【精神科医・本田秀夫】ADHD子育ては「コツコツよりも一発勝負」!?「叱らないでサポート」が大切な理由
ライター:本田秀夫
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ADHD(注意欠如多動症)のお子さんを育てる親御さんからは「家でも学校でもうまくいかず困っている」「言い聞かせても効果がない」「このままでは大人になったときに本人が困るのでは」といった切実な声が寄せられます。
ここでは、お子さん本人も、親御さんもぐっとラクになる方法をお伝えしていきましょう。
執筆: 本田秀夫
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授
附属病院子どものこころ診療部長
発達障害に関する学術論文多数。日本自閉スペクトラム学会理事長。
附属病院子どものこころ診療部長
子どもの苦手に手を貸しているが……
ADHD(注意欠如多動症)の子を育てている親御さんから、
「家でも学校でも、うまくいかないことが多くて困っています」
「いろいろと言い聞かせていますが、効果がありません」
「どうすればいいんでしょう」
と相談されることがあります。
「苦手なことには手を貸していますが、いつまでも親がそばにいることはできません」
「このままでは大人になったときに、本人が困るのでは」
「この子のために、いまやっておけることはないでしょうか」
切実な話だと思います。
「家でも学校でも、うまくいかないことが多くて困っています」
「いろいろと言い聞かせていますが、効果がありません」
「どうすればいいんでしょう」
と相談されることがあります。
「苦手なことには手を貸していますが、いつまでも親がそばにいることはできません」
「このままでは大人になったときに、本人が困るのでは」
「この子のために、いまやっておけることはないでしょうか」
切実な話だと思います。
ADHDのお子さんは「そそっかしい」
ADHDのお子さんは、一言で言えば「そそっかしい」です。一生懸命やっても抜けてしまうことがあります。落ち着いて行動できないこともあります。ADHDの特性というのは、そういうものです。
お子さんに「油断しないこと」や「コツコツやること」を求めていたら、本人も親も苦労します。それよりも、どうすればラクになるかを考えたほうがいいです。
お子さんに「油断しないこと」や「コツコツやること」を求めていたら、本人も親も苦労します。それよりも、どうすればラクになるかを考えたほうがいいです。
最後に帳尻が合えばいい
「ミスをなくす」という理想に向けて全体を底上げしていくというよりは、ミスがありながらも「最後に帳尻を合わせる」というイメージでやっていくほうが、親子ともにラクになります。
多少抜けていても、重要な局面では親子で一緒に頑張って、最後に帳尻を合わせればいい。そうした経験やスキルは、子どもの将来に役立ちます。
基本はざっくり。大事なところではしっかり。そういうメリハリがつけられれば、お子さん本人も、ADHDの子育てもぐっとラクになります。
多少抜けていても、重要な局面では親子で一緒に頑張って、最後に帳尻を合わせればいい。そうした経験やスキルは、子どもの将来に役立ちます。
基本はざっくり。大事なところではしっかり。そういうメリハリがつけられれば、お子さん本人も、ADHDの子育てもぐっとラクになります。
「コツコツよりも一発勝負」の考え
私は、ADHDのお子さんやご家族には、「コツコツよりも一発勝負!」という考え方をお伝えしています。たとえ忘れ物を減らせるとしても、そのために毎日コツコツ120%のエネルギーを使い続けるわけにはいきません。そうではなく、普段は手を抜いておいて、いざというときだけ「一発勝負!」で集中して頑張ればいいのです。
子どもに手抜きをさせることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、エネルギーの使い分けを身につけられるかどうかが、ADHDのお子さんが健康に暮らしていけるかどうかを左右するポイントの一つになります。
子どもに手抜きをさせることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、エネルギーの使い分けを身につけられるかどうかが、ADHDのお子さんが健康に暮らしていけるかどうかを左右するポイントの一つになります。
忘れ物をしないように親が手を貸してOK!
例えば、忘れ物やなくし物は、ADHDのお子さんによく見られる困りごとの一つです。学校で先生の話をよく聞いて、帰宅後に持ち物を準備して翌日持っていくというのは、けっこう難易度の高い作業になります。ADHDのお子さんには難しい場合も多いです。
子どもを叱っても事態が改善しないため、親が積極的にサポートして、忘れ物を防ぐケースも多いでしょう。
そうすると、
「こんなふうに手を貸していたら、子どもが自立できないのでは」
「もっと注意して、本人にやらせたほうがいいのでは」
と感じる人もいるかもしれませんが、対応としては、「子どもに手を貸す」というやり方でOKです。
子どもを叱っても事態が改善しないため、親が積極的にサポートして、忘れ物を防ぐケースも多いでしょう。
そうすると、
「こんなふうに手を貸していたら、子どもが自立できないのでは」
「もっと注意して、本人にやらせたほうがいいのでは」
と感じる人もいるかもしれませんが、対応としては、「子どもに手を貸す」というやり方でOKです。
確認させすぎると、強迫的になる場合も
どうしてそれでOKなのかというと、忘れ物やなくし物が多少あっても、本人があまり落ち込まず、毎日を楽しく過ごせていればいいのです。
子どもがたびたび忘れ物をしていると、親や先生は「もっとよく確認させなければ」と考えがちです。「大人になったときに本人が困るから」「この子のために」と言って、子どもに繰り返し注意しようとします。
しかし、まわりの人が子どもに忘れ物を指摘したり、確認作業をうながしたりすることをやりすぎると、本人が強迫的になっていく場合があります。忘れ物がないかどうか、何度も何度も確認するようになることがあるのです。
そうすると、忘れ物は減りますが、本人はそのために並々ならぬエネルギーを使うようになります。夜遅くまで確認したり、翌朝も早く起きて再確認をしたりします。
子どもがたびたび忘れ物をしていると、親や先生は「もっとよく確認させなければ」と考えがちです。「大人になったときに本人が困るから」「この子のために」と言って、子どもに繰り返し注意しようとします。
しかし、まわりの人が子どもに忘れ物を指摘したり、確認作業をうながしたりすることをやりすぎると、本人が強迫的になっていく場合があります。忘れ物がないかどうか、何度も何度も確認するようになることがあるのです。
そうすると、忘れ物は減りますが、本人はそのために並々ならぬエネルギーを使うようになります。夜遅くまで確認したり、翌朝も早く起きて再確認をしたりします。
どうして手抜きに見えるのか?
ADHDのお子さんは、親や先生からよく「手を抜かないで」「ちゃんとやりなさい」と言われます。確かに、ADHDのお子さんは宿題などをサボってしまうこともあります。それを手抜きだと指摘して、注意したくなる気持ちも分かります。
しかし手抜きに見える出来事にも、さまざまなプロセスがあります。
「どうして手抜きに見えるのか」を考えながら対応していくほうが、子どもの行動を理解しやすくなります。これまでにお伝えした内容と重なる部分もありますが、ここであらためて「ADHD特性への対応」を整理しましょう。
しかし手抜きに見える出来事にも、さまざまなプロセスがあります。
「どうして手抜きに見えるのか」を考えながら対応していくほうが、子どもの行動を理解しやすくなります。これまでにお伝えした内容と重なる部分もありますが、ここであらためて「ADHD特性への対応」を整理しましょう。
手抜きを叱っても効果はない
ADHDのお子さんがなぜ「手抜きをしている」「サボっている」ように見えるのかというと、多くの場合、本人のなかで気分が乗らないからです。
手抜きには「1.やりたくない手抜き」と「2.やったけどうまくいかない手抜き」があります。
ADHDのお子さんの親御さんは子どもに注意しながら、「もっと厳しくするのが本人のため?」と悩む場面もあるかもしれません。
しかし、どちらの「手抜き」であっても、厳しく叱っても効果はありません。
例えば、お子さんが宿題をサボっているような場面があったとします。
1.は気分が乗らない状態なので、叱って宿題をやらせても、本人はあまり集中できないでしょう。それではいい学習になりません。
2.は一生懸命やっているけど、不注意の特性が強くてミスが出ている状態です。「注意力が足りない」と叱っても注意力は上がりません。むしろ、その声かけによって本人をイライラさせて、注意力が下がる可能性があります。
手抜きには「1.やりたくない手抜き」と「2.やったけどうまくいかない手抜き」があります。
ADHDのお子さんの親御さんは子どもに注意しながら、「もっと厳しくするのが本人のため?」と悩む場面もあるかもしれません。
しかし、どちらの「手抜き」であっても、厳しく叱っても効果はありません。
例えば、お子さんが宿題をサボっているような場面があったとします。
1.は気分が乗らない状態なので、叱って宿題をやらせても、本人はあまり集中できないでしょう。それではいい学習になりません。
2.は一生懸命やっているけど、不注意の特性が強くてミスが出ている状態です。「注意力が足りない」と叱っても注意力は上がりません。むしろ、その声かけによって本人をイライラさせて、注意力が下がる可能性があります。
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