障害がある子の「25歳で自立」は絶対?「ずっと一緒に暮らしたい」は甘え?多様化する住まい選びと親の葛藤

ライター:立石美津子
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=66251013330

お子さんに障害がある場合、「親なきあとの住まい」について悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回は、既存の枠にとらわれない「住まい」の最新事情と、親の本音に寄り添う新しい選択肢についてお話しします。

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監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。

「25歳独立説」への違和感――親の愛情は、自立を妨げる「甘え」なのか?

私は現在、知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の息子(25歳)と一緒に暮らしています。
「なぜ息子さんをグループホームに入れないのですか?自由が多いからですか?それとも一緒にいたいからですか?」
このような質問をいただくことがあります。結論から申し上げますと、固定観念にとらわれたくないという思い、そして本音を言えばずっと一緒に暮らしていたいという気持ち、この二つが大きな理由です。

息子が特別支援学校高等部に通っていた頃、有名な講師による講演会がありました。
「障害のある子こそ、25歳になったら親元から離すべきです」
「親が亡くなったときに住む環境まで変わると、本人が困ります」
「いつまでも親元に置いておくのはよくありません」
いわゆる「25歳独立説」です。会場の多くの保護者がうなずいていました。「そうだ、早く自立させなければ」と感じた方も多かったと思います。
しかし、私は心の中で考えていました。本当にそれが正解なのだろうか。

確かに、親が亡くなったときに
  • 親がいなくなる
  • 住み慣れた家からも離れる
この二つが同時に起きることは、本人にとって大きなショックになります。いわばダブルパンチです。だからこそ、早く親元から離して環境に慣れさせるという考え方は理解できます。

しかし、心の奥では別の気持ちがありました。できることなら、ずっと一緒に暮らしていたい。これは、きれいごとではなく、多くの保護者が抱いている本音ではないでしょうか。

ダブルパンチを避けたいという葛藤

「親がこの世からいなくなる」
「住み慣れた家から離れる」

この二つが同時に起きることは、本人にとって大きな負担になります。だからといって、早く家を出さなければならないと言われると、親の心は揺れます。
ダブルパンチは避けたい。でも、できることなら一緒に暮らせるうちは、ともに暮らしたい。
この相反する気持ちの中で、親の心は常に揺れ動きます。

私は高齢出産でした。そのため、息子と一緒にいられる時間には限りがあることを、強く感じています。だからこそ、せめて自分が長生きできるように、健康管理には気をつけています。親としてできることは、子どものそばに少しでも長くいること。それも一つの現実的な選択だと思っています。

「環境を変えない」という究極の選択肢

そんな「ダブルパンチ」を避けるための、驚くべき事例に出合ったことがあります。先日、私が移動支援の仕事であるグループホームを訪れた際のことです。
そこは、親御さんの計画性が際立つ、本当に素晴らしいグループホームでした。
なんと、親なきあとのことを考え、もともと「グループホーム仕様」で家を建てて家族で暮らし、親が亡くなった後は、息子さんがそのまま利用者としてその家に住み続けているのです。
つまり、本人の住む環境が全く変わらないというわけです。

最初からグループホームとして機能させるためには、あらかじめ以下のような必須条件を満たす設計にしておく必要があります。
  • 個室の広さ(約4.5畳以上が基準)
  • バリアフリー(段差なし・手すり・広い廊下)
  • 消防設備(火災報知器・誘導灯・場合によってはスプリンクラー)
  • 共用スペース(食堂・リビング)
  • トイレ・浴室の安全性
  • 職員室や見守り動線
  • 避難経路の確保
わが子への深い愛情と、将来を見据えた見事な計画性を持つ素晴らしい親御さんだと、深く感銘を受けました。
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