就労移行支援と就労継続支援、14ヶ所を見学!わが子に合う事業所を見つけるコツとは【18歳の壁/立石美津子 第3回】
ライター:立石美津子

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知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の息子は、現在24歳。企業で契約社員として働いて4年になります。
前回は、企業実習での厳しい評価を受けて、就労移行支援事業所を本格的に探すようになった経緯をお話ししました。今回は、実際に14ヶ所の事業所を見学した体験談をもとに、事業所選びで分かったことをお話しします。【第3回(全6回)】

監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
事業所探しの始まり。自治体の枠を超えて
就労継続支援や生活介護の場合、住んでいる市や区の中で通所先を探すことが一般的なので、わが家も最初は住んでいる区内で就労移行支援事業所を見つけなければならないと考えていました。
しかし調べてみると、就労移行支援も就労継続支援も、受給者証を使って利用するサービスで、放課後等デイサービスと同様に、住民票がある区内でなければ利用できないという制約はありませんでした。
私の住んでいる場所からは、東京都内の別の区だけでなく、東京都外の川崎市や横浜市へのアクセスも良好でした。そこで、探す範囲を広げることにしました。
しかし調べてみると、就労移行支援も就労継続支援も、受給者証を使って利用するサービスで、放課後等デイサービスと同様に、住民票がある区内でなければ利用できないという制約はありませんでした。
私の住んでいる場所からは、東京都内の別の区だけでなく、東京都外の川崎市や横浜市へのアクセスも良好でした。そこで、探す範囲を広げることにしました。

行政区内の就労移行支援事業所、就労継続支援B型事業所を全て見学
住んでいる区内の就労移行支援事業所と就労継続支援B型事業所の全て(14ヶ所程度)を見学して回りました。前回お話ししたように、学校側からは学校を通さず直接連絡を取って見学することが許可されていたので、まずは保護者である私が状況を把握したいと考え、息子を連れずに一人で見学しました。
【制度のご紹介】就労移行支援と就労継続支援の違いは?
障害福祉サービスには、複数の就労支援サービスが存在します。特に名前が類似している就労移行支援、就労継続支援については、その違いが明確でないという方も少なくないでしょう。
分かりやすく説明すると、就労移行支援は原則2年間という期間内で就労スキルの習得や一般企業への就職準備を行う訓練施設です。
対して就労継続支援は、利用期間に制限がなく、支援を受けながら実際の作業に従事し、対価として工賃を受け取ることができる就労の場という点で異なります。
なお、就労継続支援については、雇用契約を結ぶかどうかによってA型とB型に区分されています。
分かりやすく説明すると、就労移行支援は原則2年間という期間内で就労スキルの習得や一般企業への就職準備を行う訓練施設です。
対して就労継続支援は、利用期間に制限がなく、支援を受けながら実際の作業に従事し、対価として工賃を受け取ることができる就労の場という点で異なります。
なお、就労継続支援については、雇用契約を結ぶかどうかによってA型とB型に区分されています。
就労移行支援と就労継続支援B型、同じ内容に取り組むの?
ある社会福祉法人が運営する事業所では、就労移行支援事業所の利用者と就労継続支援B型事業所の利用者が、全く同じ袋詰め作業を行っていました。取り組む作業が同じ内容だったので、「就労移行支援事業所とB型事業所で何が違うのですか?」と職員の方に質問しました。すると、「就労移行支援事業所は企業就労を目指すため、体力向上のために立位で作業しています。B型事業所は座位で作業しています」という回答でした。
この答えに私は驚きました。姿勢が違うだけだったからです。そこで、ほかの事業所を見学することにしました。
この答えに私は驚きました。姿勢が違うだけだったからです。そこで、ほかの事業所を見学することにしました。

