4歳自閉症息子との家族旅行。準備は完ぺき!のはずが「帰りたい」「食べたくない」トラブル多発!?

ライター:みかみかん
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わが家は4歳半のたーちゃんと夫と私の3人暮らしです。
たーちゃんは2歳半の時に、知的障害(知的発達症)のないASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
今回は、家族旅行でのトラブルの話です。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

夏休みは恒例の三世代旅行へ!子どもが喜びそうなプランを計画

息子、夫と私、そして私の両親の三世代が旅行を楽しみにして笑っている
息子、夫と私、そして私の両親の三世代で旅行!楽しくなりそう、なはずが……!?
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今年の夏休み。わが家はたーちゃんと夫と私、そして私の両親の三世代で旅行をしました。大好きなじぃじ、ばぁばと思い出をつくってほしくて、毎年1回はこのメンバーで安近短の旅行をしています。

今回は、近くにファミリー向けの遊園地のある、プール付きのホテルに2泊することにしました。遊園地やプールに喜ぶたーちゃんの姿を想像しつつ、私も旅行の計画を楽しく練っていました。

旅行1ヶ月前。不安感が強いたーちゃんの心づもりができるように、旅行の話をよく持ち出したり、泊まるホテルや遊びに行く遊園地の動画を見せました。その時のたーちゃんは「早く旅行にいきたい!」と言っており、場所見知りはしないだろうと私も夫も考えていたのです。
旅行先で遊ぶ予定の場所を動画で予習する私と息子。私は「この遊園地に行くよ」と言い、隣の息子は「早く行きたい!」と笑っている。
旅行先で行く予定の遊園地をあらかじめ動画で予習!息子の不安感も薄くなって、準備はバッチリ、のはずが……!
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準備は完ぺき!のはずが、旅行にトラブルはつきもので……

そして、旅行当日。自宅から車で1時間ほどの場所でまずは大好きなじぃじばぁばと合流し、レストランで食事をするはずが……。

なんと、じぃじばぁばと会って早々、たーちゃんは「おうちに帰りたい」とぐずり出してしまいました。たーちゃんの好きな食べ物もありましたが、「食べたくない、帰りたい」と言って聞かず。ほかのお客さんの迷惑にもなりかねないので、私と夫とたーちゃんの3人はお昼ごはんを食べず、早々にホテルへ向かいました。
目的地に着いて早々、「レストランで食べたくない」、「おうちに帰りたい」とぐずる息子。それを聞いて「え~~~!?」と驚く私。
目的地に着いて早々、「レストランで食べたくない」、「おうちに帰りたい」とぐずる息子。え~~~!?楽しいはずの旅行、どうなっちゃうの~~~!?
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まだチェックイン時間前のロビーでぐずぐずのたーちゃんと時間を潰しながら、「たーちゃんの無理のない旅行にしたいけど、楽しみにしていた予定が変更になってがっかり……」と私は心の中で大人げなく思っていました。初日には観光する予定もありましたが、たーちゃんの機嫌が直りそうにないので、チェックインしてからも3人でずっとホテルで過ごすことに。

ホテルの部屋はすぐに気に入ったたーちゃん。大好きなカードゲームをして、たーちゃんの気持ちが上向いてきたところで、私も気を取り直して、ホテル併設のプールへと誘ってみます。しかし、たーちゃんは「プール行かない!」の一点張り……。気持ちは上向いても、切り替えることは苦手なたーちゃん。カードゲームをやめることができずにいました。
せっかくの旅行なのに、ホテルの客室でカードゲームをし続ける息子と夫。私は水着の入ったビニールバッグと浮き輪を持って、ホテル併設のプールに誘う。しかし息子の返事は「プール行かない!」。がっかりしてしまう私と夫。
ホテルの客室でカードゲームをし続ける息子。せっかくの旅行!私は息子をホテル併設のプールに誘うものの、返事は「プール行かない!」。がっかり……。
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結局、じぃじとばぁばがホテルに来てからも、部屋でカードゲームばかりでした。

ホテルの広い食事会場での夕飯は、慣れない場所やたくさんの人に緊張しているのか、ほとんど食べてくれず、早く部屋に戻りたいとぐずります。そして、戻ってきた部屋でお菓子をポリポリ……。

「絶対喜ぶはず」と思った遊園地でも、まさかの入園拒否!?

2日目。予定していた遊園地では、看板に書いてあったキャラクターが怖かったらしく、入口で大泣き。「絶対入らない!」と、断固拒否でした。「たーちゃんの好きな乗り物や、かき氷もあるよ!」と説得しましたが、ホテルにトンボ返りすることに。

以前の私ならば、想像していた旅行にならずにイライラしてしまったかもしれません。しかし、たーちゃんの特性を理解したうえで、たーちゃんが楽しんでくれることをこの旅行では最優先にしていたので、気持ちを切り替えることができました。特性がなければ、「たーちゃんは入れるかな?遊んでくれるかな?泣かないかな?」という心配をすることはないのに……と思うことはありますが、予定通りにいかないこともあると分かっていました。

私の父と母には迷惑をかけましたが、スケジュール通りに旅行を完遂することが目的ではないと共通認識を持っていたので、突然の予定変更でも受け入れてもらえました。結局、たーちゃんは旅行のほとんどをホテルの部屋でカードゲームをして過ごしました。

2日目の午後。たーちゃんにつきっ切りでホテルに籠っていた私たち夫婦を見かねてか、「たーちゃんを預けて2人で出かけてきたらどうか」と父と母が提案してくれました。どうせならば、と子連れでは行けないような場所へ、数時間出かけさせてもらうことに。想像していた家族旅行ではなかったけれど、予定を柔軟に変えて、たーちゃんも大人も楽しめる旅行になったのではないかと思います。
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