不登校期間の自己肯定感を守った家庭の工夫は?教育委員会とSWを巻き込み再登校が叶うまで【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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合理的配慮をお願いしても「息子さんにはこんなにできる力があるんですよ」と、受け入れてもらえませんでした。ASD(自閉スペクトラム症)の息子は、学校にいることだけで周りの子の倍のエネルギーを使い、帰宅後はぐったりしてしまいます。先生からの理解が得られないまま話し合いは平行線、そのまま息子は不登校になりました。【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「休息を経ての再登校」についてのエピソードをご紹介します】

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
投稿者・お子さんのプロフィール
  • お子さんの年齢:13歳 
  • 診断名:ASD(自閉スペクトラム症) 
  • 診断時期:5歳 
  • エピソード当時の年齢:8歳(小学3年生) 

合理的配慮を依頼しても平行線だった担任の先生

小学1、2年の時は、波はあれども先生方と相談し、学校へ通えていた息子。ですが、3年生になって風向きは変わりました。3年生の担任の先生との話し合いは、何度しても平行線で、合理的配慮を認めてくれなかったのです。
宿題の調整をお願いしても、「やればできる子なんだからもったいないですよ!」と、学校でやった「よくできた」というものの成果を見せられます。私は、「頑張ったらやるんですが、周りの子の倍のエネルギーが必要で、学校から帰ったらぐったりしているんです。1年生の時の癇癪がひどかったので、それがまた始まるんじゃないかと不安で……」と必死に訴えましたが、先生の態度は変わりませんでした。

さらに、欠席した分のドリルを休み時間にしていることが分かり、休憩時間は休ませてほしい、残ったドリルは長期休みやほかの時間で対応したいと伝えた際も、「周りの子もそうしているので、息子さんだけというのは特別扱いしているように映ってしまいますよ」。

私が「前の担任のA先生の時は配慮していただいたのですが、A先生はまだ校内にいらっしゃいますし、相談してもらえたりしませんか……?」と言うと「A先生も新しいクラスで大変ですから」と、聞いてもらえませんでした。

このような日々が続くと、朝、息子は緊張した顔で「行きたくない」と言うようになりました。毎朝全身をこわばらせ、硬直して「行きたくない」と訴える息子を見続けた私の心は決まりました。「私には息子の心を守る責任がある」と考えたら答えは一択でした。
私は息子の心を守る責任がある……学校へ行かないことを決意しました
私は息子の心を守る責任がある……学校へ行かないことを決意しました
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ポイントという名の小さな光

「もう、無理して学校に行かなくていいよ」。そう伝えた時の息子の表情は、安堵に満ちていました。私は「よく頑張ったね。頑張らせすぎてごめんね」と伝え、家を息子にとって安全でくつろげる場所にするための工夫を始めました。

心配だったのは、息子自身、学校へは行きたくないけれど「行けないことは怠けていることだ」と固く思っていること。自己肯定感を下げないようにと思った私は、インターネット講座のペアレントトレーニングで学んだ「ポイント制」を試してみようと思いました。

これは、家の仕事や勉強をやるとポイントがたまるというものです。
例えば小学3年生の時は以下のようなものでした。

  • 庭のみずやり 5p
  • 雑草を抜く  5p
  • 洗濯たたむ  5p
  • 洗濯の片づけ 5p
  • お風呂そうじ 10p
  • 朝学プリント 15p
  • 学校のドリル5問 15p
  • タブレットの通信教育 15p
  • 宿題     45p
  • お料理    50p
  • お母さんにコーヒーを淹れる 50p

本人が気にしている「だらけているわけではないことの証明」として、家事のポイントを高く設定しました。「家が綺麗でお母さんが休憩して、お菓子を食べる時間があることは、息子が手伝ってくれるおかげだよ!」と心から感謝を伝えると息子はうれしそうににっこりしました。
また、わが家には3人の兄弟がいるのですが、全員に発達障害の診断があります。2人は頑張って学校へ毎日行っているところに、一人だけ「行かなくていい」という選択肢を許してもらえるというのは、子ども心に納得できるものなのだろうか?という葛藤が私にあったので、兄弟が本人に不登校について直接言わないように個別に説明しました。ポイントシステムもほかの2人バージョンも個別に設定しました。
このポイント制はわが家ではとてもうまくはまりました。

「家でだけでは得られない感情が学校にはある」と気づいてから

学校は休んでいても、外に出るきっかけとして習い事は続けていました。とはいえ、本当はやりたいけれど、身体が動かず見学だけしているときも多かったので、そのような姿を見るのが切なく感じるときもありました。

ある時のことです。学校外の活動で、ほかの学校の子と無邪気に遊ぶ機会がありました。その時息子がとても幸せそうに「楽しかった」と何度も言う姿を見たのです。悩みを忘れて楽しんでいる様子を見て、「この姿は本人が本当に望んでいる姿なんだ」と気づきました。
「家で2人で過ごしたり、家族で遊びに行っても得られない感情が学校にはある」。そう確信し、再び学校と向き合う決意をしました。
その時息子は小6になっていました。
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