本気で悩んだ発達障害息子のゲーム問題。「学びの多様化学校」受験で変化した価値観
ライター:あき

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子育てをしているとおそらく多くの親子が通るゲーム問題。
私はアルバイトで土日にハウスメーカーの受付をしていますが、長い打ち合わせの間、退屈させないために子どもたちが遊べるタブレットを会社側で用意しています。
喜んで借りていかれる親御さんもいれば、難色を示す親御さんも……。
同じ道を通ってきた親として「分かるよ分かるよ……」と思わず頷いてしまう私です。

監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
「依存症になるのでは……?」と本気で悩んだ小学生時代のゲームとの付き合い方
コチ丸は一人っ子だったので、きょうだいの影響で早くからゲームやタブレットの味をしめる経験もなく、さらに普段の生活でも私が仕事で朝から晩まで働いていたため、保育園にいる時間が長く、幼児期はゲームとは無縁の生活でした。
家にいる時には戦隊物の人形で遊んだり、絵本を読んだり……。とっても健全な(?)遊びで毎日を過ごしていました。
そんな生活から一転。コチ丸が小学生になると、友だちとの付き合いもあるだろうと思い、親の私が自らゲーム機を買い与えました。コチ丸の入学した小学校は1学年が20人にも満たない小さな学校だったので、みんなが持っているものを持っていないのは仲間外れの要因にもなりかねない……と思ったのが理由でした。
ただし、厳格な(笑)管理の元。「1日1時間だけ」、「勉強をちゃんとやった後で遊ぶ」など、ありがちな約束つきでした。とはいえ、友だちと公園に行っても遊具で遊ばずゲームをやっている時代。1日1時間、なんていうのは子どもにとって難しいことです。1時間経てば自動的に電源が切れる設定にしておいても、あっという間に解除キーを解読して、コソコソ隠れて数時間やっているなんて日常茶飯事でした。その度に声を荒げて怒り、コチ丸も不貞腐れながら受け入れるのですが、また数日経てば同じことの繰り返し……。
ゲームにどっぷりのめり込む頃には、コチ丸は小学校に行かなくなっていました。学校に行かない日には「ここまで勉強をしてからしかゲームはやっちゃダメだからね」という約束をして仕事に出ても、会社にいる私のスマートフォンに何度となく入ってくるゲームの解除通知。嘘をついてまでゲームをやっているコチ丸を見ていると「このままゲーム依存になってしまうんではないんだろうか……」と度々不安になりました。
家にいる時には戦隊物の人形で遊んだり、絵本を読んだり……。とっても健全な(?)遊びで毎日を過ごしていました。
そんな生活から一転。コチ丸が小学生になると、友だちとの付き合いもあるだろうと思い、親の私が自らゲーム機を買い与えました。コチ丸の入学した小学校は1学年が20人にも満たない小さな学校だったので、みんなが持っているものを持っていないのは仲間外れの要因にもなりかねない……と思ったのが理由でした。
ただし、厳格な(笑)管理の元。「1日1時間だけ」、「勉強をちゃんとやった後で遊ぶ」など、ありがちな約束つきでした。とはいえ、友だちと公園に行っても遊具で遊ばずゲームをやっている時代。1日1時間、なんていうのは子どもにとって難しいことです。1時間経てば自動的に電源が切れる設定にしておいても、あっという間に解除キーを解読して、コソコソ隠れて数時間やっているなんて日常茶飯事でした。その度に声を荒げて怒り、コチ丸も不貞腐れながら受け入れるのですが、また数日経てば同じことの繰り返し……。
ゲームにどっぷりのめり込む頃には、コチ丸は小学校に行かなくなっていました。学校に行かない日には「ここまで勉強をしてからしかゲームはやっちゃダメだからね」という約束をして仕事に出ても、会社にいる私のスマートフォンに何度となく入ってくるゲームの解除通知。嘘をついてまでゲームをやっているコチ丸を見ていると「このままゲーム依存になってしまうんではないんだろうか……」と度々不安になりました。
中学受験に突入してもやめられないゲームの時間……。息子の気持ちを信じるしかない……か?
私はフルタイムの正社員だったので、休むこともできず、コチ丸を監視していることもできません。信じてはうまく行かずな日々でした。あの頃の私のイライラの原因の多くは「ゲームを持たせることによってできた約束を守らない」という悪循環から来るものでした。そして、いい加減に同じやりとりに嫌気がさしていた私は「今度やったら真っ二つに折るからね!」というある日の宣言通り、半分に割って敢えなくゲーム機は最期の時を迎えました……。
コチ丸も流石にこれは堪えたのか、しばらくはゲームの話もしなくなりました。が、ちょうどタイミング悪く(笑)クリスマスの前に人気のゲーム機が発売され、周りのお友だちが次々に新しいゲーム機を手に入れていくことに……。記念日にほしいと言われたものはなるべくプレゼントするようにしていたこともあり、再びわが家にゲームブームはやってくるのでした。もちろん、その後も結局、この約束を守らない論争はずっと続いたわけですが、特にハラハラしたのは中学受験の頃でした。
さすがに受験勉強は覚悟を決めて真剣にやっていたコチ丸ですが、どうしても集中しきれず、小一時間もするとゲーム開始。「頼むから勉強してくれ……」と何度となく思いました。しかし、口うるさく言うとせっかくやる気になっている勉強にも影響が出てしまいかねないと、コチ丸の「勉強はもうやったよ」を半信半疑ながらも受け入れるしかない日々が続きました。
コチ丸も流石にこれは堪えたのか、しばらくはゲームの話もしなくなりました。が、ちょうどタイミング悪く(笑)クリスマスの前に人気のゲーム機が発売され、周りのお友だちが次々に新しいゲーム機を手に入れていくことに……。記念日にほしいと言われたものはなるべくプレゼントするようにしていたこともあり、再びわが家にゲームブームはやってくるのでした。もちろん、その後も結局、この約束を守らない論争はずっと続いたわけですが、特にハラハラしたのは中学受験の頃でした。
さすがに受験勉強は覚悟を決めて真剣にやっていたコチ丸ですが、どうしても集中しきれず、小一時間もするとゲーム開始。「頼むから勉強してくれ……」と何度となく思いました。しかし、口うるさく言うとせっかくやる気になっている勉強にも影響が出てしまいかねないと、コチ丸の「勉強はもうやったよ」を半信半疑ながらも受け入れるしかない日々が続きました。
付き合い方を変えたら約束が守れるように!私立中学のルールで変わったゲームへの価値観
無事に中学に受かってからは、ゲームとの付き合い方は一変しました。田舎の自宅から中学へ通うには、バスと電車を乗り継ぎ、片道2時間ほどかかります。登下校は一人のため、時間を潰せるものが必要だったこと、さらにコチ丸の選んだ学びの多様化学校は、ルールを守ればゲームの持ち込みがOKだったことで、ゲームの時間を一気に解禁することにしました。
学びの多様化学校は、さまざまな理由で学校に通えなくなった子どもたちを受け入れている学校です。子どもたちの個性・特性を尊重した独自の学習カリキュラムのため、基本的に宿題もなく、帰ってきてから寝るまでコチ丸はずっとゲームをやっていました。学校では、文化祭や学校の行事としてゲーム大会も開催されており、たくさんの生徒が参加していました。家に帰ってきてからも友だちとオンラインゲームを通して通信でしゃべりながら遊ぶため、友だちとのコミュニケーションにもゲームは必要不可欠だったのです。
小学校時代の厳しいルールから一転、「ごはんの時間はやらない」「夜は10時まで」と言う2つの約束だけになったことで、コチ丸は約束を守ってくれるようになりました。私もまた、ガミガミ言う必要もなくストレスも減り、喧嘩もなくなりました。
また、ゲームをやっていくうちに探究心の強いコチ丸は自分もゲームをつくりたいと思うようになり、ゲーム制作を学べる学校を進路に決めました。3Dも習い始め、自分で3Dのキャラクターもつくれるようになり、ゲーム業界に自分の進路を考えるようになりました。
以前に読書を通して、実際に経験してみたいという思いになり、多くのことを体験できたという話を書かせていただきましたが、興味が多いコチ丸が、自分のやりたいこと、行きたい世界に行けるゲームはとても楽しいツールだったと思います。異世界で戦ったり、車の運転・整備をしたり、船に乗ったり動物を育てたり……自分の視野が大きく広がったのもまたゲームがあったからでした。
学びの多様化学校は、さまざまな理由で学校に通えなくなった子どもたちを受け入れている学校です。子どもたちの個性・特性を尊重した独自の学習カリキュラムのため、基本的に宿題もなく、帰ってきてから寝るまでコチ丸はずっとゲームをやっていました。学校では、文化祭や学校の行事としてゲーム大会も開催されており、たくさんの生徒が参加していました。家に帰ってきてからも友だちとオンラインゲームを通して通信でしゃべりながら遊ぶため、友だちとのコミュニケーションにもゲームは必要不可欠だったのです。
小学校時代の厳しいルールから一転、「ごはんの時間はやらない」「夜は10時まで」と言う2つの約束だけになったことで、コチ丸は約束を守ってくれるようになりました。私もまた、ガミガミ言う必要もなくストレスも減り、喧嘩もなくなりました。
また、ゲームをやっていくうちに探究心の強いコチ丸は自分もゲームをつくりたいと思うようになり、ゲーム制作を学べる学校を進路に決めました。3Dも習い始め、自分で3Dのキャラクターもつくれるようになり、ゲーム業界に自分の進路を考えるようになりました。
以前に読書を通して、実際に経験してみたいという思いになり、多くのことを体験できたという話を書かせていただきましたが、興味が多いコチ丸が、自分のやりたいこと、行きたい世界に行けるゲームはとても楽しいツールだったと思います。異世界で戦ったり、車の運転・整備をしたり、船に乗ったり動物を育てたり……自分の視野が大きく広がったのもまたゲームがあったからでした。

小学校はほぼ不登校、学校の勉強は小3止まりだったけれど…発達障害息子が読書で身につけた「人生の歩き方」
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