ほかにも見学に行くも……

次は、就労移行支援のみを行っていた事業所へ見学にいきました。クリーニング班と事務班に分かれていると聞いて見学をしたのですが、実際には、それらの仕事に就く利用者はほとんどおらず、さまざまな職種に就職するということでした。私は、就労移行支援では具体的な目標設定をしたうえで、しっかりと訓練を行うほうが息子に合うと考えていたので、ここも候補から外しました。

また、ビニールハウスでの水耕栽培を行う事業所もありました。見学した日は非常に暑い日だったのですが、夏場の作業場所の環境を体感できました。そして、暑さが苦手なうえ、なかなか集中力が続かない息子には毎日野菜の収穫作業を行う環境は適していないと判断し、こちらも選択肢から除外しました。

さまざまな事業所を見学しましたが、住んでいる区内では息子に合うと思える事業所には出会えませんでした。

範囲を広げた事業所探しで出会った就労移行支援「H事業所」

そこで居住区の外へも足を延ばし、都内だけでなく、川崎や横浜の事業所も見学しました。

そこで出会ったのが、就労移行支援のH事業所でした。パソコンスキルに特化した事業所で、利用者は事務職での企業就労を目指しているということでした。

午前中はパソコンスキル向上、午後はコミュニケーション訓練、履歴書作成練習、面接練習といった内容でした。ITに特化したスキルを身につけられるよう考えられていながらも、単一のトレーニングが続くのではなく、一日の中で変化のあるプログラムだったのです。また、年数回の利用者同士の遠足や、卒業生を祝う会なども開催されていました。飽きっぽい息子にとって、このようにプログラムに変化があることは重要で、「ここなら大丈夫」「息子に合うだろう」と直感しました。

さらに、職員の方々の雰囲気や事業所全体の空気感に、とても良い印象を受けました。H事業所は、社会福祉法人ではなく、民間企業が単独で運営している就労移行支援事業所でした。民間というと警戒するママ友もいましたが、私は逆に民間の良さを感じていました。本気で就労に導こうという意気込みを感じたからです。

H事業所へはわが家から二つの電車を乗り継ぐ必要がありました。しかし、ラッシュ時間帯の電車乗り換えも、企業就労に向けた実践的な訓練になると考えました。特に息子は利用が必要な地下鉄を気に入っていたので、それも決め手の一つになったようです。

本命のH事業所1ヶ所に絞った3年生の実習

高等部3年での実習は、H事業所のみに絞りました。4月に見学し、9月に実習を行い、「ぜひ卒業後はうちの事業所に来てください」という返事をいただくことができました。

前回お話ししたように、息子の通っていた学校がある行政区では、3年生の9月までに必ず2ヶ所で実習することが決められていました。しかし、私は確信を持ってH事業所1ヶ所に絞りました。学校側に「ここ1ヶ所で十分です」と伝えたところ、「それは困ります」と言われましたが、「親の判断で決めました」と伝えて理解いただきました。
次ページ「就労移行支援事業所選びで分かったこと」

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