まとめ――フラットな関係の中で、コミュニティをつくる力が育っていく

タイジさんたちの姿を見ていると、TRPGの場で育っているのは、単なる「話す力」や「説明する力」だけではないことが分かります。他者の意図をくみ取りながら場を整えること、初心者や流れから外れがちな参加者も置いていかないこと、そして「みんなと一緒に楽しむ場」を共に創っていくこと。そうした経験が積み重なることで、彼ら彼女らはフラットな関係の中でコミュニティを形成していく力を育んでいるのではないでしょうか。

発達障害のある子ども・若者たちは、しばしば「支援される存在」としてのみ理解されがちです。しかしTRPGの場で、彼/彼女たちは、仲間を助けたり、初心者を支えたり、お互いに話し合ったりして、活動を盛り上げています。そのことは、本人の自己理解や自尊心の維持・成長の面で大切であるだけでなく、私たち支援する側が、「“支援する/される”の関係とはどういうことか?」という考え方そのものを問い直すことにもつながっているように思います。

TRPGなどの余暇活動は、子ども・若者たちにとっての「楽しく過ごせる場」であると同時に、学校や家庭とはまた違った人間関係を構築できる「可能性と世界を広げるコミュニティ」にもなっているのです。
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https://h-navi.jp/column/article/35031010
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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