発達障害のある子どもへの療育の内容と効果、療育を受けられる施設を解説【専門家監修】
療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助することをいいます。このコラムでは特に発達障害の療育について、実際に療育はどのように行われるのか、受けられる場所や方法、療育のくわしい内容についてご紹介します。また、「療育に効果があるのか?」「早期療育という言葉をよく聞くけど、早く始めたほうがいいのか?」などの気になる疑問にお答えします。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
療育とは
療育という言葉はもともと、東京大学名誉教授の高木憲次氏(1888-1963)が提唱した概念です。肢体不自由児の社会的な自立を目標に、医療と教育を並行してすすめることを指しました。
高木氏の後には高松鶴吉氏(1930-)が療育の対象をすべての障害のある子どもに広げて、育児支援の重要性を強調しました。
厚生労働省では「児童発達支援」という言葉として以下のように定義しています。
児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行 う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。
(児童発達支援ガイドライン|厚生労働省より引用)
定義や実践内容の移り変わりはあるものの、概ねの理解としては、療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みを指すと考えるとわかりやすいでしょう。
療育の対象となる児童は?
発達障害のある子どもの場合、公的な療育を受けるために療育手帳や精神障害者福祉手帳は必須の条件ではありません。障害者手帳を取得していない、もしくは取得のための認定基準を満たしていない場合でも、療育を受けることができる場合があります。
受給者証の交付を受けると、国と自治体から施設利用料の9割の給付を受け、自己負担1割で児童発達支援を受けることができます。
また、児童が属する世帯の市町村民税額により、負担上限月額が定められています。利用月の1割負担額と負担上限月額を比較し、安い方の金額が利用者負担となるため、場合によっては1割以下の金額になります。負担上限月額は、通所受給者証に記載されています。
発達障害のある子の療育ってどこで受けられるの?
障害児への支援として療育が受けられる施設について、以前は障害ごとに細かな分類がありましたが、現在は複数の障害がある場合にも対応できるように制度自体は一元化されています。しかしその内容は、身体障害のある子の場合は機能訓練をうけたり、知的障害(知的発達症)のある子の場合は認知面のトレーニングを中心にしたり、障害や一人ひとりの状況に応じてさまざまです。
療育を受けられる施設を児童福祉法にしたがって分類すると、通って療育を受ける「通所支援」型と、自宅で生活するのが難しい子どものための「入所支援」型の2つに分けられます。そこからさらに、福祉サービスとして行われる「福祉」型と医師による治療を併せて行う「医療」型に分かれます。
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発達障害の子どもの療育ってどんなことをするの?
子どもに必要な支援は一人ひとり違うので、一概に内容を説明することはできません。施設によって行っている指導やプログラムも様々ですが、発達障害のあるお子さんの場合、大きく分けて個別療育と集団療育の2つがあります。
個別療育
その子の障害特性に合わせて、例えば自閉症スペクトラムの場合であれば応用行動分析学(ABA)やTEACCH、絵カードを使ったPECSなどを活用した様々なプログラム、作業療法や言語療法などを行います。
集団療育
これらの療育には臨床心理士や、言語聴覚士、作業療法士や保育士といった専門家が関わることも多くあります。また、親子で一緒に参加するタイプの療育もあります。
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療育にはどんな効果があるの?
たとえば、プログラムの内容によりますが、その効果として食事、排せつ、身支度などが一人でできるようになったり、認知、言語、運動などの発達が促されて、受け答えや挨拶、表情や感情の理解をして他者とコミュニケーションが取れるようなったりと、さまざまな効果が期待できます。
実際の療育現場では、子ども一人ひとりの特性や発達段階に合わせて、個別に目標とプログラムが設定されます。
ですが、療育を始めてすぐに目に見えて効果が出ることは極めてまれです。特に、発達障害のある子どもの発達は、ゆっくりと進んでいくことが多いです。目立っている苦手な部分がすぐには改善されない場合もあります。
指導者や専門家と話し合い、適切な働きかけを続けることで子どもは着実に成長していきます。苦手な部分はそのままでも、得意なことでそれをカバーできるようになっていくこともあります。
また、療育を通して保護者が子どもとのかかわり方を学ぶことで、より豊かなコミュニケーションが可能となる場合もあります。
療育の体験談もありますので、こちらも参考にしてみてください。
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早期療育はどうして大切なの?
障害そのものによってではなく、ストレスなどから起こる問題を、一般的に二次障害と呼びます。このような二次障害を防ぐためには、早期から周囲が特性を理解し、対応することが必要となってきます。
また、幼いうちから療育に取り組み始めることができると、発達の促進だけでなく周囲の理解も得られ、子育ての方針や特性に合わせた関わり方や環境をつくることにも役立ちます。
参考:『発達障害の子どもとつき合う本―どう関わればいいかわからずに困っているおかあさんや先生方へ』(浅羽珠子/主婦の友社)
市町村は、発達障害児が早期の発達支援を受けることができるよう、発達障害児の保護者に対し、その相談に応じ、センター等を紹介し、又は助言を行い、その他適切な措置を講じるものとする。
(発達障害支援法 第六条より引用)
発達相談から、公的な療育を受けるまでの流れ
相談
発達検査
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療育施設選び
役所の福祉窓口で療育施設の紹介をうけることもできます。施設によっては見学や体験もできます。
また、発達ナビの「地域情報」のコーナーからは全国の児童発達支援や放課後等デイサービスの事業者を検索できます。
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受給者証申請・交付
支給の有無やサービス内容の決定のための調査や審査が済むと、受給者証の交付を受けることができます。
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施設利用開始
まとめ
子どもの成長を手助けし、自分でできることを増やせるよう、療育を活用していきましょう。
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