小2で授業中座っていられず、児童精神科を受診。「育て方のせいじゃなかった」発達障害の診断で母は…

ライター:あき
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わが家の息子・コチ丸は小3の時にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断されています。
母子家庭のわが家は、2人暮らしのマンションから、コチ丸が小1になるタイミングで私の実家に戻りました。
実家には私の母と祖父が暮らしており、4人家族になりました。
入学した小学校は歩いて約1キロ!1学年15人程度で、全学年でも100人ほどの山の中にある小さな学校でした。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

気になる様子は特になかった小1の頃。けれど小2の2者面談で……

入学してから1年、コチ丸は特にこれといった問題もなく小学校に通っていました。唯一、気になっていたのは通学の班が2人だけで、班長の女の子はよくお母さんに車で送ってもらっていることでした。小1のコチ丸を1人で学校に行かせるわけにはいかないので、必然的に私が送ることになります。週に1・2回はそんなことがあり、通勤前にちょっと大変だな……と思っていました。後々、その送り癖がコチ丸の自由登校を促すきっかけの1つにもなるのですが……。

それ以外は友達の家に遊びに行ったり、友達が遊びにきたり、楽しい小学生ライフを過ごしているようで私も安心していました。また児童クラブにも通っていて、基本的には放課後はそこで過ごしていたので特に悪事を働くこともなく(笑)私も安心して仕事を続けておりました。

小2の夏頃のことです。担任の先生と2者面談があった際に「コチ丸くんが座って授業を受けられないときがあります」という話をされました。幸いなことに、その担任の先生は特別支援学校で働いていた経験があり、とても熱心で、コチ丸の様子をしっかりみてくれていました。

座れないときや落ち着けないときがあると、段ボールで机の下を暗くして、そこにコチ丸の落ち着けるクールダウンスペースをつくるなどして、対応をしてくれていました。

当時はそのような対応をしてくれていた先生に感謝と同時に、「私とコチ丸はこれからどうしたらいいのか?」という不安は日に日に募りました。
小2の2者面談で初めて知った学校での困り
小2の2者面談で初めて知った学校での困り
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担任の先生の勧めで児童精神科を受診することに

担任の先生から、児童精神科の受診を勧められたのをきっかけに、私はコチ丸に合った病院を探し始めました。

コチ丸にどんな診断が出されるのか、どんな治療をしていくのかなど全く分かりませんでしたが、私自身が若いときに鬱で精神科にかかっていたこともあり、「できるだけ薬は飲ませたくない」「カウンセリングや普段の行動から変われる方法を見つけたい」という、治療方法もまだ分からない中でも自分なりの希望がありました。

しかし、児童精神科は初診まで数ヶ月待ちというところが多く、さらに自分が納得のいく病院を見つけるのにも時間がかかりました。

初めてかかったのは隣町にある小児科の傍らで児童精神科を行っている病院でした。そこでコチ丸の幼少期についての聞き取りや、診察室で先生と会話する様子の観察などをしていただき、ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。

診断を受けた後に起きた心境の変化

当時の記憶で一番残っているのは、診断書を書いていただいた時に「あぁ、やっぱり発達障害だったんだな」というこれまでのコチ丸の様子が腑に落ちた思いと同時に、これでコチ丸も私も悪くないんだという許されたような気持ちを持ったことです。

というのも、学校では担任の先生の配慮もあり、順調に過ごしているように見えたコチ丸ですが、家での様子は全く違っていたのです。
宿題はやらない、片付けはできない、相変わらず気になるものがあるとすぐに手を出してしまう、外出すると姿を見失う……など、保育園の頃から変わっていない……というより、さらにパワーアップしていました。大きな声で怒鳴ったり、じっとしていられないコチ丸を宥めたりするのに疲れていた私でしたが、「自分の育て方のせいでは?」と日頃からずっと心のどこかで思い続けていました。不謹慎かもしれないですが、それらを「発達障害のせい」にできたことで、心は随分と楽になりました。

また、自分自身やコチ丸に対しても、徐々に「まぁいいか」という気持ちが持てるようにもなってきました。コチ丸に、毎日寝る前には必ずするように言っていた部屋の片付けも、週1回すれば良いことにしました(自分も仕事していると週1回の掃除しかできないから)。スーパーでコチ丸が自分の好きなところに走って行ってしまっても、あえて追いかけ回すことはせず、戻ってくるまで私も好きなところを見るようにしました(もし迷子になったらどうしたらいいか、自分で考える経験も必要だと思ったので……)。

特性で仕方ない部分もあるのだから、コチ丸の発達にあったレベルでできることをすれば良いやと思い、過度に焦らず、余裕をもって接することができるようになりました。
診断を受けてからは、過度に焦らず、余裕をもって接することができるように
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