高校、大学での不登校は?通信制など多様な選択肢

――小学生の不登校が急増していますが、高校や大学での不登校についても教えていただけますか?

石井:はい。小学生の不登校はこの10年で5倍と増加している一方で、中学校と高校の不登校の数を比較すると、高校では7割程度減少するというデータがあります。これは、通信制高校など、多様な選択肢が広がったためだと考えられます。
参考:文部科学省|「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_1_2.pdf
しかし、高校や大学で不登校になるケースも存在します。これは、それまでの苦しみが爆発した状態であることが多く、新しい環境が問題なのではないこともあります。このような場合、何よりもまず「安全基地」が必要だと言われます。
安全基地とは、子どもが心から安心できる居場所のことです。就労移行支援や通信制の大学、趣味のコミュニティなど、家の中、外を問わず、本人が安心して過ごせる場所が一つあれば、そこを拠点に新しいことにチャレンジできるようになります。

「いまこの瞬間に笑顔があるか」を指針に

――最後に、お子さんの不登校で悩んでいる保護者の方へ、メッセージをお願いします。

石井:保護者の方は、お子さんの不登校に直面して、本当に毎日よく頑張っていらっしゃると心から思います。あなたは決して一人ではありません。
私が最も大切にしているのは「いまこの瞬間に笑顔があるか」という視点です。長期的な不安よりも、今この瞬間の子どもの表情を見てください。登校と不登校は「行ったり行かなかったりを繰り返すもの」と理解し、どっしりと構えることで、子どもも安心できるのです。

社会全体は少しずつ変化しているので、将来、学校に通わない多様な学び方が当たり前になる時代がくるでしょう。それが当たり前になるまでは、正直想像しづらいかもしれません。しかし、子どもと親が笑顔でいられる道を優先し、焦らず、今できることに目を向けて、新しい道を見つけていってほしいと思います。

――ありがとうございました。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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