親のサポートの終わりが近いことに気づく

3年間離れてみて気づいたのは、小学校の頃のように、コチ丸の代わりに周りに頭を下げたり、いろいろな経験を一緒にしてみたり、コチ丸に合った進路を探したり……そんなお膳立てはもう不要なんだ、ということでした。

姿が見えない3年間で、コチ丸には「自分の考えの軸をしっかり持ち、問題を解決する力」が備わっていました。物理的な距離によってサポートを「強制終了」することになりましたが、結果的にお互いにそれが良かったような気がしています。

今でも帰省すれば部屋はあっという間にぐちゃぐちゃになり、飲みっぱなし食べっぱなし。「本当にちゃんとやれてるの?」と疑いたくなるような有様ですが、それでも、ふとした瞬間に見せる「私の知らないコチ丸の姿」から、サポートの「本当の終わり」が着実に近づいていることを感じるようになっていました。
久しぶりに帰省した息子。相変わらず部屋はぐちゃぐちゃだけど……
久しぶりに帰省した息子。相変わらず部屋はぐちゃぐちゃだけど……
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自分は自分。子どもは子ども。お互いが独立した関係に

春からコチ丸は、やりたいことのために北海道を離れ、また違う土地で専門職の道を進みます。おそらく、このまま順当にいけばもうこちらには帰ってこないでしょう。

自宅学習期間の今は、人生初のアルバイトや自動車学校での免許取得など、新しい経験の真っ最中です。そんな姿を見ても「大丈夫かな」と反射的に思ってしまいますが(笑)、「まぁ大丈夫だろう」と思えるようになった私も、親として成長させられたんだなと気づく日々です。

信じて手を離す。これまでで一番決断のいるサポートでしたが、そこで得たものは、これからの人生を生きていくうえで、親子共々かけがえのないものになったと確信しています。
執筆/あき

専門家コメント 井上雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー)

不登校経験から立ち直ったお子さんが、高校から寮のある離れた高校に進学すると言われた時は、親として喜ばしい気持ちよりも不安でいっぱいになってしまったのではないかと思います。結果的に、自分でその高校への進学を決めた本人なりの決意を尊重され、勇気を持って送り出し、お子さんも無事に卒業できた、ということは本当に良かったですね。お子さんの自立は頼もしくもありますが、親としてのさみしさもあると思います。たとえ距離があったとしても、何かあった時の相談相手として、これからも大切な存在になってくるはずです。親御さんご自身も今までの子育ての中で本当に頑張ってこられたと思います。これらの体験を糧とし、子育て以外でのご自分のお仕事や、やりたいことを見つめ直していく時期にきているのではないでしょうか。(監修:鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー 井上雅彦先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35030920
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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