障害のあるわが子のために何でもやりたい!「早期療育」に前のめりだった私が役所から言われた意外な言葉は…

ライター:星きのこ
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皆さまこんにちは。漫画家の星きのこです。
さてさて暑~~い残暑が長引いている中、早くも2学期がスタートしましたね!
わが家の小学校3年生になるダウン症のあるきいちゃんも、久しぶりの登校に少し戸惑いながらまた元気に小学校に通い始めました!
2学期以降も元気に楽しく学校に通ってくれたらなあと思っています。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

子どもに障害があると分かった私に、希望を持たせたのは「療育」というワードだった

さて、きいちゃんは現在8歳ですが、10月で9歳になります。わが子ながら、は、早いぃ~~~!!!
今では「あっかんべー!」や「う〇こ」「オナラ」といったワードを1日中これでもかと連発するまでに成長しております……汗。
「ベロベロベー」などの言葉に感じる成長……
「ベロベロベー」などの言葉に感じる成長……
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しかし、きいちゃんが生まれた頃、今のきいちゃんの姿を1ミリも想像できなかったなあとしみじみと思い出します。生後1週間後に「ダウン症です」と告知されてから、毎晩毎晩スマートフォンを片手にダウン症に関する情報を検索する日々……。ダウン症の子どもは個人差があれど、知的にも身体的にも発達が遅れるという事実にうちのめされました。私だけではなく、そういった親御さんたちはきっと少なくなかったのではないかと思います。

そうした中、唯一私に希望を持たせたのは「療育」というワードでした。きっと障害のあるお子さんをお持ちの親御さんたちは絶対に聞いたことあるワードですよね。医師からも、インターネットの情報からも
「障害のある子に療育をしてあげると、発達を促します。早期療育をするかどうかで、その後の発達具合に影響がある――……」

「療育、これだ―――……!!!」
まだ障害そのものを受け入れきれていない産後間もなくの私にとって、その「療育」という言葉は魔法の言葉のようにも、気持ちの支えにもなりました。「療育をすれば、きいちゃんの発達を促すことができるんだ――……!」と。
「療育、これだ―――……!!!」
「療育、これだ―――……!!!」
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してあげられることはなんでもしてあげたい!療育先探しに奔走!

そこからは、療育先探しに奔走です。とにかく、きいちゃんにしてあげられることはなんでもしてあげたかったのです。まずは色んな本を買ったり、図書館で借りまくったりしました。例えば家でできる体操の本などです。
参照:ダウン症児の赤ちゃん体操―親子で楽しむふれあいケア
https://www.amazon.co.jp/dp/4895734129
しかし、家で自分だけでやるだけなんてまだ足りない‼専門家の療育を受けたい!と思った私は、入会していた親の会の先輩方に療育手帳の取り方や、行政への申し込みの仕方などを教わり、市役所に突撃しました。こういう時、頼りになるのはやっぱり親の会や、同じ障害のある子どもの先輩ママたちです。
ありがたや~~~‼

そして市役所に突撃したその結果は―――……なんと……!

「療育?まだ早いですよ」

という一言でした。

市役所からの意外な一言!なんで?早期療育が大事では⁉

「で、でも、早期療育が大事だって聞いてます……」と私が言うと、「お座りができてからじゃないと療育先は紹介できませんね。お座りができるようになってからまた来てください」と冷たく言われ、その場を去って行かれました。
早期療育をと思っていたのに、冷たく言われ……
早期療育をと思っていたのに、冷たく言われ……
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ちょ、ちょっと待って、ダウン症の子は通常の発達の子の2倍、発達に時間がかかり、首の座りが平均半年、お座りも1年以上かかると言われてる――……。その間、ずっと療育できないの⁉もしずっとお座りができなかったらどうするの⁉⁉そして歩けなかったら……⁉⁉と私の気持ちは不安がいっぱいに……。

そしてその後どうなったかは、また改めて書かせていただきますね。
療育はお座りができてからと言われ、不安でいっぱいに
療育はお座りができてからと言われ、不安でいっぱいに
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執筆/星きのこ

(監修:鈴木先生より)
自治体の窓口ではお座りができるようになってからといわれたとのことですが、私の考えでは、療育や診察も含め、発達に遅れがみられるお子さんには早期介入が必要です。お座りができなかったら、できるようにするため病院でのりハビリテーション(リハビリ)を勧めるべきなのです。アメリカではダウン症のお子さん専用のリハビリプログラムがすでにあります。療育とは何かと問われて答えられる小児科医は少ないと思います。私は「心と科学」といつも答えています。最新の知識を持った科学的な考えと障がいをもったお子さんやご家族に対して誠意のある心をもって接することだと考えています。真の療育をやっていて誠意があれば、仮にそこで療育ができなくても療育の代わりに何ができるかを助言できるはずです。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030178

このコラムを書いた人の著書

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星きのこ(著)
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
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