積み重ねる経験 焦らないで一歩ずつ

放課後等デイサービスでも社会ルールを意識して話してくださっています
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病院の先生からは、「けんと君のマイワールドに没頭しやすい特性は、長所でもあり、発想力の豊かさにつながっているのかもしれません。けんと君の場合、今の段階では周囲をあまり意識していなくても、もう少し年齢を重ねれば変わってくると思います。少しずつ時間をかけて伝え続けていくことが大切です。焦らないでやっていきましょう」と言われました。

また、「『やることをやる時間』と『好きなことをやる時間』を分けることを意識していくことで、少しずつですができるようになると思いますよ」とのアドバイスもいただきました。

けんとは愛嬌のある性格なので、これまでは笑って許してもらえていたこともたくさんあります。しかし、高学年になるにつれて、社会のルールを守らなければならない場面は確実に増えています。けんとの個性を大切にしながら、これからも周りの方々に相談し、ご指導いただき、一歩ずつ歩んでいけたらと思っています。

執筆/ゆきみ

専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)

ゆきみさん、けんと君の課題やそれに対する具体的な工夫を共有いただき、ありがとうございました。とても参考になりました。
ASD(自閉スペクトラム症)などの神経発達症のあるお子さんの場合、周囲から注意を受けてしまう場面が増えてしまうことも少なくありません。そのような中で、ゆきみさんが実践されている「クイズ形式」での声かけは、お子さんに精神的な負担をかけずに伝えることのできる、とても素敵な方法だと感じました。クイズ形式であれば、「できていないことを叱る」のではなく、「自分で気づき、行動を修正する」関わり方につながりますね。このような関わり方は、神経発達症のお子さんに限らず、日々の子育ての中でも取り入れていきたい工夫ですね。
また、神経発達症のお子さんの中には、言葉よりも視覚情報のほうが理解しやすい場合も多く、注意書きを見えるところに置くといった「視覚化」が有効なこともありますよね。さらに、感覚探究(感覚的な刺激を求める行動)が強いお子さんの場合、身体を揺らしたり、身体の一部が常に動いてしまったりする様子が見られることもあります。そのような場合に「我慢させる」のではなく、別の方法で感覚刺激を得られる代替手段を準備しておくというのは、お子さんの特性を理解した、とてもあたたかく優しい支援だと感じました。
このように、お子さんの特性を尊重しながら工夫を重ねていくあたたかい関わりが、少しずつ社会の中での過ごしやすさや自信につながっていくのではないかと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35030961
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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