早期療育について、専門家にききました

ライター:専門家インタビュー
早期療育について、専門家にききましたのタイトル画像

「発達が気になる子には早めに療育をしたほうがいいと言われたけれど?」「どこにいけば支援を受けられるの?」──そんなことを知りたいとき、専門の先生の解説があると心強いですね。ここでは「早期療育」について、鳥取大学教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生が分かりやすく教えてくれます。(取材/LITALICO発達ナビ編集部)

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

Q.「早期療育」とはなにをすることですか?

A.発達障害がある子どもに対して早期からその子に必要な支援を開始することです。
早期から支援をおこなうことで、発達を促進し適応状態を改善することで、不登校、抑うつなど二次的な問題を予防することができると言われています。
井上先生の吹き出し
井上先生
Upload By 専門家インタビュー
発達障害は脳の機能障害と考えられていますが、その原因は詳しくは分かっていません。
障害特性自体を治療することは難しいものの、その子にあった環境を整え、必要なスキルを早期に獲得することで、社会生活における困難さが起こりにくくなります。

早期療育には、自閉症スペクトラムに関しては、ABAと言われる応用行動分析の手法を用いたもののほか、自然な文脈の中でコミュニケーションスキルを発展させるDSP、当事者とその家族を対象とした障害支援プログラムである包括的介入とも言われるTEACCHなどさまざまな手法がありますが、子どもに関わる際に共通のポイントがあります。

・スモールステップでスキルを学習すること
・見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること
・日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること
・保護者も共に関わること


早期療育には家族参加が欠かせません。保護者がどのように関わればいいのかは、子どもの療育を担う発達支援施設の専門家や、療育施設などで行われるペアレントトレーニングなどで学ぶことができます。
生まれた妹も自閉症?1歳で療育センターに連れて行くとのタイトル画像

生まれた妹も自閉症?1歳で療育センターに連れて行くと

発語も学校の準備も!発達障害の娘をサポートしたいーー母の手作り療育グッズのタイトル画像

発語も学校の準備も!発達障害の娘をサポートしたいーー母の手作り療育グッズ

発達障害のある子どもへの療育の内容と効果、療育を受けられる施設を解説【専門家監修】のタイトル画像

発達障害のある子どもへの療育の内容と効果、療育を受けられる施設を解説【専門家監修】

子どもの癇癪(かんしゃく)とは?癇癪の原因や発達障害との関連は?癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめ【専門家監修】のタイトル画像

子どもの癇癪(かんしゃく)とは?癇癪の原因や発達障害との関連は?癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめ【専門家監修】


追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。