子どものてんかん手術「脳梁離断術」とは?小1娘の発作激減までの経過と、親子で乗り越えた壮絶な術後2週間【専門医コメント】

ライター:かめ子
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定型発達の長男(22歳)と知的障害(知的発達症)の長女(19歳)、次男(12歳)の3児を育てている「かめ子」です。右手足の麻痺と知的障害(知的発達症)、そしててんかん。幼い頃から多くの困難と闘ってきた長女も、今は作業所(就労継続支援B型)に就労して2年目、元気に通う毎日です。
小学校の入学式を終えた翌々日から、てんかんの外科的手術を受けるために入院することになった長女。今回はどのような手術を受けたのか、入院中の出来事や大変だったことなどを書きたいと思います。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

左脳と右脳を繋ぐ部分を切断する「脳梁離断術」とは?

抗てんかん薬が多剤になる一方でなかなかてんかんが治まらなかったため、紆余曲折を経た後、「脳梁(のうりょう)離断術」という手術を受けることが決まりました。
生後6ヶ月から始まった「てんかん」との闘い。小1で外科手術を決断するまでの葛藤【専門医コメントも】のタイトル画像

生後6ヶ月から始まった「てんかん」との闘い。小1で外科手術を決断するまでの葛藤【専門医コメントも】

脳梁離断術はその名の通り、左脳と右脳を繋いでいる「脳梁(橋梁の役割)」を切断(離断)する手術のことで、開頭して行います。

娘の場合、生後間もないころに起きた左脳内の出血で、脳がダメージを受けた部分から電気が発生し、さらにその電気が脳梁を渡って右脳にも伝わり、脳全体に電気が走ることによって重いてんかんが引き起こされていました。先生いわく、「てんかんが完全に消失することはないかもしれないが、脳梁を離断して電気を左脳内だけに収めることで、てんかん症状がかなり改善される可能性が高い」とのことでした。

娘は出血部位が原因のてんかんで焦点(いわゆる発信元)が突き止めやすかったため、この手術がとても有効だと判断されたわけです。
左脳と右脳を繋ぐ部分を切断する「脳梁離断術」
左脳と右脳を繋ぐ部分を切断する「脳梁離断術」
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夜間付き添いNGの病院。次男がお腹にいた私と、娘の「お泊まり」の日々

小学校入学式の翌々日から、手術に向けて入院することになりました。
本人は「入院」という概念がなく、「家ではない場所に少しだけお泊り」という感覚だったようです。夜間付き添いができない病院だったため、私や夫が帰るときにはきっと大変なことになると分かっていたので、どう対応したらいいのか、事前に看護師さんとも相談を重ねました。

かわいそうだとは思いましたが「少しだけ買い物してくるから、ベティちゃん(ぬいぐるみ)とDVDを見ていてね」などと言い聞かせ、そのまま帰宅するという流れにしました。娘には申し訳ないと思いつつ、この時次男がお腹にいたため、今思えば夜ぐっすり眠れたのはありがたかったです。
入院中片時も離さず一緒にすごしたベティちゃん。いまでも宝物です
入院中片時も離さず一緒にすごしたベティちゃん。いまでも宝物です
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面会時間は夜8時まで消灯が9時だったので、寝るギリギリまで一緒にいられたものの、とても心配でした。しかし初日から泣くこともなく、DVDを見ながら寝落ちしていたそうです。ホッとしましたが、なんとも不憫で私のほうが泣いていました。

面会は午前11時からだったので、朝起きてから私が到着するまで大丈夫なのか……と気を揉む毎日でしたが、朝ごはんもしっかり食べ、プレイルームで看護師さんやほかの子と遊んだりDVDを見たりして、多少ぐずることはあっても笑顔で過ごせていたようです。

3日間におよぶ脳波やCT、採血などの検査は毎回大泣き大騒ぎでしたが、なんとか乗り越えました(取り押さえるのに夢中で記憶が飛び飛びに)。そのほかの時間は、ベッドで本を読んだりDVDを見たり、プレイルームでパズルやおままごとで遊んだりして過ごしました。娘が昼寝をする時間が1~2時間あったので、その間に自分のお昼を買いに行ったり、病院内にあるカフェで一息ついたりしていました。

小児病棟で障害のあるお子さんが多い病棟だったため、見回りもこまめで、入り口の柵も厳重、一人で抜け出さないようにベッドから降りるとブザーがなるマットが敷いてある、などの工夫もしっかりされていたため、お任せすることに不安はありませんでした。

可愛い手術着とホットケーキの香りの麻酔。意外とルンルンで迎えられた手術当日

いよいよ迎えた手術の日。
まずは、手術着を選ぶところから始まりました。可愛いキャラクターもの、淡い色の少しおしゃれなものなど、3~4着の中から「これ~」とルンルンで選んでいました。
その後「これ着たら、いい匂いを嗅いで少しの間眠るよ」と先生から説明があり、どのフレーバーの麻酔がいいかを選びます。娘は麻酔と知らず、「ホットケーキの匂い」を選んでいました。

手術着に着替え、ベッドに座った状態で手術室へ。騒ぐかな~暴れるかな~とヒヤヒヤでしたが、可愛い手術着が嬉しかったのか、大好きなぬいぐるみと一緒に行けるからか、上機嫌でホッとしました。

手術室でいざ横になると急に不安になったのか少しグズグズ言い始めましたが、すぐさま麻酔の先生が「はい、〇ちゃん、美味しい匂いがするから嗅いでみてね~」とマスクをつけるとあっという間に夢の世界へ……後ろ髪を引かれながら「がんばれ!」と声をかけ、手術室を後にしました。外の待合室で待つこと6~7時間、この間のことはほぼ記憶がありません。
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