視覚優位と言われているマユユの気持ちを向ける点においては良い方法なのかなと感じています。
絵本や映像などで興味を惹かれ変化が起きることは多く、歌が好きだったり、視覚優位と言われているマユユの気持ちを向ける点においては良い方法なのかなと感じています。
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食事が進んでいなかった理由

これまで、料理を見た時や料理名を伝えた時はうれしそうなのになぜかあまり食べないな……ということが割とありました。「好きなはずなのにどうして食べないの?」とモヤモヤしながらも、試行錯誤しているうちに分かったことがありました。

それは、”手や口が汚れるのを嫌がる”という点でした。

マユユは同年齢の子に比べ食具を扱うのが苦手です。焦れてよく手が出てしまうのですが、手が汚れたままでは次にどうして良いか分からず、困ってフリーズしているようでした。
3〜4歳頃。食具をうまく使えないこと・手が汚れて嫌なこと。同時には難しいので、まずは「手が汚れたらティッシュなどで拭けば良い」ことをくりかえし伝えることにしました。
3〜4歳頃。食具をうまく使えないこと・手が汚れて嫌なこと。同時には難しいので、まずは「手が汚れたらティッシュなどで拭けば良い」ことをくりかえし伝えることにしました。
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しばらくすると、汚れたらすぐそばのティッシュをとり拭く→食べる→拭く→食べる……と自分で行うようになり、食べ進みが良くなりました。

以前は”食具を使えるのになぜ手で食べるのか?”など疑問に感じて、時には叱ってしまうこともありました。しかし今思えば、使えるように見えていてもスムーズに食事ができておらず、本人にとってはストレスだったのだと思います。
不器用さを理解してからは”叱っても解決しない”と思い直し、”フォークでぶす!ってしてみる?”のような声かけにして、叱らない、手だろうと食べていること自体をたくさん褒めることに意識を向けました。
そうしていると、不思議とマユユが頑張って食具を使ってみる様子や、”最後にもう一口”を頑張ってみたり、反発せずこちらの声かけに耳を傾けてくれることが増えました。

成長にともない、褒められてうれしいという感覚も出てきたのかなと思います。
次ページ「最近の様子について」

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