休みがちでもたくさん成長した1年

休みがちだった小学1年生ですが、たくさんの成長が見られました。入学前まで字も読めず書けず筆圧も弱くひょろひょろの線しか書けなかったのに、濃いしっかりした字が書けるように。運動会ではみんなで協力し頑張ることの楽しさを私に話してくれたこともあったり、ずっと「友だちいない」と言っていたのに、たまにお友だちの家に遊びに行くようになったりと感動することもたくさんありました。

そんな姿を見て、検査を受けても手探りの日々でしたが長男が頑張っているところ、良いところにたくさん目を向けてあげたいと改めて思いました。しかし長男の気持ちには大変波があり、言うことがコロコロ変わることも多々あるため私も翻弄されることばかり。それでも、プレッシャーを与えすぎないように、良い意味で過剰に期待しすぎないように長男なりに一生懸命生きる姿を見守りたいと思いました。
長男が頑張っているところ、良いところにたくさん目を向けてあげたい
長男が頑張っているところ、良いところにたくさん目を向けてあげたい
Upload By ねこじま いもみ
執筆/ねこじま いもみ
(監修:初川先生より)
長男くんの発達科受診、検査の受検、しかし変わらず悩ましい様子、スクールカウンセラーへの相談などなど激動の小1時代についてシェアいただきありがとうございます。受診や検査受検によって、お子さんに診断が出たり、お子さんが困っている原因と思われるような得意不得意の大きなばらつきが分かったりすることはあります。ただ、一方で、それが分かったからといって、すぐにうまくいく方法もセットで分かるわけではないですし、今回のように診断も出ず、検査での結果もいまひとつしっくりこない感じに受けとめられるようなことも場合によってはあります。検査によって分かることはたくさんありますが、当然のことながら“全て”のことが分かるわけではないですし、検査室という教室や学校とは異なる特殊な環境でのパフォーマンスを測ることが多いのでそうした環境では大きなつまずきなくやれてしまう場合もあります(学校等での様子と大きく異なる結果が出たときは、例えば、環境によって左右されやすいのかもしれないといったように解釈していくこともあります)。

ねこじまさんがもやもやとひっかかられていた、長男くんの根強い登校渋りや、本当に年齢によって(成長によって)改善してゆくのかという不安に関しては一朝一夕に解決するものではなく、また不安に思う保護者の気持ちもとても自然なものだと思うので、スクールカウンセラーに相談するに至ったのもよかったとは思います。ねこじまさんや長男くんに親身になって関わってくださり、さまざま提案くださるカウンセラーの先生だったのですね。長男くんの思いとは少しずれてしまったようですが、まずは長男くんがそれをねこじまさんに伝えられたのは良かったと思います。我慢していいことは何もないので、それを伝えられる親子関係で何よりだなと感じました。ただ、ねこじまさんからすると、カウンセラーの先生が良かれと思ってさまざま提案くださっているのも分かるからこそ、長男くんへの直接的な働きかけを控えてほしいと伝えるのはなかなかにハードルが高く感じられたのかもしれませんね。(私はスクールカウンセラーとして勤務していますが)カウンセラーの立場からすると、本当はそうしたことをお伝えいただき、良き程度・度合いを一緒に図りながら模索できるほうがありがたいので、伝えてほしいなとは思います(ただ、それが言いづらいのもよく分かります。そういうことを伝えやすいカウンセラーでありたいなぁと改めて思うところです)。また、スクールカウンセラーのもとへ相談する際には、保護者のみで継続される方も多くいらっしゃいます。お子さん本人が望んだ場合はぜひ来てほしいと思いますが、低学年の場合だと特にそうですが、自分の困っている話をしたくないとか、質問されても困ってしまう、特別なことをしたくない場合もあります。ご本人の希望をまず聞いていただき、あまり気乗りしてなさそうであれば、まずは大人の間で環境調整等、工夫できることを模索することを先行させる、そんなイメージで相談を開始する、あるいは、地域の情報(不登校の児童生徒が利用できる場に関してなど)を情報収集するために話を聞いてみるといったところから始めてみるのもよいでしょう。

さて、最後に長男くんが小1の1年間で成長したところについても書かれていました。休みがちであっても、成長したところがいっぱいあったと振り返れるのはとても素晴らしいですね。気になること・心配なことはどうしても目が向きやすく、そしてそこに注目し続けると、成長しているところ・健全なところに目が向きにくくなってしまうものです。時には意識的に成長しているところを探してみたり、慌ただしい(あるいは波のある)毎日の中で、ふと立ち止まってお子さんが楽しそうに取り組んでいること・夢中になっていること等に目を向けてみることをおすすめします。
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https://h-navi.jp/column/article/35030204
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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