発達検査で判明!空気は読めるのに集団行動ができない娘の「生きづらさ」の理由

ライター:にれ
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前回の記事では次女のあずさが入園からわずか3ヶ月で転園に至った顛末を記事にさせていただきました。今回は、【次女が集団行動を苦手とするそもそもの理由】に迫ります。
転園をきっかけに受けた発達検査では、私の予想を裏切るまさかの結果が説明されました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

3ヶ月で保育園を転園することになった次女

次女のあずさは、2歳になりたての頃に「①癇癪の強さ」「②物怖じしなさ」について長女(知的な遅れを伴うASD/自閉スペクトラム症)の療育先から指摘を受け、療育に通ってきました。

その後、成長とともに①②の点は解消していき、よくしゃべるおしゃまな子に成長し……

2歳クラスの一年間を小集団の療育にみっちり通う間、先生からは「コミュニケーション能力が高い」「最年少なのに年長児と同じことができる」と、あずさについては良い報告ばかり。なんなら「スーパー2歳さん」と呼ばれていました。

親目線では「ん?まゆみのこともあるし、指摘があったから心配で通所させているけど……診断が出るほどの症状ではないあずさは療育を受けさせてもらっていていい子なんだろうか?」と思ってしまうほど順調に見えていました。

それが入園後、保育士さん達から「しっかりした子ですね」と言われていたのも束の間、集団の中で浮きまくって先生方を困らせるようになり、その他の理由もあってわずか3ヶ月で転園となってしまったのは前回記事のとおりです。
娘に合うと思った保育園を3ヶ月で転園!?ことの顛末と母の自戒のタイトル画像

娘に合うと思った保育園を3ヶ月で転園!?ことの顛末と母の自戒

とにかくよくしゃべる次女あずさ
とにかくよくしゃべる次女あずさ
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あずさの抱える困りごと

まず、あずさはとても空気を読みます。「ふざけていい場か?」「甘えてもいい人か?」を本人なりに判断していて、家庭・保育園・療育先で見せている顔がそれぞれ違います。
あずさはよく創作クイズを出してくれるのですが、振る舞いを使い分けていることがよく分かるのが以下の例です。
相手によって振る舞いを使い分けていて……
相手によって振る舞いを使い分けていて……
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一方で、集団の中に入るとハミ出てしまう側面もあります。先生方が口を揃えて言うのは、「話を理解した上で、聞かない」という点……。
たとえば、「動かずジッとしていてね」とクラスで一列に並んでいる時、目の前にかわいい着ぐるみが出てきたとします。それを見て一歩出てきて話しかけてしまうのがあずさです。

大人が一声かけると自分から列に戻ることはできますが、衝動性の高さでつい動いてしまうのか、「このくらいええやろ」と自己判断でそうしてしまうのかは分かりません。見ていると両方あるような気がします。

また、不適切な行動をした際にやんわり注意すると、今度はこちらの目を見ながら同じ行動を繰り返してこちらの出方を探るようなこともよくあります。さらに、人の制止よりも自分の好奇心を優先させることも多いのに、日頃のお調子者ぶりからは意外なほど失敗を恐れる傾向もあって、いろいろな側面があると感じています。

大人からすると期待値の高さに反して望ましい結果にならないことが多く、「どうして言うことが聞けないの!?」と受け取られがちになるといった困りごとがあります。
本人も、「ずっと家でママといたい」と言うくらいなので生きづらさを感じ始めているかもしれません……。

困りごとの根幹は何なのか?発達検査で明らかになったこと

あずさに対し、「集団に上手く馴染めないのは、きっと発達の凸凹が大きいのだろう」と思っていたものの、一対一や小集団でのコミュニケーションなら大人顔負けのやりとりを見せ、運動もまぁまぁ得意、『にんぎょひめ』の絵本で号泣するほどの豊かな情緒……と、『何がこの子の困りごとなのか?』を把握できずにいました。

転園を機に、ずっと問題を絞り切れていなかったあずさの発達について詳しく知りたくなり、市に申し込んで正式な発達検査を受けたのですが……検査後に心理士さんがうなりながら答えたのは、私の予想とはまったく違う「発達が全体的に早い」というものでした。

具体的な数値は伏せますが、新版K式発達検査の「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」すべてが年齢以上である結果、年少クラスの活動が本人には退屈に感じられ、刺激を求める性格から自由行動に走ってしまうのだろうということでした。

元から知的には問題ないと思っていましたが、驚くよりも思わず天を仰ぎました。
長女は発達の遅さで、次女は早さで悩むとは……
長女は発達の遅さで、次女は早さで悩むとは……
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「発達が早い」「数値が高い」というと良いことのように聞こえますが、実際に困りごとが起きてこの場にいるわけです。
また、仮にあずさが年齢以上の水準を保ちながら成長していったとしても、早いか遅いかだけでお友だちも大人になれば発達は追いついてくるはず……。
年齢以上にいろいろできることよりも、先々の学校生活で周囲に馴染めず相当な苦労をするのでは?それがあずさの人間形成に影響するのでは?という心配のほうが先に立ちました。
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